玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*九九の歌

2015年07月13日 | 捨て猫の独り言

 今年は雨が降り続き陽射しのない日が何日も続く本格的な梅雨となった。茎が細く一個の花をつけた遅咲きのヤマユリは、雨に打たれて重みを支え切れずに、草むらの中にうつ伏せに花を咲かせている。明るさの残る夕刻に、小雨降る緑道で先を歩く女子高校生に追いついた。見ると傘を肩にあずけて両手にひろげた本の活字を追っている。ふと目があうと彼女がほほえんだ。

 「えらいね」と声をかけて、なぜか私は足を速めて先を歩いた。「え、ははは」と彼女は素直に答えた。随分前のことを思い出した。ある晴れた日の夜遅く同じ緑道でスマホを覗き込みながら向こうから歩いてくる若い女性とすれ違った。私が目撃したのは一瞬のできごとにすぎない。闇の中で彼女の顔だけが発光体に照らし出されて浮かび上がっている。いかにも無防備だと感じた。もちろん声をかけることはなかった。(7月7日撮影・中央は可哀想な名の花)

 

 この時期に日本の小学3年生の算数は「あまりのある割り算」である。割り算ができるためには「九九」を覚えておかねばならない。6月に私は広用紙に縦横に1から9が順に並んだ「九九表」を作った。9×9=81個のマス目がある大きな表である。マス目は空欄のままにしておく。数え方を工夫したりしながら全部で81個のマス目を数え上げた。これは覚えるしかないと覚悟してもらうためである。

 日本の子供たちには「九九の歌」というCDなども出回っているようだ。「に~いちがに、ににんがし、にさんがろく、・・・」と口と耳を使って語呂よく覚えられるようになっている。これがアメリカでは「Two times three is six」となるから覚えるのは容易ではない。しかし先ほどの九九表のマス目に答え(積)を書きこんだ「Times Table」で覚えているようだ。さぞかし電卓を欲しがる子が多いことだろう。

コメント (2)
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