駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

中庸の難しさ

2020年01月19日 | 小考

                    

 

 日本は平和だねというのがパリ在住のK氏の感想だ。確かに、ストもなくデモもなく、芸能ニュースが飛び交い健康志向製品コマーシャルが溢れて平和そうに見える。もう一つ、日本人は従順だねというのがK氏の感想である。生粋の日本人なのだが、フランス語とワインが好き、そして娘が住んで居るというわけで数年前からフランス七割日本三割の生活をしておられる。どちらが良い悪いという問題ではないが、異なる世界があることを実感されているようだ。よく知っているように感じているフランスも、実際に住んでみると日本的な理解とは違っているところも多いらしい。

 親しくしているK氏から住んでみての話を聞くと、日本は表面平和で単一同質志向の国なのかなと改めて感じる。以心伝心と忖度が生活に技術として行き渡り、空気を読んで満場一致を選ぶ傾向がある。極東の島国であることがそうした存在を可能にしたのだろうか。

 日本人論は「日本人とユダヤ人」を嚆矢として、数多くの著書があり色々な論争がある。それらをきちんと読んだこともなく、なんとなく知っている程度で深い議論は出来ないが、友人の話から日本の特徴を連想した。

 健康には中庸が望ましい、恐らく平和にも中庸が望ましいのだろうと思うが、果たしてどのように実現するかとなると難しい。専門外で市井の医者の手に余る問題だが、日本に住む日本人の一人として一見の平和の中身について考えてしまう。 

コメント
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