2024/07/11 読売新聞オンライン
開設を断念した箱作海水浴場には「遊泳自粛」の看板が立つ(阪南市で)
厳しい暑さが続き、海水浴シーズンを迎えた。府内では、新型コロナウイルスの感染防止で海水浴場の開設自粛を続けた影響か、昨夏の利用客が大幅に減少。今夏の開設を見送るビーチもある中、各ビーチは夏のにぎわいづくりを試行錯誤している。
阪南市は、市内の箱作海水浴場(ぴちぴちビーチ)について、昨夏、コロナ禍を経て4年ぶりに再開したが今夏は開設を見送った。
市によると、同ビーチの海水浴客は1990年の20万3000人をピークに減少が続いていた。コロナ禍前の2019年は3万1000人だったが、昨夏はさらに減って2万5000人に落ち込んだ。
取りやめた理由について、市は「猛暑やレジャーの多様化で、コロナ禍以前から海水浴客は減っている。来夏以降、魅力ある海浜空間に生まれ変わるため、今年は見送った」とする。
一方、泉南市は、昨夏は開設を見送ったりんくう南浜海水浴場(タルイサザンビーチ)を20日に5年ぶりに復活する。人工海浜ながら、関空を離着陸する航空機を眺めての海水浴を楽しめる。今季は、コロナ禍の20年7月に隣接するエリアにオープンした泉南りんくう公園(泉南ロングパーク)と一体的な誘客を目指す。
サザンビーチ北側の海岸沿い約2キロに広がる同公園はスケートボード場やバスケットコート、キャンプ場などがあり、米西海岸の雰囲気で若者や家族連れに人気のスポット。海水浴場にも目を向けてもらおうと、今回、管理棟と救護棟として1940~50年代の米国製トレーラーハウス3台を導入する。
市の担当者は「ロングパークとの相乗効果で他の海水浴場とは違う雰囲気を楽しめるはず。円安で行きにくくなった海外旅行の代わりに、おしゃれな非日常を味わいに来てほしい」と期待する。
府内では、岬町の淡輪海水浴場(ときめきビーチ)が6日に海開き。貝塚市の二色の浜海水浴場も今春、府内の海水浴場初の国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得し、13日の海開きへ準備している。