滞日6年で日本語の習得と大学を卒業したという36才のガイド氏はバイタリティの人。賢い中国人といえば失礼?ガイドも長けていたがそれ以上に商才に長けていた。その割りに憎めない所は率直だから?
彼は誇りに満ちて「この国は発展している」と力説し、経済発展が目に見えるビル群、高層住宅をよく紹介した。またパック旅行には付物だが、まるでセットのように観光の後は必ず「・・研究所」も案内した。伝統に裏打ちされ、多くの分野(刺繍、書道、織物、焼き物、お茶、工芸品など)は中国が元祖だけに、一流の作品を仕上げる過程を見るのは興味深くもあった。
研究所は土産物店も兼ね、見学はいわば前座。作品の終盤の説明は「こんなに優れている物がたったこの値段で買える」と変り、買わないと損と値引交渉の店員が就いて回る。いかに素晴らしくても、値引きしても買う人はマレ。こんな風景が何回繰り返されたろう。ガイド、店員にも見入りもあるようで懲りずに案内する彼らに敬服するのみ。(鳥の巣風のオリンピック会場)