2024/07/12 読売新聞オンライン
塩野義製薬の本社ビル(大阪市中央区で)
塩野義製薬は11日、大阪市中央区 道修町どしょうまち にある本社を、2025年夏以降にJR大阪駅北側の再開発区域「うめきた2期(グラングリーン大阪)」に移転すると発表した。塩野義は1878年の創業以来、道修町に本社を構えており「創業の地からの移転は大きな決断となるが、成長を続けるには必要なステップだ」とのコメントを出した。
グラングリーンのオフィス棟「パークタワー」の24~26階に入居する。延べ床面積は約1万2000平方メートルで、現在の1・8倍に広がる。大阪市周辺に分散している開発拠点も集約し、グループの国内従業員の4分の1にあたる約1000人が移る。現在の本社ビルは、子会社のオフィスとして活用する。
グラングリーンには、産官学の連携拠点が整備される予定だ。塩野義は新興企業などとの連携も視野に、新本社を技術革新の拠点にしたい考えだ。海外展開も加速させていることから、取引先を招待するのにふさわしいオフィス環境を目指すとしている。
道修町は江戸時代から続く「くすりの町」として知られ、明治時代には約150軒の薬問屋が集まっていた。近年は本社機能を東京に移転する動きに歯止めがかからず、武田薬品工業が2018年に「グローバル本社」を東京都中央区に構えたほか、田辺三菱製薬や住友ファーマも「東京本社」を置き、2本社体制に移行した。