モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

柔らかい質感、柔らかい光

2020-09-01 23:25:02 | 大人 油絵・アクリル

古谷 アクリル

クーラーがあってもうちわが手放せません、一平です!本日は日曜クラスの古谷さんのアクリル画をご紹介します!

暗い水中を漂うクラゲと夜の街を照らす東京タワー、どちらもご自分で撮られた写真を元に制作しました。大小さまざまな大きさのクラゲが遊泳している絵を最初に、東京タワーの絵を2枚目に描かれました。

1枚目、ゆらゆらと泳ぐクラゲがとても幻想的ですね。クラゲの可愛らしさも勿論ですが、何も見えず少し怖いけれどなんだか神秘的で興味を惹かれる、そんな深海のイメージを絵の中から強く感じます。少し怖い背景と対照的にクラゲたちはホワホワと柔らかく水中を浮いている感じが愛らしいですね。個人的な見解ですが柔らかいものは硬いものよりも描くのが難しいです。不定形であったり、独特のシワが付いていたりと正直言ってめんどくさい!ですがそんな所も丁寧に描いていて絵の主人公として見劣りせずバッチリです。

また、クラゲたちのレイアウトもとても良いと思います。大きいクラゲと小さいクラゲのバランス、どのくらい空間を空けるのかなどがよく考えられていて、ポスターなどのグラフィックデザインのような見ていて気持ちのいい構図です。普通、クラゲだけだと物足りない気がして海藻を描いたり水中の色のトーンをもう少しブルー系に寄せてしまったりしてしまいそうなものですが、そう言った事はせず余計なものをどんどん省く事でキッチリと見せたい世界観を描写されています。

続いて2枚目、東京タワーを下から見た構図の絵ですが、こちらは古谷さんが毎日仕事帰りに見る光景だそうです。クラゲとは打って変わって東京タワーが出す光がフワッと空に広がり絵全体が柔らかい印象ですね。1枚目はクラゲが柔らかく背景をグッと暗い色にする事でとても綺麗な対比が生まれていましたが、2枚目は背景が柔らかく東京タワーや車を硬くカッチリと描く事でまた気持ちのいい対比が生まれています。

そしてやはり東京タワーが照らす夜の空がとても魅力的です。東京タワーの光を受け、暗い空が明るくなっている。ここの光のグラデーションが本当に綺麗にできています。左右の木の陰の暗さから相当強い光がここまで届いている、というのが分かりますね。車などの光沢感が難しいものもしっかりと描ききっていてとても好感が持てる仕上がりです!

やはり並べて見てみると技能面での変化や選ぶモチーフの違いなどが比べられてとても面白いですね。皆さんも今描いているものと前描いたものを見比べると面白い所が沢山あると思います、是非探してみてください!

コメント
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