今年のノーベル文学賞は、スウェーデンの高名な詩人の方が受賞され、残念ながら今回も村上さんは受賞ならずでした。とは申せ、村上さんがこのままずっとお元気でおられたらそのうちいつかは受賞されるのではと期待しています。ほかの日本人作家では、私はなんとなく作風の独特な小川洋子さんもそのうち候補になられるのではないかなという気がしています。よくわかりませんけれども、最近日本でノーベル文学賞のことがいろいろ話題にのぼるたび、どういうわけだか村上さんの名前だけでなくて小川さんの名前も私は気になります。
昨日の昼休み、たまたま入ったラーメン屋の近くの古本屋の店頭に、一冊20円で投げ売りされていた文庫本の中から、「乞御高評 新潮社」メモ付のきれいな新潮文庫数冊、ジェフリー・アーチャー「運命の息子」(上下)、アーヴィング「未亡人の一年」(上下)・「ピギー・スニードを救う話」、「アップダイク自選短編集」を購入。断定は早計かもしれないけれども、ジェフリー・アーチャーもアーヴィングもアップダイクも、一定のモチーフを手を変え品を変え作品化してきた作家に見えます。読者が手に取りやすい近しさを装いながら、作品はいつも手堅さと手強さを備えていると感じるのです。