モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

仏像のデッサン

2013-04-13 23:32:00 | 大人 デッサン
Utidahudoumyou内田 『不動明王』 鉛筆

土曜担当の岩田です。先週のお花見、皆様本当に有り難うございました。

今回ご紹介する作品はチケットで通っている内田さんの作品です。こちらの2点のデッサンは仏像の写真を元に描かれたデッサンですが普段、寺院などで見かける仏像とはちょっと違った印象をうけると思います。

こちらの仏像を作ったのはそれぞれ違う仏師なのですが左は円空、右は木喰という名前の僧が作ったものです。内田さんががこちらの仏像の写真をデッサンしているのを見て、まず選んでいるモチーフが素晴らしい!と思ってしまいました。

円空は実は私も心底尊敬している方で、江戸時代に全国を行脚しながら辺りに転がっている木に仏を見い出し、おおよそ60年間の生涯の中(発見されているもの)で約5,000体もの仏像を彫った仏師です。そして木喰も円空と同様、江戸時代に日本中を行脚し、仏像を彫り続けました。

今回このデッサンを描かれた内田さんは、そんな二人の仏師のスピリットをしっかり感じ取って画面に表現したいと思いこの作品をお作りになったのではないでしょうか。

作品を見てみると、円空の鉈で直線的に落とされたシャープな平面が鉛筆という素朴な素材と相まってとても美しく表現されています。そして左の作品も分厚い唇で優しく微笑んでいる木喰ならではの仏像の顔がとてもダイナミックに描かれていますね。内田さんのお人柄とリンクしているかのようです。

鉛筆というと習作や下書きの為の描画材といった感が強いと思いますがこの内田さんの作品を見ると鉛筆という素材でもちゃんと一つの作品として立派な描素材になりうるというのが分かります。

どちらかというと粗野で素朴な仏像を描く為に選ばれた鉛筆というこれ又シンプルな素材がこの仏像の本質を表現する上でとても素晴らしい効果を生んでいることに今回私はとても感心させられました。

ちなみにこの内田さんの作品がベラドンナ・アート展に入選しました!凄い。

こちらに↓入選したそうです!ぜひ皆様ご高覧下さい。
第9回全国作品公募 べラドンナ・アート展
会期:2013年4月18日(木)~22日(月)
会場:上野・東京都美術館
開場:9:30~17:30(入場は17:00まで)
入場料:一般 500円/高・大学生 100円
(小・中学生以下無料 * 保護者同伴のこと)
< 後援/文化庁・東京都 >






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