カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

短歌メモ。

2020-04-03 05:58:03 | Weblog

今朝の短歌メモから。

寝汗の後(のち)白湯ひと口 彼(か)の人は夢見つつ彼岸(あちら)へ度(わた)つた

足もとに花咲き乱れ光(かげ)澄みて、しづかな道なり ひたすら明るし

ぐつたりと横たはる右腕 空気の廻る部屋にも真白き朝(あした)は

布マスクなぞ、布マスクなぞ要らぬ 机の上(へ)にペンはたふれて五線紙しづか

真摯にはこころ、本物には温もり けふ私が通る道の、名もなき花よ

河は蛇行して森の中を通る 鳥も啼かずば猿も声なし

滅ぶとはひたすらなしづもり 遥かなるビルで一個のグラスが割れた

微笑みに肖(に)て遥かなれ がら空きのセロケース乗せて飛ぶ航空機

アダージェットは頭の奥に鳴つてをり 当機到着ロビーに見ゆる防護服の面々

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする