駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

あのね、なんでもっと早く

2022年09月14日 | 診療

            

 

あのね」といいたくなる人達がいる。私と同年配のTさん、高血圧症と2型糖尿病で通院している。ごつい人でしばらく前まで農家をされていたのだが、この頃は息子に譲り時々手伝っておられるようだ。神経質の反対で口数が少ないが、医師の指導は素直に聞かれるので血圧も血糖値も良好だ。

 この頃ちょっと飯が食べづらいと言われる。何だか顔がゆがんでいる。マスクを取ってもらうと口がひん曲がり右目が垂れて目が赤い。上向いて、目をつむって、口をイーっとしてと指示する。上手くできない。典型的な末梢性顔面神経麻痺だ。何時からと聞くと10日前から言う。「どーしてもっと早く来ないの。なんでほっておくの」と言ってしまった。家族は顔を見ないのだろうか?。

 今から総合病院の神経内科に行ってと紹介する。若い専門医がもう十日経っているし糖尿病があるし、マッサージとビタミン剤でと、型どおりの迫力の乏しい返事を返してきた。早ければ早いほど治りやすいのに、なんだかとても残念。

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