立ち泳ぎで首から上を出すには、足と手を必死に動かして水を下へ押さえつけねばならない。ロケットもよく似た原理でガスを後ろに放り出す反動で前に進んで行く。
池井戸潤の小説「下町ロケット」がテレビ映画化された。配役はちょっとどうかなと思っていたが、大好評のようである。
よくあることだが、ロケットは戦争利用により急速に発展した技術の一つで、V2は第二次大戦でドイツが開発、ロンドンに打ち込まれ市民に多大な恐怖を与えた。
さて、ロケットの飛行原理は機械だけではないことを書いておきたい。前期高齢者になるまでは政治に対する興味は限られたものだった。今でも、専門的な知識はないのだが、老い先短いとしても先行きの懸念材料として、世の中を映す鏡の一つとして、政治への関心は深くなっている。
どうも政治家の中にロケット政治家が居るのに気が付いた、その嚆矢が橋下徹だ。日常生活では嘘と言われる発言を巧みに操り、気に食わない政党政治家を非難する反動で前に進んで行く。他者を非難する反動で自分と仲間を前に進ませてゆく姿を見て、ロケット政治家と名付けたくなった。敵を創り出して大見得を切って非難し煽る。そして勢いや迫力に雷同する人を取り入れてゆく。猫だましに変だ狡いと気付いても、次々と猫だましが連発されるから、普通の人はついて行けず、まやかされてしまう。松野さんは見かけほどひ弱ではないようだが、橋下さんの見てくれと弁舌の前には霞んでしまう。
大阪のダブル選挙に大阪人がどう反応するか、他人事ではなく関心を持って観測している。政治家を引退する人、敵対する自民の親玉とは相通じる人、橋下徹が猫だましの百連発を始めている。それも政治否それが政治と思いながらも、匙を投げることはできない。