2022/05/05の16時頃、行きつけのタリーズコーヒーの机で書いた短歌メモ10首。
ゆつくりと堅き足音近付きぬ ドア外にこぼるる靴からの水
ドア外の男は〈西冷印社〉名乗りぬ 〈夜中三時の品物届け〉と
わたくしと〈西冷印社〉とに取引きはなし 薄暗き部屋に帳簿開けば
ゆつくりと堅き溜め息吐き出されぬ ドア外に残る靴形の水
ゆふぐれの僧よりすすめられし経文はドア内側に墨くろぐろと
辞書二冊据ゑし机に帳簿置く 台所に水注ぎてグラス飲み干す
どこの河を渡つてきた靴か知つてゐる あの靴形の水の来歴
階段の途中に眠る黒猫は朝陽に目開きにやあと鳴きぬ その朝も
堅き足音みだれ床踏む幻聴のしばらくありき 寝床に掴む聖書
昼の視力まぶしむしばし 黒猫はにやあとわたくしにすり寄つてくる
そのなかの6首を、こんかい真中さんが歌誌『塔』8月号の選歌欄の鍵外優秀作品に選んで掲載してくださった。ありがとうございました。私のうたが鍵外掲載作品に選ばれるなんて、謙遜でも何でもなく、真夏に雪が降るくらいに本当に珍しい事で、おもわず記念に写真を一枚撮影してみました。今後への励みになります。ありがとうございました。まだまだ頑張ります。
ゆつくりと堅き足音近付きぬ ドア外にこぼるる靴からの水
ドア外の男は〈西冷印社〉名乗りぬ 〈夜中三時の品物届け〉と
わたくしと〈西冷印社〉とに取引きはなし 薄暗き部屋に帳簿開けば
ゆつくりと堅き溜め息吐き出されぬ ドア外に残る靴形の水
ゆふぐれの僧よりすすめられし経文はドア内側に墨くろぐろと
辞書二冊据ゑし机に帳簿置く 台所に水注ぎてグラス飲み干す
どこの河を渡つてきた靴か知つてゐる あの靴形の水の来歴
階段の途中に眠る黒猫は朝陽に目開きにやあと鳴きぬ その朝も
堅き足音みだれ床踏む幻聴のしばらくありき 寝床に掴む聖書
昼の視力まぶしむしばし 黒猫はにやあとわたくしにすり寄つてくる
そのなかの6首を、こんかい真中さんが歌誌『塔』8月号の選歌欄の鍵外優秀作品に選んで掲載してくださった。ありがとうございました。私のうたが鍵外掲載作品に選ばれるなんて、謙遜でも何でもなく、真夏に雪が降るくらいに本当に珍しい事で、おもわず記念に写真を一枚撮影してみました。今後への励みになります。ありがとうございました。まだまだ頑張ります。