駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

待合室余聞

2019年11月08日 | 診療

    

 

 稀だが中待ちを知らない?患者さんが居て、受付で呼ばれたからと直接診察室に入ってきてしまい困ることがある。殆どがお爺さんだ。カルテや書類を書いていることが多いのだが、仕事を中断させられるのは迷惑なのでもう一度呼ばれるまで椅子に座ってお待ちくださいと外に出てもらうことになる。もっと多いのが受付で呼ばれたのに中待ちに入ってこない患者さんだ。おしゃべりしていたり雑誌を読んでいたりで呼ばれたのに気づかないのだ。これは呼ぶ方にも多少責任があって、忙しくても名前を読んだ時に反応があったかを確認した方が良い。

 どうして中待ちというものが出来たのかよくわからないが、数多い患者さんを診る時に便利というか都合が良いのでできてきた工夫だろうと思う。

 待つ順番というのは守ってもらわないと困るのだが、せっかちな患者さんや順番を間違える患者さんが居て、あの人の次は私のはずだとまだ呼ばれていないのに、入れ替わりで入ってきてしまったり、山田花子さんと呼んだのに吉田幸子さんが入ってきたりする。軽い難聴の患者さんやお婆さんが多い。揉めるのを避けるために受付で番号を渡しているのだが、せっかち勘違いをする患者さんにはあまり効果がない。唯、間違いを納得してもらうには有効だ。患者さんも色々即ち人さまざまで、一人二人の前後を気にせずいいですよと、耳が遠いお婆さんに順番を譲ってくださる人から違うじゃないかと怒り出す人(ほとんどが中年以降の男性)までさまざまだ。

 待合室には新聞や雑誌が置いてあるものだが不思議なことに気が付いた。医者の私も病気があるのでかかりつけ医に受診するのだが、そこにおいてある雑誌が自分のところにおいてある雑誌に重なったり、自分の好みの新聞だったりするのだ。妙なことがあるなあ、これも相性というものかなと思った。

コメント (2)
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