モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

閑寂を楽しむ絵

2018-07-12 22:31:39 | 大人 油絵・アクリル

矢作 油彩

四月から水曜の夜と日曜日の社会人の方のクラスをお手伝いをさせて頂いている一平です!
矢作さんの絵は途中からでしたが、完成までを見させて頂いたので今日ご紹介させていただきます!
来年80歳になる矢作さん。(僕の祖母より年上です!)雨が降るとお休みしがちですが、かなりお元気に、そしてのんびりと楽しく制作されています。

これは京都の寺院の裏庭の写真から。手前の野菊がこの絵の主役ですが、まるで野原に咲いているような飾らぬ風情にわびさびを感じます。
子供っぽくならないピンクを作るためには赤と白の基本的な混色に、色相環で赤に隣り合わせる一色を足すと深みのある大人のピンクになります。矢作さんは紫を足していますが、オレンジを足したサーモンピンクでも落ち着きのあるピンクになります。

そして後ろの寺院。寺院を見ると微弱な光を左側から感じますが、見る人に光が自然に伝わる理由は障子の色合いです。左側の障子に暖色のイエローオーカー、右側に寒色のブルー系の色の影を置くことで、美しい和紙の質感、光陰が生まれました。この障子は上品で控えめな名脇役と言えるでしょう。
また寺院の土台はサラッと仕上げることで、手前の野菊の丁寧な描写が際立ち、空間や距離感を演出する事に成功しています。
一見地味な絵に見えるかもしれませんが、静けさの中に奥深い趣が感じられる絵になったと思います!

ちなみに菊と聞くと僕は白を連想してしまいますが、実はピンク色、黄色、赤色、紫色などたくさんあるそうですね。ピンクの菊の花言葉は「愛情」だそうです。矢作さん(だけでなく生徒の皆さん!)、これからも愛情たっぷりで絵を描いていきましょう!

コメント
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