モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

辰神への思い

2014-02-01 14:56:00 | 大人 デッサン
Utidatatukami_2内田 『十二神将 辰神』 鉛筆

土曜日担当の岩田です。うちのPCがとうとうクラッシュしてしまいまして、ブログのアップが遅くなりました。申し訳ありません。
本日ご紹介しますのは、チケットでいらしている内田さんが描かれた辰神像のデッサンです。

内田さんは今回の様に仏像や神像を以前からデッサンで描き続けています。以前描かれた円空仏のデッサンが上野の美術館で開催されたベラドンナ・アート展のコンペティションで見事入選されたという経歴もお持ちです。

古い時代に作られた仏像や神像というのは本当に素晴らしいですね。
それらの像が完成した当初は、全て金箔で覆われていたり、極彩色に彩られていたりするものですが年月が経ち、そういった表面の装飾が落ちてくることで何とも言いがたい味わいが出てきます。ある意味、作られた後その像に向けられる人々の信仰心がそれ自体を更に高みへと誘うということが言えるのかも知れません。

こちらの内田さんの辰神像も大変素晴らしい神像です。勇ましく又大きいジェスチャーで見る人の視線を惹き付けます。そんな像が持つ力強いイメージをこのデッサンは、しっかり画面に投影しています。そして元は鮮やかであったであろうその彩色が剥がれ落ち、体である木があらわになっている質感を見事に捉えています。
こういった見いる程魅力的な質感のモチーフは描きこんで行けば行くほど全体のダイナミックな明暗バランスが崩れてしまいがちです。又細かい部分を描いて行くことで造形物としての立体感や空間性が失われ易いです。
大事なのは何といってもそのモチーフわわ見たときに「描きたい!」と思った第一印象です。あくまでもその時の感覚を最後までキープしなから描いて行くことを強くお勧めします。
そういったことを踏まえてみてもこちらのデッサンは、内田さんのこの辰神への思いが詰まった力作になったと思います。大変素晴らしい一作です!
因みにこちらの作品もコンペに出品される予定です。

コメント
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