モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

1枚の中に込めた想い

2018-02-21 23:34:59 | 大人 水彩

米本 透明水彩

  水曜日担当の滝口です。 水曜日の午前クラスでは4月にグループ展をされるので、皆さん集中力も高まってきていて、作品が仕上がるペースが早まってきています。でも、誰も一切手抜きなく持てる力を最大限に出し切って仕上げています。そこがアトリエミオスの皆さんの意識の高いところだなと改めて思います。小原先生の厳しさがしっかりと教室の雰囲気を作り出しているんだなと思います。

 今日は、そんな午前クラスから米本さんの作品を紹介したいと思います。米本さんは、僕がアトリエミオスに来てから同時期ぐらいにこの作品を始めたかなと思いますが、透明水彩も初めてでいらして、最初描きたい写真の画像を見せてもらうところから始まりました。正直この写真を絵にするのは難しいなと思うほど、雑多な草木の中にカラスがいる写真でした。この作品だけを見ると、言いたい事のイメージがとてもストレートに伝わって来ますが、この絵に行き着くまでには色々な駆け引きが米本さんにありました。どこの花を描くべきか、どう葉を描いたら良いのか。カラスの周りの明るい部分は目立たせたいが目立ち過ぎてしまったとか、それはもう多くの多くの苦難の道のりがこの1枚には込められています。
 生みの苦しみと言いましょうか、作品ってやはりどこか苦しい思いを体験した後に表現されることが、とても大事なんだと思います。でも、そんな苦しみは本人が言うべきではないということもあるので、本人に是非代わって僕が言いたいと思います。この小さな1枚の作品には、凄い想いがいっぱい詰まっています!! 

 僕は、いろんな美術作品や音楽が好きで、大量に見たり聴いたりして、自分の好きな作品に出会えたら良いなと思って消費していますが、ふと立ち止まって考えてみるようにしてます。やはり一つ一つの作品に、もの凄い苦労や想いが込められていて、それこそゴッホのように命を削ってでも表現された作品もあるわけです。ついつい批評的に見てしまう側面や、軽く見てしまうこともありますが、でも造ったり表現したりするからこそ分かる作品の背景を感じ取ってみることは大切なことなんだなと、歳をとってみて思っています。
 ちょっとだけ、ほんの1分でも、この作品をじっくりと見てみてください。色んな声が、この作品から聞こえてくると思いますよ。 

コメント
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