カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

メモ。

2016-04-24 19:05:12 | Weblog

ジェフリー・アーチャー『運命の息子』試訳。

 

その日、スーザン・イリングワースはつかつかとマイケル・カートライトの近くまで来ると手に持っていたアイスクリームを彼の頭にぎゅっと押し付けた。それが、私たちみんなの知っているふたりの馴れ初めでした。――このアイスクリーム事件から21年後、スーザンとマイケルの結婚式で、マイケルの介添人はこう証言した。

事件発生当時、当事者たちはどちらも三歳だった。頭にアイスクリームを付けたマイケルは火が着いたように泣き出し、何事かと様子を見に来たスーザンの母親が直ちに事態を飲み込んで娘を取り押さえるまでものの十秒とはかからなかった。母親の腕の中でスーザンは「だって、だって、あの子が悪いんだもの」と繰り返し訴えた。だが、母親は黙って娘のお尻を叩いた。お尻をぶたれてスーザンも泣き出した。辺りにマイケルとスーザンの泣き声が重なりあって響き渡ったのだ。どう考えても、この場面が発展して後のロマンスにつながろうとは、誰にも予想できないことであった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一昨日の。

2016-04-24 06:49:46 | Weblog

一昨日聴かせて頂いた藝大奏楽堂の藝大フィルハーモニア定期演奏会〈新卒業生紹介演奏会〉。午後6時30分開演午後9時40分終演というこの上なく贅沢なひととき。ホール客席もぎっしり。昨年も同様の紹介コンサートを聴かせて頂きましたが、今年のみなさまの演奏・作品はどれもまことに素晴らしくて、演奏後何度も〈ブラボー〉〈ブラビー〉〈快哉〉と叫びたくなったほど。昨年よりもさらに演奏レベルが高かったような気がしました。私の心が感動で震え出したのは、最初の指揮科首席の太田さんの振られたベートーヴェンの〈レオノーレ序曲第3番〉から。そのあと、高関健先生指揮藝大フィルハーモニアの素晴らしいサポートを得て、作曲科首席の向井さんの作品〈極彩色‐Prinsessegade,1440〉、声楽科首席の石田さんのロッシーニ〈湖上の美人〉からのアリア、弦楽科首席の岸本さんのブルッフの〈ヴァイオリン協奏曲第1番〉、管打楽器科首席の荒木さんのマルティヌーの〈オーボエと小オーケストラのための協奏曲〉、ピアノ科首席の秋元さんのラフマニノフの〈ピアノ協奏曲第3番〉と次々に演奏されました。どれも本当に素晴らしかったです。心の洗われる素晴らしいひとときをありがとうございました。みなさまの今後さらなるますますの素晴らしいご活躍を楽しみにしております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする