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玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

朝日と夕日

2006年02月27日 | 捨て猫の独り言

 この地球をアドバルーンに見立てる。するとジェット旅客機の飛行する辺りまでの空気の層はどうか。それはアドバルーンに付着した埃ほどの厚みしかないそうだ。そのように考えると、人はいかに狭い圏内で生活しているかがわかる。この見方は空気と水は無尽蔵でないことを私達に実感させてくれる。

 人が正月元旦に山や海に出かけ初日の出を見ようとするのはなぜか。そのとき建造物が視野に入らないほどよい。太古よりそうであった風景を人は見たいのだ。水と空気と太陽によって生きることを年に一度ぐらいは確認したいのだ。

 私は毎日のように水平線を太陽が昇るのを見て、水平線に太陽が沈むのを見ました。こんなことを地球一周の船旅を経験した人から聞いた。地球の断面図である円を考えてみよう。船はその円周上の一点である。その点において接線をひこう。光は直進するから船からは他の地球上の何ものも見えない。例えば地中海を航海中においてもである。見えるのは近くの海ばかり。だから船では太陽は昇るときも、沈むときも水平線上にある。

 またこんな話を聞いたことがある。東シナ海に面したある町ではいつでも夕日が水平線に沈むのが見られる。季節は夏であろうか。遠来のお客があると家族みんなで砂浜に出かけてつつましい夕食を広げる。水平線に沈む大きな夕日がなによりのご馳走であったという。まだ日本が貧しかった頃のお話である。

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