堀 鉛筆
通り雨にまんまとやられました、一平です!
本日は月曜クラスの堀さんのデッサンをご紹介します!
普段僕は月曜日の夜のクラスにはほとんど顔を出さないのですが、大学の夏休み中に月曜の小学生クラスに出ていて、小学生クラスが終わったその後の流れで堀さんをご指導させて頂きました。
まずなんと言っても銅製のヤカンの金属感がとても素晴らしいですね。
色が濃いブドウと透明な電球など苦労するモチーフもあるのに加え、ここまで量感があり、さらには金属質なものを描き分けなければならないのは大変だったと思います。とても整理され見やすい良いデッサンです。
ですが堀さん、最初の方は金属の質感が出ず、金属が曇ってしまう…と悩んでいました。現実では金属はキラッと光るもののはずなのに、デッサン上では発泡スチロールのようにあまり陰影が付いないもののように見えていたら変ですよね。しかも陰影が弱目についていると、綿のように質量が軽く見えてしまいます。重い、フワフワ、美味しそう、透明など描いているモチーフの情報を正確に伝えるはずのデッサンが、絵を見る人に別の印象を与えかねません。
デッサンでモチーフが曇ってるように見える原因は大抵、表面の明るさや反射の明るさがキッチリ取れてないか、陰影の部分の色の濃さが足りてないか、もしくはその両方に絞れます。要は明るい所はキチンと練りゴムなどで明るくし、暗い所はB系の鉛筆でグッと暗くするという事です。
その事を僕が説明し、少しヤカンに練りゴムで光を入れただけで即座に理解して頂けたようで、一気にこのクオリティにまで駆け上がりました、素晴らしいです!誰が見ても金属質の硬そうなヤカンに見えますね。そのモノがそれらしく見える、当たり前のように聞こえますがとても難しいです。ヤカンのクオリティに周りのモチーフも引っ張られ、デッサンとしてのレベルもグッとあがりました。
絵の入り口として親しまれているデッサンはちょっとした気づきやテクニックで劇的に変わっていきます。今は「油絵などと比べて面白くなさそう…」「勉強ぽくて退屈そう…」と思っている人もデッサン中に培った事は必ずその後の創作に役に立ちますよ!日進月歩!