駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

グーグルアースから見えてくるもの

2012年09月22日 | 小考

      

 時々グーグルアースを眺める。地球のあらゆる場所を俯瞰することが出来る。どんどん拡大してゆくと我が家も駅前医院もちゃんと確認出来る。子供の頃、こんな事が出来たら良いなあと思ったことが出来るようになっているのだ。子供の時だったら感じられただろう新鮮な感激がないのは残念だが、科学技術の進歩の凄さを実感する。

 地球の上をスムースにあちこち移動できるのも楽しいのだが、不思議な感覚に囚われるのは、だんだん拡大してゆく時だ。まず国が判別でき次いで山や川といった地形が現れ、幹線道路と市街地が分かるようになる。更に拡大すると個々の住宅まで識別できるようになる。実際には出来ないのだが、もっと拡大をしてゆけば一人一人が識別でき、更に拡大すれば顕微鏡の世界にまでどんどん入ってゆけるわけだ。そしてあるところを境に、個性が剥ぎ取られ、量子論の世界に入り込んで行く。どうも微少な世界の絡繰りが人間のスケールの世界をそして宇宙スケールの世界を支えているらしいのだが、繋ぎ目が判然としない。

 こうしたスケールの違いが考え方の相違感覚の相違の根元に横たわっているのを感じる。極めておおざっぱに言えば保守寄りの人は鳥の目を持ちリベラルな人は猫の目を持っていると言えそうだ。国のレベルで考えれば国力が第一だし、個人のレベルで考えれば自分の生活が第一になる。話が噛み合わないわけだ。

 面白いことに病人になると自分の身の回りに目が行き、社長になると日本や世界に眼が行くようになる。グーグルアースを見ながら妙なことを考えた。

コメント (2)
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