goo blog サービス終了のお知らせ 

駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

忘れ物

2009年06月20日 | 診療
 時々忘れ物をする。以前よりちょっと増えたかも知れない。せっかちなくせに考え事をする悪い性質で、先日も気が付いたら目的駅で、慌てて降りて棚に背広を忘れた。蒸し暑かったので、つい背広を脱いだのがいけなかったか?
 忘れても、ほぼ100%戻ってくるのが日本の凄いところだ。はるばる百キロ近くの一人旅の後、お気に入りの夏用の麻入り背広は戻ってきた。鉄道員は丁寧で礼儀正しく親切で、本当に嬉しい。
 引き合いに出されて迷惑だろうが、イタリアではまず戻ってこない、それどころか油断すると持って行かれてしまう。うら若い妊婦なんて油断したらいけません。そのために妊娠しているわけではないはずだが、日本じゃ臨月の盗人など考えられない。ちょっと脱線した。
 なぜ忘れ物をするか。どうも短い時間に場面を転換しなければならない時には、そのことに意識が集中し、視野が狭くなるらしい。本当は30秒というのは結構長い時間なのだが、次の行動の用意を始めると、その十分な時間を生かすことが出来ない。時間が迫っているという気持ちが思考の柔軟性を奪ってしまうらしい。
 診察室の忘れ物は丁寧に頭を下げてお礼を言われる患者さん方に多い感じがする。マイペースというか自分の都合優先でプイと席を立たれる患者さんは忘れ物が少ないようだ。
 手から離し、視野に入らない所に置いた場合がほとんどだ。次の患者さんが待っているから早く出なくちゃとかきちんとお礼をしなくちゃと、相手に気を遣われる方が多く、概して忘れ物をされる方とはコミュニケーションが取りやすい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする