モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

第一印象から決めてました

2008-08-04 00:06:00 | スタッフ講師
Blogitou1Blogitou2
伊藤(高2) 静物デッサン

こんばんは、もしくはこんにちは。幸介です。

本日は最近アトリエに通い出した学生の作品を紹介します。
普段、アトリエミオスで最初に描くモチーフは「コップとレンガと卵の殻」のデッサンですが、彼女は体験授業に来た日に「鏡の上にある、水の入ったボールと果物」という、難しいモチーフからのスタートでした。スパルタですね!!

いきなりで難しいモチーフをなんとか描ききり、続く2枚目の作品が今回紹介するデッサンです。全体の描き込みや質感など、少々粗いところもありますが、彼女はモチーフの捉え方が素晴らしい。ロープがとても良く描けています。

デッサンを描くとき、モチーフの形を性格に取る事ばかりに頭が行ってしまい、時間をかけて形にこだわっているといつの間にかモチーフの「第一印象」を忘れ、キレイに形をとった線の中を塗るだけの「塗り絵」になってしまいます。とくに学生などは、この「塗り絵」と「デッサン」の違いに気付くのが難しいようです。

モチーフのアウトラインばかり見ていては、立体感や空間は出ません。そこでこの彼女の絵の図1(右の画像)をご覧下さい!!

不自然なアウトラインなどなく、「光と影」によって立体感が描けています。カッチリとしたアウトラインなど無くても、ロープの形や立体感はしっかり描けています!!

さらに図2をご覧下さい。ロープなど描くとき、編み込みや模様をひとつひとつ描く方もいらっしゃいますが、なにもそんなに細かく描かなくても大丈夫です。ロープ自身に当たる些細な光と影を描けば、このように自然な存在感になります。並べられたモチーフ全体を眺めたとき、ロープの細かいほつれや模様だけに目がいくわけではありません。逆に細かく描きすぎる事がおかしい場合もあります。

彼女はとても良い「目」を持っています。モチーフをとらえる目が良いんです。どうかこの初心を忘れずに突き進んで欲しいです!!!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする