2024/7/14 産経ニュース
選挙集会の演説中に銃撃され、拳を上げながら降壇するトランプ前米大統領
米東部ペンシルベニア州バトラーで１３日午後６時（日本時間１４日午前７時）過ぎ、１１月の大統領選に備えた選挙集会で演説中の共和党のトランプ前大統領（７８）が銃撃された。トランプ氏は右耳を負傷したが、命に別条はない。集会参加者１人が死亡し、２人が重傷。連邦捜査局（ＦＢＩ）は「トランプ氏に対する暗殺未遂」として捜査を進めていると明らかにした。
撃ったのはペンシルベニア州在住の男、トーマス・クルックス容疑者（２０）。大統領警護隊（シークレットサービス）によって射殺され、殺傷能力が高いＡＲ１５型ライフルも押収された。会場外の建物から少なくとも５発、発砲したとみられ、建物の屋上からだったとの報道もある。
トランプ氏は銃撃の直後、右耳を押さえながら演台の裏にしゃがみ込んだ。警護要員が覆いかぶさって１分間ほど伏せた後、抱きかかえられるように立ち上がり、車で会場を後にした。
トランプ氏はソーシャルメディアで「右耳の上部を貫通する銃弾を受けた」と説明。当時の状況について「銃声などが聞こえ、銃弾が皮膚を引き裂くのを感じた」とした。米メディアによると、捜査当局はプロンプターの破片で負傷した可能性もあるとみている。
民主党のバイデン大統領（８１）は東部デラウェア州で演説し、「米国にこのような暴力が許される場所はない」と事件を強く非難。「徹底的な捜査」を進める考えを示した。ホワイトハウスによると、バイデン氏は１３日夜、トランプ氏と電話で会話した。
トランプ氏陣営によると、本人の体調は良好で、共和党の大統領候補を正式指名する１５日からの党全国大会に参加する予定。トランプ氏は１４日、全国大会で演説することを「楽しみにしている」とソーシャルメディアに投稿した。
