日本の四季の変化は微妙で多彩、日本人の感性に大きな影響を与えてきたのだが、高々二十年で子供の時とは違う季節が巡ってくるようになった。尤も、日本の四季は百年単位では少しずつ変化しているようで、江戸時代はもう少し寒かったらしい。
今は晩秋、どういうわけか私は十一月が好きで、枯れ葉が舞い落ちた歩道をしみじみ歩いている。どの月にもそれぞれの良さがあり、いつが一番と言うことはないのだけれど、何もないノーベンバーが好きというか趣味なのだ。何となく意外に同好の人が結構居られるのではという気もする。四月エイプリルや九月セプテンバーを謳った歌曲を知っているが、十一月ノーベンバーを謳った歌曲は知らない。歌にはしにくい季節なのかも知れない。しかし、文化祭があったりして春とは違う出会いがあり、秘かな恋の季節ではないかと思う。
後付けの理屈なのだが、十一月は生活というか気持ちが落ち着くので好きなのかも知れない。仕事の方は患者さんが増え始めだんだん忙しくなるのだが目の回るほどではなく、却って雑念が入り込まず脳神経には良いような気がしている。さて今日は連休明け、忙しくなるだろう。