養老孟司の「ほとんどの人は、心とは個人に限るものだと思っている。しかし個人に限られた心なんて、ほとんど意味がない。感情も理屈も、他人に理解されてはじめて意味を持つ。近代人は心は個人のものだと思い込んだ。だから他人を理解しなくて平気である。世の中で生きているかぎり必要なことは他人の心を理解することである」という言葉に触発されて、つぎの私信を公開することにした。毎年楽しみにしているBさんからの「回顧・世相川柳」の年賀状が今年は来なかった。そして4月になって、つぎのハガキが届いた。
●春は名のみの風の寒さや・・・という早春賦の歌詞の通り、当地では一足遅れます。4月1日(今日)朝から一面、雪景色。雑木林の枝々に雪の花が咲きました。●その後、長らくごぶさた申し上げて居りますがお変わりございませんか。下って私こと、昨年末に ふとした肺炎をこじらせ、多臓器不全を引き起こし、〇〇病院のICU(集中治療室)に入院。人工透析、胃ロウの経管栄養、酸素吸入、等々の手厚い医療の恩恵に与って、3月初め、どうやら無事、一般病棟へ転院、目下△△病院で入院加療中です。寝たきりですが、ベッドの上に胡坐して、このハガキを書いています。回復に向かっていますので他事乍らご安心ください・・・という次第で、年末以来ごぶさたして了いました。年賀状も欠礼。どうかお許しください。
●ICUに2ヶ月入院中、ケイタイも使えず、面会も謝絶で、外界から「隔離」されていたので、森友問題も閣議決定もアベ政治の動き全体のことも、当地の上空をオスプレイが飛んでいたことも知らずに過ごしました。一般病棟に移って1ヶ月、TVや新聞で色んな事を知り面食らっている次第です。
●いつ退院できるか分かりませんが、夏ごろまでに退院できたら、又、おめにかかれるのが楽しみです。但し、チューブを通じて胃の穴(胃ロウ)に栄養を注入する「食事」を摂っているので、ごいっしょにご馳走を囲めないのが残念です。では、お元気で!!なつかしい思い出をこめて。お詫び、ご挨拶まで。早々不一。