太平洋を隔てての睨み合い。崖をめがけてまっしぐら、どちらが先にレースを降りるかの肝っ玉試し、先に降りた者が臆病者のように言われるが、意地を張り過ぎ崖から落ちるのが勇者とは思えない。
須之内徹という人が居た。自分は絵を見る鑑賞力鑑識力で随分の影響を受けた。須之内の文章には不思議な魅力引力があり、絵の中の散歩を始め七、八冊(恐らく殆ど)の評論随筆を読んだ。それほど引きつけられ影響を受けたのだが、全幅の信頼や敬愛は生まれなかった。何故かと言うことは分からなかったしそのことを深く考えたこともなかったのだが、先日いつも読ませて頂いているブログを読んだら、宇野浩二が須之内の小説を自分だけを大切にしすぎると評したと書いてあった。一刀両断、あっそうかと膝を打った。
太平洋を挟んで睨み合う二人、それに誰かを加えても良い気がするが、なぜこの人物がリーダーで困るかという理由が分かった気がする。それにしても宇野浩二とは何者、名前しか知らない人だが凄い人が居たものだ。今の時代に意見を求めたい人物と思う。