駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

テロに日本はどう向き合う

2015年11月20日 | 町医者診言

                  

 今日もぐずついたお天気で青空が見えない、10日前までは晴天続きだったのだが、どうしたわけか。女心あるいは男心と秋の空と変わり易さは昔から指摘されているが、曇天が二週間も続くと青空が恋しくなる。

 テロの直接の実行犯は逮捕あるいは射殺されたようだが、これで終息するとも思えない。実はパリもニューヨークに劣らず人種のるつぼで、それこそ色とりどりの髪の毛、目そして肌の色の人が行き交い、話される言葉も多様だ。こうしたところで所謂怪しげな人を特定するのは難しいだろう。

 そこへといくと外国人が増えたといっても東京では異形の人は特定しやすい。そうかといってヨーロッパアラブ系の人に厳しい目を向けるようになっては、99.99%?の善良な旅行者や住民には迷惑な話だろう。尤もアジア系のISも皆無ではないようなので、油断は出来ず難題が増えた。平和を愛し平和を維持してきた日本がテロの標的にならないように祈っている。市民を巻き添えにするようなテロには百万言を費やしても弁護の余地はない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

間違いは誰にもあるが

2015年11月19日 | 世の中

                             

 なんだか小台風が過ぎ去りつつあるような天候で、少し風があり西の空が明るい。冷え込みはなく、季節が何時なのか分からない。

 研修医が来ている。当地から100kmばかり西出身の女性で、優秀そうな雰囲気を持ち実際優秀な女医さんだ。関西、東北、地元の大学にするか迷い、東北の大学にしたそうだ。楽しく充実した学生時代を過ごしたのだが、いざ働く段になって寒いところはもういいという気持ちになったそうで、南下してきたと言う。成る程と聞いた。

 心雑音のある患者が来たので、聴診して貰い、診断名を聞いたのだが、私とは違っていた。私もさほど自信はなく、総合病院の循環器に送ったところ、彼女の診断が正しかった。脱帽だ、いくつになっても学ぶことは多い。年を取って聴力が落ちたなどと言うまい。謙虚に反省したい。

 これは凡人の間違いで、見逃した訳ではなく反省して学んでいるので許容されると思う。さて、極悪人も間違いを起こす。ISがロシアなかんずくプーチンを敵に回してしまった。世界の指導者の中で毒力ではトップかも知れないプーチンを敵に回したのは間違いだと思う。勿論、これは平和を志向する人間にとっては有り難い間違いで、ISも冬将軍の君臨するロシアのプーチンには敵わないだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

目元口元と手元足元

2015年11月18日 | 人生

            

 雨上がり濡れた舗道を歩いて駅に出た。奇妙な天候で寒くない、むしろ歩くと暑いくらいだ。季節が分からない、紅葉を見て秋なのかなと思う。

 昨夜は医師会の会合があり、雨のためタクシーで帰ったのだが、お釣りを貰う時二十円ばかりこぼしてしまい、座席の下の暗がりを捜す羽目になった。運転手は申し訳ないと謝ったが、彼が悪いのではない。だいたい爺の運転手の手なぞ握る気もしない。

 可愛いのは若い娘さんの目元口元なのだが、年寄りは手元足元がおぼつかなくなる。たかだか二百何十円かの小銭を握り損ない、踏み慣れた階段でたたらを踏みそうになって手すりに掴まり苦笑いをする。年は取りたくないと思う時だ。

 会合の後N氏と立ち話、H先生が脳出血で倒れたが幸い殆ど後遺症を残さず二ヶ月で仕事に復帰できたと聞く。比較的若かったのと、出血の場所が命の危険はあるが麻痺が残りにくい部位だったのが良かったようだ。最近のリハビリは身体だけではなく知能の方もやるらしく、ドリルで絞られて大変だったらしい。だいぶん痩せられたが、発言の様子では半年前と殆ど変わらず、脳出血後の印象はなかった。N氏の話では能力の低下は僅少でも、やる気が薄れ困っておられるとのことだった。

 どうも、脳力の衰えは機能だけでなく、面倒とか億劫という形で現れるようだ。高齢者でこれを読まれた方は思い当たる節もあると思う。

 勿論、意地悪な加齢は目元口元にもやってくる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

欠かせぬ冷静さ

2015年11月17日 | 政治経済

           

 なんだかまた暖かくなってきた。駅まで歩くと僅かに汗ばむほどだ。今朝も穏やか平穏な秋空の下を出勤してきた。

 オーランド大統領がベルサイユ宮殿に上下両院議員を集め、フランスは戦争状態でISに反撃すると宣言したと報じられている。確かに何としてもISを押さえつける必要があるし、こうした無法のテロには迅速な対応が不可欠だ。しかし、頭脳は冷静を保ち、ISのテロがなぜフランスで起きたかも考える必要がある。無茶苦茶なISではあるが歪んでいても何某か自分たちを正当化する理屈を持っているはずだ。そうした分析を抜かりなくやらないと有効な反撃は難しいと思う。

 単純に考えても自分たちだけが正しいと逆恨みでテロに走る人間に銃器や爆薬を作る能力はないはずで、武器弾薬供給路を絶つ方法はないものかと素人は思う。資金に思想はなく、代金さえ払えば誰にでも武器弾薬を売る組織があると思われる。

 なんだかテロは計画的で小説を地で行くようなプロットが背景にあるらしい。悪知恵に負けない知恵を出して、平穏を取り戻して欲しい。日本に何が出来るか、日本はどうすれば良いか、政府には幅広く深い洞察に基づく冷静な対応をお願いしたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノーベンバー

2015年11月16日 | 町医者診言

              

 本当は九を意味するノベンバーだがジュライ、オーガストが割り込み十一月となった。秋の終わり冬の始まりの特色のない季節で何もないノーベンバーと詠んだ人も居た。地域によっては紅葉の見頃で賑あう所もあるようだ。私は空気が澄んでさほど寒くなく、好きな月だ。

 11月に研修医が回ってくることが多く、今年もやってくる。10年前この制度が始まった頃の初々しさ情熱はなくなり延べ五十人ばかり面倒を見てきたのだが、この五六年はどんな研修医が来たか記憶が薄くなり、以前お世話になりましたと勉強会で挨拶され、果て誰だったかと言うこともある始末だ。

 厚労省はこの研修医制度を見直そうとしている。十年一昔だから良い考えだとは思うが、どう変えるのか気になる。全国から研修医が集まって研修医時代を共に過ごすことは卒業大学の異なる仲間が出来ることでとても良いことだと思う。唯、今の方法だと人気のあるところに研修医が集まる傾向があり、地方の大学の中には卒業生が首都圏に行ってしまい、他大学の卒業生も応募して来ず、新入生が足りず困っているところもあるようだ。

 中々名案もなさそうだが、現在のシステムは系列化している大学関連病院の壁を破ることのできる可能性があり、それは良い点だと思う。日本で良質の臨床研究がしにくい理由の一つに大学で系列化した関連病院の問題がある。系列化に良い点もあるとは思うが弊害の方が大きそうだ。この壁は強固で簡単には崩れそうにない。人材交流が壁を破る一番の方法と思う。どう見直すか、厚労省に広く意見を聞いて知恵を絞って戴きたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする