最近よく目にする「宗教二世」よりも「カルト二世」のほうがことの本質を的確にとらえているという意見に私は賛成したい。さて「我が事のように喜ぶ」「よそごとと聞き流す」「ひとごとではない」は耳慣れた言葉だ。鹿児島弁で、よく「わがこっ(我が事)じゃが」などと諭されることがあった。それを今日では「自分事」「他人事」と表記し「じぶんごと」、「たにんごと」と読むようになってきた。
私は「自分事」より「我が事」のほうを使いたい。もっとも「我が事成れり」とまで気取ることはないけれど。ことばは時代とともに変化すると言われる。またことばの乱れなどが指摘されることも多い。「他人事(ひとごと)」の例は、乱れとまでは言えないのかもしれない。(ネリネ)
「癌」という病名はほかに、いい呼び名がないものかという意見を聞いたことがある。医療関係では、その呼び名には十分な配慮が求められるようになりつつある。かつて糖尿病や痛風は「ぜいたく病」と呼ばれていた。それに「成人病」などをふくめて、「生活習慣病」とひとくくりで呼ばれるようになった。
精神分裂症は「総合失調症」に、らい病はらい菌を発見した医師の名前から「ハンセン病」になった。最近では学習障害は「学習症」などのように障害を症に、つまり「言語症」「パニック症」などのように変えた。また万歩計とはある会社の商標であって、スマホなどには一般に「歩数計」と表示されている。