佐竹 油彩
大竹です。今回ご紹介させて頂くのは佐竹さんの油彩の作品です。
こちらの作品はコロナ禍以前から制作されていました。私がお休みの間もオバラ先生に厳しく指導されながらも、何度も塗っては直し塗っては直しを繰り返されたのでしょう。今月に入り久しぶりに作品を拝見した時は、同じ作品だとは思えない程見違えるものとなっており大変驚きました。田舎らしい茶色い家屋は緑に囲まれてほぼ屋根しか見えませんが、様々な色が何層にも重ねられその重みと存在感をしっかりと表現されています。家の周りの緑は色だけではなく筆のタッチも様々ですね。枝に茂る葉っぱは画面を突くように細かく筆を動かし、地面から伸びる草は縦に筆を短く動かす事で差を付けています。家屋や自然で絵の具を沢山使った分、もったりとした重たい印象になってしまいそうですが、上半分を占める空に浮かぶ夏らしい厚みのある雲と、そこから覗く清々しいほどの青色がその重い印象を和らげてくれています。目には見えないはずの空気が、とても美味しそうに感じられますね。
油彩は絵具の厚みや筆使いによって様々な表情を出す事が出来るので、是非色々と試してみて頂きたいと思います。偶然出来た色合いが、その作品の一番のチャームポイントになるなんて事もあったり…?