私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

2018年、2022年と見に行き、2023年は巣が崩れてしまったらしく、今年は隣の岩で抱卵中だった。

2012年1月3日(火)金華山

2012年01月03日 | 金華山・航路
■2012/1/3(火)11:10-13:46【天気】晴れ
【場所】荻浜・鮎川浜・金華山・航路
【種名】ウミウ,コクガン31(荻浜成幼計23・鮎川浜成鳥3・幼羽5計8),マガモ,カルガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,キンクロハジロ,スズガモ,トビ,ノスリ,イソシギ,オオセグロカモメ,ワシカモメ,カモメ,ウミネコ,ハクセキレイ,モズ,カワラヒワ,マヒワ,シメ,ハシブトガラス(9科21種)
【メモ】正月の3日に金華山黄金山神社に参詣した。仙台を出発したのが9時30分で,これはいつもなら金華山に着いている時間だ。普通に行っても2時間は楽にかかるので,12時前に着けばいいと思い,三陸道を走った。コバルトラインは前回行った時に通行止めだったので,今回も石巻から浜沿いのルートを通った。復興が少しずつ進んでいる浜もあれば,前回来た時とほぼ同じ状態のところもある。荻浜を11時過ぎに通過した時,ふと海岸を見るとコクガンの群れがいたので,車をバックして停車し,羽数をカウントした。逆光だったのと先を急いでいたので,成鳥と幼羽はカウントしなかったが,あとで撮影した写真を見るとほとんど成鳥で,幼羽は23羽中10羽以下だった。大原浜や十八成浜は震災前はオオセグロカモメの大群がいたところだが,ほとんど数羽しかいない。この辺りの地区の民家や商店の様子は,もう30何年もこの道路を毎年通っているので,今でも思い出すことができるが,海岸沿いの道路は満潮時には今でも冠水するようで,建物は本当にみんななくなってしまった。鮎川浜を望む最後の峠付近には仮設住宅がある。坂を下って鮎川浜に到着したのは12時少し前だった。鮎川港自体1.5mほど沈下して,満潮時には七十七銀行あたりまで冠水するということだった。金華山も同様で,鮎川港にしても,金華山にしても現在は仮設の船着き場はあるが,金華山航路の2つの会社の定期船(ホエールとドリーム)は運行できない状態にある。代わりに小回りのきく海上タクシーが運行されており,定員12名で金華山への参拝客をピストン輸送している。また,1日から3日まで渡島による参拝が可能になったのは,多くのボランティアの方々やNPOの方々のご尽力によるのだが,その事情については,金華山黄金山神社のHPの東日本大震災ドキュメントに詳しく記載されているので,ぜひご一読願いたい。
 その後,船に乗って金華山に行った。船から見えた鳥はウミネコ,オオセグロカモメ,ウミウくらいだった。驚いたのは金華山が見えた時で,金華山灯台付近から山椒峠への登り口あたりまでの島の海岸部が樹木一本もない状態になっていた。地震,津波,台風15号で,ただでさえ環境が悪化している外洋側の惨状は相当なものと予想された。仮設の船着き場に到着し,バンで神社まで送ってもらう。神社への参道は台風15号の直撃により崖崩れで通れなくなっていたのを,神社のHPにあるように多くのボランティアの方々の作業によって通れるようになったものだ。本当に頭が下がる思いがした。表参道は台風15号の時に,沢のように水が流れ,めちゃめちゃになっている。この道はかつてはキクイタダキが多い場所だったし,芝生一帯はヤマガラ,シジュウカラ,アオゲラ,コゲラ他,様々な小鳥がいたが,今日見たのはハクセキレイ2羽とカワラヒワ10羽+,その群れに交じったマヒワ数羽と,シメの群れだけだった。神社に着くと,まず最初に本殿に石段を登って参拝した。奥の方に今年の干支の龍の彫刻が見えたが,今まで気にしなかったが,凄い迫力だ。その後,表参道を下るのは諦め,日当たりのよい裏参道を鳥を探しながら歩いたが,前述した鳥たちがいるだけだった。山頂を仰ぎ見てもノスリとハシボソガラス,トビが飛んでいるくらいで,オオワシやオジロワシの姿は見えなかった。参道を下り,桟橋に着くとたくさんのカモメ類がいたので,1羽1羽チェックしたが,その中に♀型オオセグロカモメの第1回冬羽がいたくらいだった。それより驚いたのは,いつも島の反対側に行くルートでホテル跡へ続く道だが,これがほとんど通れない状況だった。5月には来る予定だが,果たして大函崎,小函崎まで行けるか予想は不可能な状況だった。
 金華山と牡鹿半島先端の瀬戸(津波の時に海の底が見えたという)では,巡視船ほろべつが停泊していて,近くにゴムボートと小型船に海上保安庁の潜水士の方々が行方不明者を捜索していた。これにも本当に頭が下がる思いだった。帰りの航路は瀬戸は波が静かだったが,外洋に出ると風が強く,風が外洋側に吹いているので,波を乗り越えていくパターンだった。鮎川港に着くと,出発前に見つけていたコクガンを見に行った。すぐ近くにいて,海草をくわえてこちらを見ていた。成鳥が3羽と幼羽が5羽だった。帰りはまた荻浜でコクガンを観察し,最後に雲雀野でカンムリカイツブリの群れを例によって撮影し,仙台に帰ったのは5時過ぎだった。
 今日は,鳥を見に行ったと言うよりは,調査でお世話になっている方々に1年3ヶ月ぶりにお会いでき(震災後の6月に行った時にはお会いできなかったので),本当によかった。
【写真】
  
■荻浜のコクガン/くろしお号/金華山本殿の龍
  
■ホンシュウジカ。瞳孔がシバヤギ同様横スリット/裏参道芝生付近の古木/巡視船ほろべつ
  
■表参道/♀型オオセグロカモメ第1回冬羽
  
■オオセグロカモメ第1回冬羽。成鳥になるにつれ虹彩が明黄色に変化する。/コクガン成鳥2羽と幼羽1羽/コクガン成鳥1羽と幼羽3羽

■石巻雲雀野公園付近のカンムリカイツブリの群れ


Copyright(C)2012 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2011年6月23日(月)鮎川浜

2011年06月23日 | 金華山・航路
■2011/6/20(月)6:34-7:04【天気】晴れ
【場所】鮎川浜
【種名】カルガモ,トビ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ハクセキレイ,ホオジロ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(7科9種)
【メモ】今まで行けなかった鮎川浜に行った。昨年度は5月,7月,9月の3回鮎川港から金華山沖40Kmの海域の海鳥を調査した。お世話になった方々の安否伺いを兼ねて出かけた。石巻渡波地区を過ぎ,コバルトラインは通行止めということで,荻浜経由で鮎川を目指す。行く浜行く浜で,津波によって壊滅した漁港と人々の家々の跡地を見る。見慣れた風景がそこには全く存在しなかった。大小多くの漁船がひしめく大漁港も瓦礫が港を覆っている。かろうじて津波の被害を免れた家も,地震で半壊のところもあった。樹木の葉の色が赤茶けているのは津波によるものだ。もう少しで鮎川浜というところで,ひどい段差があり,車高が10cmしかない前輪近くのトランスミッションをつり下げている場所に石ころが入ってしまったらしく,すごい音と震動がする。ここでは直せないので,だましだまし,行くことにした。峠の教員住宅を過ぎ,鮎川港に入る。いつも通る場所は,道路が何となく行けそうにないように見えたので,真っ直ぐ七十七銀行の前を行くことにした。ところが,着いた先が,よく見るとホエールランドの前で,岸壁の駐車場ではない。よく見ると,いつも駐車する定期線切符売り場やお世話になっている金華山観光の事務所前の岸壁は,満潮で50cmくらい下にあった。もちろん満潮だから50cm下にあったのではなく,津波や地震による地盤沈下,施設の破壊により,下にあるのだった。定期船や黒潮号の船着き場はすっかり水没していて,歩いて行くこともままならない。干潮でもどれくらいでるのか想像がつかない。いずれ,鮎川港一帯はすべて破壊され尽くしているので,どうしようもない。エンジンつき小型船に漁師の方が一人乗っていて,網の手入れをしていた。アナゴらしい魚やフグの種類,キンメのような魚など(魚類はちっともわからないのでこの程度で)バケツで蒔いたところにオオセグロカモメの成鳥夏羽個体が10数羽群がって食べていた。
 帰りは石巻の長浜に寄ったが,オオセグロカモメとウミネコの群れ50羽ほどと,遠くにシルエットからするとウミガラスの類が1羽浮かんでいるのが見えた。何しろ,ここ3週間ほどは愛用のEOS7Dと100-300mmがドック入りしているので使えず,たまたまヤマダ電機に行ったらニコンD3100と18-55mmのレンズキットがコンデジ並の安さで売っていたので衝動買いし,それを持って鮎川に行ったのだった。そんなわけで望遠だったら,後で見れば何だかわかるのだが,このセットではとうてい無理な話だ。
 それから,蕪栗沼に向かったが途中,石巻工業港からマーメイドとブルーライナーが健在で,現在はマーメイドが田代島,網地島航路を1日1往復しているのがわかり,門脇桟橋の惨状を見るに付け,本当に涙がでてきた。地震後,やはり沖に出て助かったということだった。
【写真】
  
■地盤沈下により水没している定期船航路桟橋。この日の撮影時間は鮎川では満潮で130cmの潮位があった。/転覆した船があちこちにある一方,地震直後に沖に避難して助かった船も多くあったということだった。
  
■定期船航路の切符売り場前の駐車場付近は満潮で海面下にある。/停泊している黒潮号/オオセグロカモメ成鳥夏羽(ペアになれなかった成鳥)が小型漁船で(試験的に)水揚げした少量の魚を食べていた。


Copyright(C)2011 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2010年5月2日(日)金華山

2010年05月03日 | 金華山・航路
■2010/5/2(日)8:00-16:00【天気】晴れ時々曇り
【場所】十八成浜・鮎川港・・航路・金華山(タイム桟橋8:58~山椒峠11:08~12:58大函崎・小函崎14:05~15:30二ノ御殿~ホテル跡~15:50桟橋)
【種名】オオミズナギドリ++,ハイイロミズナギドリSP++(フェリー航路周辺),ウミウ++,ヒメウ+,トビ,ハヤブサ成鳥1(大函崎),ユリカモメ,セグロカモメ成鳥夏羽1,オオセグロカモメ++,ウミネコ++,キジバト,アオゲラ2,コゲラ8,ハクセキレイ4,ビンズイ3,ヒヨドリ38,モズ1,イソヒヨドリ3,ツグミ2,ヤブサメ3,ウグイス23,センダイムシクイ6,キビタキ5,オオルリ4,ヤマガラ9,シジュウカラ8,メジロ3,ホオジロ5,アオジ12,カワラヒワ2,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(20科33種) ニホンシカ12,ニホンザル9
【メモ】江島行き6:50に間に合わず,コバルトラインを鮎川に向かった。途中の十八成浜では例によってオオセグロカモメの群れがいた。1羽1羽見ていったが他の種類はいなかった。鮎川港も同様。さて8:30発の金華山観光定期便に乗って金華山に向かったが,今回はウミネコしか見えなかった。金華山桟橋から山椒峠と外周路灯台への分岐点を間違い,そこを素通りして十分ほど行ってしまった。さすがに風景が違うと引き返したが,その理由は島外周路周辺の巨木が年々枯れて倒木が多く,風景がどんどん変わっていっているのが一つの原因だった。おそらく営林署で枯れた木を整理しているのだろう,至る所に枯れた丸太があった。さて,山椒峠だが,このルートも年々枯れかたがひどく,樹勢が弱い木がほとんどだ。去年枯れかかっていた巨木が根こそぎ倒れているのも多く見られた。また,シカの死骸が今年は例年になく多く,厳しかった冬を示している。今回のルート脇では全部で8頭の死骸を見た。クリンソウは去年よりやや遅く,やや咲いているのは島の北側斜面の沢筋だけだった。今年は仙台でもサクラが非常に遅かったので,金華山も同様だったのかもしれない。枯れた木々が多いために例年ホオジロが多いのだが,今年はかなり少なかった。またメジロが異常に少ないのも気になった。キビタキ,オオルリの数が少ない上に,姿が見えないことが多かった。またサンショウクイが1羽も見なかったのも例年ないことだ。結論から言えば,小鳥類が非常に少ない状況だった。大函崎にやっとのことで到着し,昼食を取り,まずは大函崎断崖のウミウの営巣個数を数えた。対面の断崖に18番,手前の断崖は一部しか見えないが3番だった。昨年は二ノ御殿登山口付近の岩棚で繁殖していたが今年はゼロだった。さてここから小函崎へ行き,ヒメウの写真を撮影した。戻る途中で大函崎東側断崖のウミウの営巣の様子を撮影した。ここは8番ほどいたが,やはり見えない部分がある。合計で29番+ということになる。ウミウもやはり繁殖が遅れていて,ヒナが例年だと多く見られるが,今回は見た限りでは抱卵の段階だった。さて,最終の定期便が16時発なので,いつものことながら二ノ御殿への登りはきつい。何とか峠まで15:30にたどり着き(というか時計を見ながらその時間に着くように歩いているわけだが),ちょっと休憩して一気に下りた。この日はあまり膝に来なかったが,暑かったこともあり,かなり疲労の度合いが強かった。金華山はかつてはアオゲラ,サンショウクイ,キビタキ,オオルリ,ヤマガラ,イスカが本当に数多く見られ,撮影も容易だったが島の草原化の進行と共に数も少なくなっていると思われる。

2010年5月2日(日)金華山写真

2010年05月02日 | 金華山・航路
■2010/5/2(日)8:00-16:00【天気】晴れ時々曇り
【場所】十八成浜・鮎川港・航路・金華山
【写真】 ※字数制限を超えているので本文と写真を分けて掲載しています
  
■オオセグロカモメ第1回冬羽が擦れて白くなっている個体(足の色が気になるがオオセグロカモメ)/オオセグロカモメ成鳥夏羽と第1回冬羽が擦れている典型的な個体/これは冬羽というか幼羽が残っているような個体で,しかも嘴が黒い部分がかなり分離しているが,やはりオオセグロカモメとするのが妥当。
  
■オオセグロカモメ成鳥夏羽/オオセグロカモメ1Wから1S/オオセグロカモメ3Wから3S
  
■オオセグロカモメ成鳥夏羽/航路のウミネコ成鳥夏羽
  
■セグロカモメ成鳥夏羽。オオセグロカモメ成鳥夏羽との違いに注目
  
■ニホンジカ/ニホンザル
  
■キビタキの鳴き声がしたので,しばらく立ち止まっていると,サルの警戒する声が聞こえた。ふと前方を見ると年齢がいっていそうなサルが1匹いた。(上の写真の続き)乱杭歯だが丈夫そうだった。
  
  
■そこから少しし歩くと,ニホンザルの群れに出会った。先ほどの警戒音はこの群れに知らせるためかと納得した。日当たりのよい少し開けた林の縁に10頭前後のニホンザルがいて,微笑ましい姿も見られた。またその配置を見ると,手前に見張りのように1頭ずつ若いサルがいて,奥の日当たりのよい方に母サルらしきものや子ザルたちがいた。
  
■ビンズイ/かつての面影もない仁王崎の惨状。金華山の外周はほとんどがこのような状態になっている/小函崎のウミウとヒメウ成鳥
  
■ヒメウの生殖羽は本当に美しい
  
■ヒメウ第1回?と成鳥/ウミウのアップ。口角周辺の羽毛パターンがよくわかる
  
■ウミウの抱卵/大函崎ではオオセグロカモメのペアを多く見ることができる。明らかに小型のものもいるが,たいていはどちらも同じようで雌雄の区別はわからない。下嘴が角度が付いているものあれ,ば真っ直ぐなのもいる。


Copyright(C)2010 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2009年4月29日(水)金華山

2009年05月25日 | 金華山・航路
■2009/4/29(水)9:15-14:00【天気】晴れ
【場所】金華山,鮎川~金華山航路
【種名】オオミズナギドリ,ハシボソミズナギドリ,ウミウ,ヒメウ,ミサゴ,トビ,ハヤブサ,セグロカモメ,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,アオゲラ,コゲラ,ハクセキレイ,サンショウクイ,ヒヨドリ,モズ,イソヒヨドリ,アカハラ,ツグミ,ヤブサメ,ウグイス,センダイムシクイ,キビタキ,オオルリ,エナガ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,アオジ,クロジ,カワラヒワ,マヒワ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(22科37種)
【メモ】広瀬川,青葉山の様子を見ると,木々の若葉の茂りが例年より早い感じがしたので,5月連休前に金華山に行ってみた。思った通り,クリンソウの開花が例年より早く,標高により差がある地点でも早々と咲いていた。島内は鳥の数より山菜採りの人々の数の方が多いのではという状態。小鳥類は種類が例年になく(昨年も少なかったが)少なかった。ただ,全島アオジという状況で,ここまでアオジの数が多かったのは今回が初めてだった。
 話は戻るが,女川から行くべきか,鮎川から行くべきか迷い,昨年は鮎川でオオミズナギドリとハシボソミズナギドリの大群に遭遇したのを思い出し,鮎川にした。いつもより早い時間に到着したところ,出発が早い船があり(2社ある),早い方の船に乗ったが,最終便を後で聞いて見ると,最初は1時30分,結局2時30分となったが,大函崎に行って2時30分に桟橋に着けるわけがなく,往復切符も買ってしまっていて,神社参拝ならいざ知らず,大函崎でヒメウとウミウの写真を撮るのが大きな目的なので,これにはショックというか,最初にちゃんと話を聞かないで乗船したのを後悔した。結局,鳥を見るなら女川から乗るのがよいとわかった。
 さて,鮎川航路はミサゴが1羽くらい。オオセグロカモメさえほとんどいない。ミズナギドリ類は皆無。桟橋に着くとセグロカモメとシロカモメがいるのが見えたので撮影しに行った。それからイカを食べながら周遊路を歩いたが,年々大木が朽ち木となり,島の自然が荒廃していくのがわかって痛々しい。キビタキやオオルリの個体数もかなり少なく,キビタキを見たのがたった2回で例年いる場所にはアオジばかり,オオルリも声は聞いたが姿は見ていない。その代わり先ほども述べたが,全島アオジで,仕方がないから全部撮っていったところその中にクロジが1羽いたという程度だった。山椒峠を下って灯台近くの周遊路にでると,枯死した白い木々が倒れ,あるいは途中から折れて半分ほどは天をさすといった状態。灯台付近はほとんど木がない。フェリーから見るとその惨状は一目瞭然である。気を取り直して山に入り,谷に入るといった状態の周遊路を鳥もほとんどいない状態でとぼとぼ歩いていった。1回だけミサゴが遠く離れた枯れたマツに止まっていたり,これもマツの枯れ枝にマヒワが群れでいたくらいだった。山の水は枯れているかというとそうでもなく,例年以上に流れはあったが,鳥はいなかった。二の御殿への分岐点ですでに12時,ここから大函崎往復で2時30分に桟橋に着くのは難しかったので仕方なくここで諦め,二ノ御殿を目指した。途中,サンショウクイがいたくらいでアオジばかりだ。二ノ御殿からホテル跡まではキビタキに例年だと2,3羽いるのだが,これもいなかった。
 帰宅してから大函崎のウミウの繁殖やヒメウが気になり,連休中にもう一度行こうかとも考えたが,今年はやめにした。ウミウは,二ノ御殿登山口分岐点の灯台側断崖で今年も繁殖していたが,数えると18番だった。
 今回の金華山は最悪だったが,しかたがない。大学時代から非常に好きな島で,大樹を見ているだけでも気が休まるところである。風害,潮害それに水涸れなどによる大樹の枯死は島の至るところで見られるが,まだまだブナの大木がある。ここを毎年同じ時期に訪れようとする気持ちはずっと変わらないだろう。
【写真】
  
■サクラの種類はわからないがとにかく,背景の海の色との組み合わせがとてもきれいだった/同じ場所だが開花が例年以上に早かったクリンソウの群落/桟橋のセグロカモメ第1回夏羽移行個体
  
■シロカモメ第1回夏羽移行個体とセグロカモメ第1回夏羽移行個体
  
■小鳥はアオジ以外ほとんどいなかったので,コゲラの♂をしばらく撮影していた。♂は頭部に2カ所,赤い小さな羽毛がある。3枚目は穴に舌を差し込んでいるところ。


Copyright(C)2009 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.


2009年4月29日(水)金華山桟橋付近

2009年04月29日 | 金華山・航路
■2009/4/29(水)9:18-9:32【天気】晴れ
【場所】金華山桟橋付近
【種名】モンゴルセグロカモメ1,オオセグロカモメ,ワシカモメ1,シロカモメ1(1科4種)
【メモ】金華山のカモメの写真を見ていたら,当初はセグロカモメ2W→2Sと考えていたものをよく見ると,どうもモンゴルセグロカモメの第2回に似ていると思い,図鑑等を見て特徴をチェックした結果,おそらくモンゴルセグロカモメであるということで,再掲した。他の写真を見るとシロカモメの他にワシカモメも撮影していたので4種掲載した。
【写真】
  
 
■この個体は船が鮎川行き桟橋に着く時に,隣の女川行き桟橋にいたのを見つけた。一見2Wから夏羽への移行個体とわかったものの,白さが際立っていた。神社から戻った参拝客がそこに行かないうちにと,下船してから急いでそこに行った。この時点では背の羽毛の色からセグロカモメとしておいたが,後で見直して次の点でモンゴルセグロではないかと判断した。
①まず足の色だが,セグロやオオセグロのやや濃いピンクとは違ってやや薄い色。(これでは決め手にはならない)②頭部から胸部にかけて白さが際立つ。擦れて白くなったのとは違う白さ。③肩羽根の色が薄い灰色なのでオオセグロではない。 ④雨覆の褐色と白のコントラストが明瞭。⑤初列風切りは黒褐色。⑥飛んだ時の(5枚目の写真)初列風切りの内側が白い。⑦尾羽の基部に班が少なく,全体的に白っぽい。⑧顔がモンゴルっぽい(主観的)。
以上から総合的に判断してモンゴルセグロカモメではないかと思う。
  
■シロカモメ第1回冬羽から夏羽移行個体/ワシカモメ第1回冬羽から夏羽移行個体。


Copyright(C)2010 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2008年5月4日(日)金華山航路・金華山

2008年07月29日 | 金華山・航路

■2008/5/4(日)8:30-16:30【天気】曇り,霧
【場所】鮎川港~金華山(桟橋-山椒峠-大函崎-二の御殿-桟橋)~鮎川港
【種名】オオミズナギドリ++,ハシボソミズナギドリ+,ウミウ,ヒメウ,ミサゴ,トビ,オオセグロカモメ+,カモメ夏羽1,ウミネコ++,キジバト,アオゲラ,アカゲラ,コゲラ,ハクセキレイ,サンショウクイ,ヒヨドリ,モズ,イソヒヨドリ,アカハラ,ツグミ,ヤブサメ,ウグイス,エゾムシクイ,キビタキ,オオルリ,エナガ,コガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,アオジ,カワラヒワ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(19科36種)
【備考】この日の金華山航路は前日,金華山参りの船が衝突事故を起こしていた。船は一隻だけ,しかも本当は女川航路に乗りたいのだが,昨年暮れあたりだったか,定期船が廃止になっている。実は,前日事故があったとは知らずに,9時の船に乗ろうと行ったのだが,妙に混んでいて,乗れない人たちもいた。いつもなら,船の後ろでえびせん投げをする人でにぎわうのだが,この日も投げは投げるのだが,人が密集していて,投げるのも,撮影するのも困難な状態だった。それより,こんなに乗って沈没しないか,と内心恐れていた。さて出港すると,早速ウミネコがついてくるのだが,それより数が多くついてくる海鳥がいる。よく見れば(別によく見なくても)オオミズナギドリの大群と知れた。ウミネコにほとんどのえびせんを奪われつつも,必死になってウミネコのまねをして飛ぶ,餌を追って降りる。しかし,1回としてオオミズナギドリがえびせんをとらえた様子は見えなかった。やはり俊敏さではウミネコにかなわないだろう。遙かにウミネコを凌ぐ大群なのに,船の近くまで来るのはわずかで,とても差し出した指の先のえびせんを取るような真似はできない様子だった。まあ,どちらかというと飛んでいるのを楽しんでいるという感じだろうか(そんなことはないだろうが)。金華山に近づくと,ハシボソミズナギドリも増えてきたが,これは普通に飛んでいくだけで,オオミズナギドリのようにウミネコを真似るという習慣はまだないようだった。とにかく,天気が悪く海はまあまあ荒れていたので,写真を撮っていても,水平を維持するのは大変だった。ただ,オオミズナギドリが誓いので,400mmでなくても100,200mmくらいで十分だった。
さて島に上陸すると,小雨,霧雨,風,曇りで,最高に暗い。夏鳥は一通り出たが,晴れていないので,鳴き声も姿も全然だった。シャッタースピードも暗いので速くてISO400で1/90以下という状態だった。大函崎に行っても天気が悪く,いつものウミウやヒメウの美しい羽や光彩はかすんでよく見えなかった。歩くペースがいつもよりゆっくりだったので,船に間に合うように帰りの二ノ御殿越えはちょっときつかった。
帰りの航路はさらに暗かったが,ウミネコやオオミズナギドリ,ハシボソミズナギドリの乱舞が見られたのでよしとしよう。今回はオオミズナギドリが主役だった。今までで一番よく,オオミズナギドリの飛翔を間近に見ることができた日だった。これが女川航路だったら,さらには+一種のミズナギドリに,何種類かの海鳥が見られたはずだった。
【写真】
  
■鮎川港のカモメ夏羽/定期船についてくるウミネコとオオミズナギドリの群れ
  
■明らかに羽数はウミネコより多いが,えびせんを取るのはほとんどウミネコだった。
  
■オオミズナギドリの飛翔,いろいろな角度から今回は撮影できた。
  
■オオミズナギドリ/外周路の崖側は植生の荒廃が進んでおり,そこにホオジロがいる/キビタキ♂
  
■せせらぎの森のオオルリ/枯死した海辺の樹木の上のイソヒヨドリ♀,何となく風景にマッチしている/荒廃が進む海岸部
  
■オオセグロカモメ成鳥夏羽/ずんぐりした体型のハシボソミズナギドリの飛翔(ただし翼は長い)/ヒメウの群れ
  
■ウミウ成鳥夏羽/ヒメウ成鳥夏羽/断崖でのウミウの営巣


Copyright(C)2008 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2006年5月3日(水)金華山,女川航路

2006年05月18日 | 金華山・航路
■2006/5/3(水)9:00-15:10【天気】晴れ時々曇り
【場所】女川~金華山航路,金華山,金華山~女川航路
【種名】ラインセンサス出現順
①女川港~桟橋8:40-9:10
ハシボソミズナギドリ1
①桟橋~山椒峠登山口9:15-10:00
ウミウ6,ハクセキレイ1,ハヤブサ成鳥1,シジュウカラ3,ホオジロ4,キビタキ♂2,コゲラ2,ヒメウ7,オオセグロカモメ7,ウミネコ++,センダイムシクイ6,ヤマガラ2,ヒヨドリ2メジロ6,ヒガラ2,カワラヒワ3,ヤブサメ1,コガラ3
②山椒峠登山口~山椒峠10:05-10:30
カワラヒワ2,センダイムシクイ1,シジュウカラ1,エゾムシクイ3,コガラ2,キビタキ2,トビ1,キジバト2
③山椒峠~外周路10:30-11:09
サンショウクイ2,センダイムシクイ6,ヒガラ2,コゲラ2,ホオジロ2,ハシブトガラス1,アオゲラ1,ヤマガラ4,メジロ10,ツグミ1,クロジ1,アオジ4,トビ1,キビタキ3,オオルリ1
④外周路~大函崎11:10-12:09
アカハラ5,メジロ3,シジュウカラ7,ヤマガラ4,コゲラ5,ヒヨドリ4,ハシブトガラス1,カワラヒワ10,サンショウクイ2,オオルリ1,ホオジロ4,キビタキ2,トビ1,アオゲラ1,アオジ1,モズ1
⑤大函崎・小函崎12:10-13:10
ウミウ営巣46,ヒメウ++,ウミネコ++,オオセグロカモメ++,イソヒヨドリ♀1,ハクセキレイ1
⑥大函崎~二の御殿登山口13:10-13:35
記録せず
⑦登山口~二の御殿13:40-14:19
メジロ6,アオゲラ1,センダイムシクイ2,ヒヨドリ1,シジュウカラ2,エゾムシクイ2,ヤマガラ9,エナガ3,ウグイス4,オオルリ1,キビタキ1,コゲラ2,ヒガラ3,ホオジロ1,ヤブサメ1,キジバト1
⑧二の御殿~桟橋14:20-14:50
アカハラ2,クロジ1,シジュウカラ2,ヤマガラ3,アオゲラ1,センダイムシクイ1,ハシブトガラス1,サンコウチョウ1
⑨桟橋~女川航路15:10-15:40
ウミスズメ8
【全体】ハシボソミズナギドリ1,ウミウ,ヒメウ,トビ,ハヤブサ,ウミネコ,オオセグロカモメ,ウミスズメ,キジバト,アオゲラ,コゲラ,ハクセキレイ,サンショウクイ,ヒヨドリ,モズ,イソヒヨドリ,アカハラ,ツグミ,ヤブサメ,ウグイス,エゾムシクイ,センダイムシクイ,キビタキ,オオルリ,サンコウチョウ,ヒガラ,コガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,アオジ,クロジ,カワラヒワ,ハシブトガラス(22科35種)
【備考】5月3日は足腰の鍛錬を兼ねて(笑い)金華山と決めている。大函崎・小函崎まで行ってウミウの営巣数をここ数年カウントしている。営巣箇所としては①大函崎の南断崖と②反対側の断崖,③大函崎の太平洋側,④大函崎と小函崎の間の断崖を見ている。今年は4カ所全てで営巣しており,全部で46カ所数えたが,見えない部分もあるので実際にはもう少し多いだろう。今年は小鳥の数が多い感じがして期待していったが,その通りだった。全盛期の金華山(30年以上前)はブナの美しい島で,今のように周囲はアカマツ,クロマツが壊滅的な枯れ方をしていたり,ブナ林もおそらく以前の1/3くらいは枯れている状態ではなく,キビタキ,オオルリ,アオゲラ,ヤマガラがやたら多い島だった。今年は,倒木は昨年以上にすさまじい状況だが,小鳥類やキツツキ類は非常に個体数が多かった。アオゲラも久しぶりにそちこちで鳴き声とドラミングを聞いた。サンコウチョウも写真は撮れなかったが,ホテル跡近くの杉林で姿♂と鳴き声を確認した。二の御殿に行く途中,キビタキとオオルリが同じ枝に止まったツーショットのチャンスがあったが,例によってまずきれいだーと感動してしまい,カメラを構えたときには解散していた(笑い)。今回のコースでもっとゆっくり行けばもっとたくさん出たと思う場所は③のコースだった。ここは一番ブナ林が樹勢を保っているエリアで,沢筋と美しい林が連続して現れるところだ。帰りの船では,ウミスズメの小群,行きは船のすぐ近くでハシボソミズナギドリが出たくらいで,ウトウやその他でそうな海鳥は全然だった。ともかく,キビタキ,オオルリもやたらいたので,かえって写真がきちんとしたのが撮影できなかったのは反省材料だ。
【写真】
  
■アカハラとキビタキ
  
■キビタキ
  
■キビタキ/クリンソウ/サンショウクイ
  
■センダイムシクイ/クロジ♀/ニホンザル
  
■オオルリ♂
  
■オオセグロカモメ第4回夏羽か成鳥夏羽/ヒメウ成鳥夏羽・幼鳥/ウミウ若鳥に威嚇されるヒメウ成鳥,ウミウの方が10cmほど大きいが,ヒメウが多少細身なので,よけいウミウの若鳥はかなり威圧的に見える。この威圧はよく観察できるシーンだ。
  
■ヒメウ成鳥夏羽の群れ/ヒメウ成鳥夏羽とウミウ若鳥/ウミウ成鳥-すばらしく美しい宝石のような眼
  
■ウミウの抱卵-卵は1個だけのものから最大6個まで観察した。
 
■ウミウ/8羽のウミスズメ


Copyright(C)2005 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2005/5/3(火)金華山

2005年05月29日 | 金華山・航路
■ 2005/5/3(火)9:30-15:00 【天気】晴れ

【場所】女川-金華山航路、金華山
【種名】ラインセンサス出現順
① 8:45~ 9:15女川~金華山桟橋
ヒメウ、ウミネコ、ウミウ、ウトウ8
② 9:30~10:00金華山桟橋~二ノ御殿
トビ2,シジュウカラ5、ホオジロ2、オオセグロカモメ第1回夏羽1,ウミネコ++、ウミウ+、ヒメウ+、メジロ6、アオジ2、サンショウクイ2、アオゲラ1、ヒガラ3、ツグミ6、キビタキ♂6、コゲラ3、ヤマガラ4、センダイムシクイ3、ハシブトガラス2、サシバ幼鳥1、ニホンザル成1
③10:10~10:35二ノ御殿~外周路
ツグミ3、シジュウカラ5、センダイムシクイ4、アオジ♂1、シロハラ1、ヒヨドリ4、オオルリ1S、キビタキS、ヤブサメ1、トビ1、ウグイス4、ホオジロ5、ホンシュウジカ成2幼4
④10:40~11:40外周路~大函崎
オオルリ1、トビ1、キビタキ♂4♀3、メジロ8、ヤマガラ1、シジュウカラ2、ヒヨドリ2、ハシブトガラス1、コゲラ1、ホオジロ1、アオダイショウ1、ニホンザル成1
⑤11:50~12:45大函崎・小函崎
オオセグロカモメ++、ウミウ++26番い+繁殖、ウミネコ++、ハクセキレイ2、ヒメウ成23幼4、アビSP、ハシボソミズナギドリ++、ハイイロミズナギドリ++、オオミズナギドリ++
以下タイムのみ
⑥12:50~13:20大函崎~外周路、13:30~14:15外周路~二ノ御殿、14:30~15:50二ノ御殿~桟橋

【備考】今回はコースを二ノ御殿コースにした。山椒峠コースは時間と体力をかなり要するのと、小鳥類が多いホテル跡付近の灌木が復路しか見られないためである。逆に山椒峠コースでは外周路に出るところが「キビタキの照葉樹林」となっていて、ここも捨てがたい。しかし、これからも毎年行くとして、体力と時間とを考えると、大函崎往復の最短コースがよいと判断した。
 女川-金華山航路は往復ともほとんど海鳥の出ない寂しいものとなった。往路でウトウが金華山が近くなってから1回だけ群れが出ただけだった。ホテル跡の沢沿いの灌木では、センダイムシクイ、サンショウクイ、それにサシバの撮影ができた。営林署小屋付近ではツグミが多かった。ヒトリシズカとクリンソウはちょっと早いらしく、全体的に例年より開花が遅れ気味だった。二ノ御殿を下り、せせらぎの森に着くと、キビタキ・オオルリ・センダイムシクイが掛け合いをしていた。ドラムのセンダイムシクイ、ツインギターのオオルリ、キビタキの声にしばらく聞き入っていた。大学時代に大年寺山で聞いたクロツグミ・オオルリ・キビタキ(日本3大鳴鳥)の掛け合いを思い出した。
 外周路から千人沢を少し過ぎたところに照葉樹林が開けたところがあって、そこは1羽のキビタキのテリトリーになっていた。そのエリア内をぐるぐる回りながら枝に止まって鳴き続けるので、撮影は楽だった。メジロの巣があり、何度もそこに出入りしていた。ここで約30分ほどキビタキを撮影した。
 大函崎に着くとウミウが繁殖していた。昨年は、大函崎と小函崎の中間部が営巣のメインだったが、今年は大函崎一帯で、中間部は皆無だった。小函崎から例によって、ヒメウが集まっている岩棚に近づき撮影した。お昼を食べながら外洋を見ると、この時期から見られる「一筋のミズナギドリの道」を次から次へとミズナギドリ類が南下しているのが見られた。EOS20で撮影して、拡大してみると3種類の識別はできる。実際その海域でフェリーから見られるのがそうだから、間違いはないだろう。今回は航路ではミズナギドリ類は全く見られなかった。天候と時間帯が関係していることが多いからだ。一般に海が荒れた16時前後の船で帰ると、かなりの羽数を見ることができる。ただし、船の方に聞いたところ、今年はやや遅いということだった。
 全体的に島の植生は少しずつ回復してきている印象があった。ただし、外洋側のマツ林の状況は悲惨なもので、フェリーから見てもその枯死の様子は明らかだが、実際に林の中を見ると、ほとんど手に負えない状況にあるようだ。
【写真】表題:サシバ幼鳥(胸の縞が縦縞なので)ホテル跡付近


■キビタキ♂■囀り■キビタキ♂

■キビタキ♂■オオセグロカモメ成鳥夏羽のペア■オオセグロカモメ成鳥夏羽

■山椒の木に止まったサンショウクイ■サンショウクイ■センダイムシクイ

■センダイムシクイ■抱卵するウミウ■ヒナを抱く親鳥


■ウミウ成鳥夏羽■ウミウ幼鳥とヒメウ成鳥■ヒメウ成鳥夏羽

■ヒメウ成鳥と幼鳥■サクラソウ科クリンソウ


Copyright(C)2005 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.


2004年4月~2005年金華山

2005年05月29日 | 金華山・航路
■ 1/3(月) 9:20-11:20 【天気】晴れ時々曇り、北・西斜面積雪
【場所】鮎川港、金華山航路、桟橋~黄金山神社~山頂(444.9m)~二の御殿~ホテル跡~桟橋
【種名】セグロカモメ(鮎川港)、オオセグロカモメ、ウミネコ、ウミウ、ヒメウ、トビ、ハイタカ1(鮎川港)、ハヤブサ1、シジュウカラ1、エナガ4、ホオジロ2、カワラヒワ5、ハシボソガラス、ハシブトガラス(9科13種)
【備考】ここまで鳥がいないかというところまで、鳥がいなかった。金華山には何回も行っているが、コースから黄金山神社にはあまり行ったことがなかったので、今回はまず神社に参拝し、そこから山頂を目指した。山頂まではまあ、息は上がったが積雪も多くはなく、登山者の足跡があったので比較的楽だったが、山頂から二の御殿までは、誰も歩いておらず、膝上までくる積雪にかなり苦心しながら降りた。下りだからまだよかったが、帰ってから筋肉痛で大変だった。二の御殿からは若干積雪が膝下までで、、営林署の小屋あたりではほとんどなかった。しかし、鳥も全然おらず、シカサルもいない。シジュウカラは山頂付近で1羽、エナガはホテル付近で、他の小鳥は神社の表参道でという状態だった。金華山に行ってこれほど鳥を少なく見たのは、はじめの経験だった。

■ 5/3(月) 9:30-15:30 【天気】晴れ時々曇り
【場所】女川-金華山航路(往復)、金華山:桟橋~山椒峠~大函崎・小函崎~二ノ御殿~桟橋のラインセンサス
【種名】
①8:45~9:15女川~金華山桟橋 オオセグロカモメ、ウミネコ、ウミウ、ヒメウ、ウミガラス夏羽1、ウトウ2
②9:30~10:10金華山桟橋~山椒峠登り口(出現順)10:15~11:23山椒峠登り口~山椒峠(10:56)~外周路
ウミネコ++、ハシボソガラス1、トビ1、メジロ6、オオセグロカモメ4、アオジ5、ハシブトガラス2、ホオジロ6、カワラヒワ11、シジュウカラ20、ヤブサメ1、ヤマガラ28、イソヒヨドリ♂1♀1、ヒメウ12、ウミウ20、ヒヨドリ4、オオルリ♂1♀1、サンショウクイ1、センダイムシクイ1、キビタキ♂1♀1、コゲラ2、エゾムシクイ1、サンショウクイ2、アオゲラ2
アオダイショウ1
③11:00~13:34外周路~二ノ御殿登り口(12:00)~大函崎
シジュウカラ10、メジロ11、ヒヨドリ3、ヤマガラ18、イソヒヨドリ♂4♀2、カワラヒワ2、ホオジロ7、コゲラ4、エゾムシクイ1、サンショウクイ1、クロジ♀1、メジロ4、ハシブトガラス2、ヒメウ235+、ウミウ182+、ウミウ繁殖23つがい+、オオセグロカモメ200+、シロカモメ1年目3、セグロカモメ成鳥夏羽2
アオダイショウ1
④14:00~15:45大函崎~二ノ御殿登り口14:32(ノンストップ)~二ノ御殿峠(15:00)~桟橋
アカハラ1、アオジ1、シジュウカラ8、ヤマガラ12,ヒヨドリ3、トビ1、ウミウ23、オオセグロカモメ+、ウミネコ++、ヒメウ3、イソヒヨドリ♂1メス1
④16:00~16:20 桟橋~女川
ウミネコ++、オオセグロカモメ+、ウミウ+、ヒメウ+、オオミズナギドリ++、ハシボソミズナギドリ++、ハイイロミズナギドリ++
【備考】昨年と同じ日時、コースで観察した。今年はキビタキ、オオルリが一番いしか見られなかった。ウミウの営巣は大函崎は0で、大函崎と小函崎の中間の岩棚で23番い確認した。見えないところではもう少しいるかもしれない。小函崎下断崖の大岩では例によってヒメウの群がいて、仲間争いというのか、1羽の成鳥VS若鳥1+成鳥4が争っていて、なかなかおもしろかった。それにしてもヒメウの夏羽は本当に美しい。往路の航路でウトウ2羽とウミガラスの夏羽を撮影した。ウミガラスは波間に浮いていて、はじめウミアイサの♂かと思ったら、近くで見るとウミガラスだった。復路は天候が悪かったので、ミズナギドリ類を期待していたら、やはり大きな群に出会った。ずっと以前にも豪雨、強風で海が荒れているときに窓からものすごい数の群を見たが、今回は群の中心からは比較的離れていて、船の近くを飛ぶ数はそれほど多くはなかった。失敗したのはISO400に設定してシャッタースピードを1/500に上げる予定が、いつの間にかTv優先になっていてしかも1/125に設定がなっていたのを知らずに撮りまくったのが悲劇だった。1/500ならけっこう見られる写真が多かったはずである。連休中にもう一度トライしたい。

2003年4月~2004年3月金華山

2005年05月29日 | 金華山・航路
■ 5/3(土) 9:00-9:30(航路)9:45-16:00(金華山)16:00-16:30(航路) 【天気】晴れ 【船】快速双
【場所】女川-金華山航路、金華山(桟橋-山椒峠-小函崎・大函崎-せせらぎの森-二ノ御殿-桟橋)
【種名】オオハム冬羽1(金華山牡鹿半島瀬戸)、ウミウ(繁殖)++、ヒメウ++、ビロードキンクロ♂若鳥1(往路)、トビ、ハヤブサ成鳥♂1、セグロカモメ成鳥夏羽1、オオセグロカモメ成鳥夏羽++、シロカモメ若鳥1、ウミネコ++、 ウミガラス成鳥夏羽1(往路)2(飛翔、復路)、ウトウ(飛翔、復路)3、キジバト、アオゲラ1、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、サンショウクイ、ヒヨドリ、イソヒヨドリ8、ツグミ、ヤブサメ、センダイムシクイ、キビタキ14、オオルリ5、ヒガラ、ヤマガラ++、シジュウカラ、メジロ++、ホオジロ、アオジ、クロジ、カワラヒワ++、マヒワ40+、シメ1、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(18科37種)
【備考】
 往路で女川港を出て約10分過ぎ、女川原発が見えるあたりの航路で、最初にビロードキンクロ、続いてウミガラスを見ることができた。いずれも船中の窓越しだったが、かなり船に近いところにおり、目視できた。さい先がこれはいいと思ったが、その後は島に着くまで、ウトウも出ず、もっぱらウ類とカモメ類だけ。金華山桟橋について、瀬戸を見ていると、ちょうど中間の距離あたりに、オオハムを見ることができた。鮎川-金華山航路では、20年くらい前は個体数は少ないがよく見ることができたが、最近は全然見たことがなかったので、うれしかった。 復路は同じ船だったが、海が穏やかだったせいもあり、船尾甲板でカメラを構えて船の近くを飛ぶ海鳥を狙ったが、足島、江島を過ぎたあたりで、飛翔するウミガラスとウトウを小さく撮影することができたくらいだった。とりあえず、ウミガラス、オオハム、ビロードキンクロを見たのでよしとしたい。
 金華山では、山中のブナ、モミの枯死、倒木以外にも、外周路の樹木の倒壊、枯死が年々激しく、倒壊したスギ、アカマツ、モミで道がふさがれているところも少なくない状態になっている。小函崎へ登る斜面は、もうどこが道かわからない状態になっている。また小函崎のピークが下から見えるくらい倒木が進んでいる。クリンソウに関してはやはり年々沢の水量が少なくなっているためか、背丈も低いものが多くなってきている。
 小鳥類は、サンショウクイ、アオゲラの数が以前よりずいぶん少なくなっている。特にアオゲラは20年前と比べると、ほとんどいなくなってきている。相変わらず多いのは、キビタキ、オオルリ、ヤマガラ、メジロで、花山村の湯ノ倉温泉ほどの密度ではないが、姿もよく見ることができる。小函崎、大函崎では、オオセグロカモメが断崖のあちこちでペアでいるのを見ることができた。ウミウは小函崎の断崖を中心に30つがい以上営巣していた。ヒメウの個体数は小函崎、大函崎ではウミウより多いようだ。ただし、営巣をしているのを発見することはできなかった。 

2001年4月~2002年3月 金華山

2005年05月22日 | 金華山・航路
■ 3/21(火) 9:30-15:30
【場所】鮎川~金華山航路,金華山桟橋~二の御殿~賽の河原往復
【種名】ハシジロアビ、カイツブリ,ハジロカイツブリ,ウミウ,ヒメウ、トビ,ハヤブサ、セグロカモメ,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,アカゲラ、コゲラ,ハクセキレイ,セグロセキレイ,ヒヨドリ,モズ,ヒレンジャク、ミソサザイ、ジョウビタキ,イソヒヨドリ,ツグミ,エナガ,コガラ、ヒガラ、ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,カシラダカ,アオジ、クロジ、カワラヒワ,シメ,スズメ,ムクドリ,カケス,ハシボソガラス,ハシブトガラス(22科39種)
【備考】10:00に桟橋を出発し、ホテル跡から二の御殿を越えて大函崎・小函崎・賽の河原に行った。タイムは、二の御殿までが1時間(11時)、賽の河原までが1時間15分(12時15分)、同じコースを戻って、桟橋着が2時ちょうどだった。最初に、ハヤブサの若鳥が、桟橋近くのクロマツのてっぺんに止まっていた。次はホテル跡からすぐ登ったところの灌木と沢沿いの小径が小鳥類のポイントで、昨年の5月連休ではコマドリを見たところである。今回は、アオジ、クロジ、キレンジャク(5)、カラ類が一通り出た。やはりヤマガラの出現頻度が一番高いようである。キレンジャクは金華山ではまだ2回目である。営林署の小屋では、ニホンザルの調査をしているグループがいた。ニホンザルが柿の木のついている実のように高木に群がって、若布を食べていた。復路も同じニホンザルの群れがホテル跡近くにいて採餌していた。大函崎・小函崎・賽の河原はウミウの繁殖もまだで(年々営巣数が少なくなっている)、特にかわったものはいなかった。外洋もとくに珍しいものはいなかった。ハシジロアビが鮎川港で乗船する前にいたくらいである。
金華山は行けば何かしら出るのでおもしろいフィールドである。鳥もいいが、ニホンザルもおもしろいし、何よりもブナの林を見るのがなによりの楽しみだ。大学時代以来もう、20年以上毎年通っているが、年々枯れていくブナやモミの巨木の光景はすさまじいものがある。草原が優先する景観ははそう遠くない将来くると思う。また沢の水涸れも進むだろうし、そうなると沢沿いに咲くクリンソウの美しい姿も次第に見られなくなるだろう。また松枯れもかなり進んでいるように思える。しかし、樹勢が弱くなっているとはいえ、まだまだ美しい景観があちらこちらに見られるのである。

■ 1/1(火) 9:30-13:30
【場所】①十八成浜,②鮎川~金華山航路,③金華山桟橋付近,④小網倉漁港
【種名】カイツブリ,ハジロカイツブリ,アカエリカイツブリ,カンムリカイツブリ,ウミウ,ダイサギ,コサギ,コクガン1,マガモ,カルガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,ホシハジロ,キンクロハジロ,スズガモ,カワアイサ,トビ,ノスリ,キジ,シロチドリ,ユリカモメ,セグロカモメ,オオセグロカモメ,カモメ,ウミネコ,キジバト,コゲラ,ヒバリ,ハクセキレイ,セグロセキレイ,タヒバリ,ヒヨドリ,モズ,ジョウビタキ,イソヒヨドリ,ツグミ,エナガ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,カシラダカ,カワラヒワ,シメ,スズメ,ムクドリ,カケス,ハシボソガラス,ハシブトガラス(22科49種)
【備考】十八成浜でコクガン1羽を観察した。

■ 4/29(日) 10:00-15:50
【場所】桟橋~山椒峠~大函崎~二ノ御殿~桟橋
【種名】ウミウ,ヒメウ,オオミズナギドリ,
オオセグロカモメ,セグロカモメ,ウミネコ,ミツユビカモメ,オオルリ,キビタキ,サンショウクイ,アオジ,クロジ,コマドリ♀1

2004年5月3日(月)金華山,女川-金華山航路

2004年05月03日 | 金華山・航路
■2004/5/3(月) 9:30-15:30 【天気】晴れ時々曇り
【場所】女川-金華山航路(往復)、金華山:桟橋~山椒峠~大函崎・小函崎~二ノ御殿~桟橋のラインセンサス
【種名】
①8:45~9:15女川~金華山桟橋 オオセグロカモメ、ウミネコ、ウミウ、ヒメウ、ウミガラス夏羽1、ウトウ2
②9:30~10:10金華山桟橋~山椒峠登り口(出現順)10:15~11:23山椒峠登り口~山椒峠(10:56)~外周路
ウミネコ++、ハシボソガラス1、トビ1、メジロ6、オオセグロカモメ4、アオジ5、ハシブトガラス2、ホオジロ6、カワラヒワ11、シジュウカラ20、ヤブサメ1、ヤマガラ28、イソヒヨドリ♂1♀1、ヒメウ12、ウミウ20、ヒヨドリ4、オオルリ♂1♀1、サンショウクイ1、センダイムシクイ1、キビタキ♂1♀1、コゲラ2、エゾムシクイ1、サンショウクイ2、アオゲラ2
アオダイショウ1
③11:00~13:34外周路~二ノ御殿登り口(12:00)~大函崎
シジュウカラ10、メジロ11、ヒヨドリ3、ヤマガラ18、イソヒヨドリ♂4♀2、カワラヒワ2、ホオジロ7、コゲラ4、エゾムシクイ1、サンショウクイ1、クロジ♀1、メジロ4、ハシブトガラス2、ヒメウ235+、ウミウ182+、ウミウ繁殖23つがい+、オオセグロカモメ200+、シロカモメ1年目3、セグロカモメ成鳥夏羽2
アオダイショウ1
④14:00~15:45大函崎~二ノ御殿登り口14:32(ノンストップ)~二ノ御殿峠(15:00)~桟橋
アカハラ1、アオジ1、シジュウカラ8、ヤマガラ12,ヒヨドリ3、トビ1、ウミウ23、オオセグロカモメ+、ウミネコ++、ヒメウ3、イソヒヨドリ♂1メス1
④16:00~16:20 桟橋~女川
ウミネコ++、オオセグロカモメ+、ウミウ+、ヒメウ+、オオミズナギドリ++、ハシボソミズナギドリ++、ハイイロミズナギドリ++
【備考】昨年と同じ日時、コースで観察した。今年はキビタキ、オオルリが一番いしか見られなかった。ウミウの営巣は大函崎は0で、大函崎と小函崎の中間の岩棚で23番い確認した。見えないところではもう少しいるかもしれない。小函崎下断崖の大岩では例によってヒメウの群がいて、仲間争いというのか、1羽の成鳥VS若鳥1+成鳥4が争っていて、なかなかおもしろかった。それにしてもヒメウの夏羽は本当に美しい。往路の航路でウトウ2羽とウミガラスの夏羽を撮影した。ウミガラスは波間に浮いていて、はじめウミアイサの♂かと思ったら、近くで見るとウミガラスだった。復路は天候が悪かったので、ミズナギドリ類を期待していたら、やはり大きな群に出会った。ずっと以前にも豪雨、強風で海が荒れているときに窓からものすごい数の群を見たが、今回は群の中心からは比較的離れていて、船の近くを飛ぶ数はそれほど多くはなかった。失敗したのはISO400に設定してシャッタースピードを1/500に上げる予定が、いつの間にかTv優先になっていてしかも1/125に設定がなっていたのを知らずに撮りまくったのが悲劇だった。1/500ならけっこう見られる写真が多かったはずである。連休中にもう一度トライしたい。
【写真】
  
■オオセグロカモメ成鳥夏羽
  
■ウミウの営巣
  
■ウミウの営巣/ヒメウ成鳥と幼鳥
  
■餌を運ぶアオジ♂
  
■ウミガラス/ハイイロミズナギドリ/クリンソウ


Copyright(C)2005 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.