駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

先送り病

2012年09月18日 | 世の中

    

 何も決められない先送りの政治ではいかんと決められる政治へ舵が切られた?。確かにいつまでも先送りでは手遅れになることもあるだろうし、忘れっぽい日本人はそのうち問題を忘れることもあり、反対勢力の思うつぼになることもあっただろう。

 先送りの怖さというか凄さは際限が無いことだ。四回目の先送りでは前回のことは憶えていても最初の先送りのことは忘れられ、多少とも手直しがあれば、新たな先送りのような扱いになってしまう。

 当院には十年前から「何とか4キロ痩せて下さい」。「努力してます」。で結局70キロの壁を破れず遂に六五才の前期高齢者になられた女性の患者さんが数名おられる。

 なんと実力の無い医者かと我ながら嫌になるのだが、今度は次はと言いながら十年があっという間に過ぎてしまった。尤も、五、六年を過ぎた頃からさほど強く痩せて下さいとは言わなくなってしまっていた。強く言うと「分かってます、頑張ってます」。とお互いに気まずい雰囲気になってしまうのだ。

 それでも三年も繰り返し言っていると、ずーっと駄目だった患者さん中に2キロ3キロと痩せてこられる患者さんが居られる。勿論、医師看護師の指導の効果だけでなく何か心境や境遇の変化も手伝っていると思われるが、とにかく結果を出してこられる。こうしたことがあるから口酸っぱくご飯はこれくらいと食品モデルを見せ続けることができる。

 尤も、先送りとか決められないの批判を恐れて、見切りで決めていいとは言えない。痩せりゃあいいんだろと、蒟蒻サラダで痩せても反動があり返って体調を崩してしまう。

 さて、今回の消費税導入と原発ゼロを目指す決定だが、これは拙速に当たるだろうか、そうとも言えないようだ。泥鰌侮るべからず。

コメント
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