2024/07/12 読売新聞オンライン
廃熱を使って水温調節された水槽にウナギを入れるWDCの伊地知社長
電子情報を処理・保存するデータセンター(DC)の機器から出た熱を活用し、美唄市で養殖されたウナギの出荷が今月、始まる。11日には札幌市中央区の専門店で試食会が開かれ、関係者が肉厚な身をのせた特製のうな重に舌鼓を打った。
養殖は美唄市の「ホワイトデータセンター(WDC)」が手がける。除雪作業で出た雪を施設のエネルギーに活用する同社は、地域の新たな産業を生み出そうと今年1月に養殖を開始。サーバー機器から出る廃熱を使って水槽の温度を調節する。育てたウナギは「雪うなぎ」と命名した。
11日に「うなぎのかど屋」で行われた試食会には、自治体の関係者らが出席。WDCの伊地知晋一社長は「美唄の特産品、観光資源に育てたい」と述べた。寒冷地の道内でウナギの養殖はこれまでほぼ行われておらず、八巻直宏店長(43)は「今後、鮮度の良いウナギが地元から出荷されることに期待したい」と話した。
17~19日には、1日30食限定、税込み2200円で一般客向けにも提供する。