私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

公園池のカイツブリ。幼鳥3羽が順調に成長中。大沼と違って、競合する水鳥や天敵がいない。大沼ではこうはいかない。

2009年7月19日(日)野付半島

2009年07月31日 | 北海道
■2009/7/19(日)10:30-12:30【天気】海側からの風雨激し!
【場所】野付半島
【種名】アオサギ,トビ,タンチョウ成鳥3,シロチドリ,メダイチドリ,トウネン,キアシシギ++,オオセグロカモメ,ウミネコ,シマセンニュウ,ノビタキ,カワラヒワ,ハシブトガラス(11科13種)
【メモ】羅臼のクルーズは雨で諦め,午前中はちょっと観光した。雨が激しく降る中,標津町サーモンパークに行った。一通り施設を見た後,野付半島に行った。風雨は相変わらず強く,何しろ札幌に昨日の朝着いた時の姿が黒いTシャツ一枚という出で立ちで,タクシーの運転手さんに,寒くないですかと言われ,さすがにその日の知床クルーズでは持参した愛用のミッキーマウスの迷彩ウインドブレーカーを着ていたが,今日ははそれを旅館に忘れてきてしまった。
野付半島のネイチャーセンター前にシギチの大群がいたので,屋根付きのデッキに立って双眼鏡でしばらく見ていたが,ついに寒さと雨に耐えきれず,2900円だったか「知床」の文字入りウインドブレーカーを買って,そのまま着て,またしばらくキアシシギ以外のシギを探したが,トウネンがちょっといるくらいで,あとはメダイがいっぱいいたのとシロチが少々だった。一本道を走って,海側の窓を開けようものなら,ものすごい雨が横殴りに入ってくる。オジロワシも一羽も飛ばない,というか,こんな日にはオオセグロカモメさえ飛んでいなかった。ものすごい風が吹いているので,小鳥もこんな状況で出てきて鳴くのはかなりの変わり者で,その変わり者のシマセンニュウとノビタキ♂を1羽ずつ見たくらいだ。天気が良ければ,トドワラやアカアシシギを見に歩いたのだが,仕方がない。帰りは中標津町の街中を通って,宿に帰り,露天風呂に入って,夜に備え,6時まで4時間ほど寝た。(そして,シマフクロウとのすばらしい出会いの夜に続く)
【写真】
  
■ナラワラ付近のタンチョウ/ネイチャーセンター前のシギチ。遠くにトドワラ/灯台から2kmほど手前にいたタンチョウ


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2009年7月18日(土)養老牛温泉

2009年07月30日 | 北海道
■2009/7/18(土)20:00-0:30【天気】曇り,小雨
【場所】養老牛温泉藤や裏庭一帯
【種名】シマフクロウ 緑足輪右足・左足装着個体計2羽(1科1種)
【メモ】エトピリカ以外は見るものを見,「明日は雨なら来ません。今日は本当にありがとうございました。」とご挨拶して,宿泊地の養老牛温泉に向かった。国後国道R335を標津町に向けて約30分あまり走ると釧標国道R272の交差点に出るが,その少し前で曲がって川北中の前を通った方が中標津空港の横を通るので,養老牛温泉に近い。しばらく牧草地や牧場を道の両側に見ながら行くと,今走っているR150とR505の交差点(信号はないが)に出る。右折してしばらく走ると道は少しずつ山側へ進んでいく。さらに進むと牧草地はなくなり,山地へと入っていく。標津町からは約1時間の行程だ。
養老牛温泉には3軒の温泉宿があり,橋の手前がここもシマフクロウが見られる「湯宿だいいち」。橋を渡ってホテル風の建物が「ホテル養老牛」,その斜め奥向かいが今回連泊した旅館「藤や」だ。4月の時点で一番よく見える1階の部屋を予約した。1ヶ月前くらいから毎日ホームページのライブカメラを見ていたが,時々,シマフクロウが突っ立っていたり,キタキツネがいたり,1週間前にはほぼ毎日出ていて時間帯は8時から8時30分が多かった。ある時は,ライブカメラのすぐ近くにいたらしく,やたら大写しの時があった。事前にメールでやりとりし,「3羽同時に見れたらいいですね」と言われ,わくわくしながら旅館に着いた。玄関先の木にオオルリ♂やゴジュウカラがいた。雨も降っていたし,特に撮影する気もなかったので旅館に入った。ここは映画「釣りバカ日誌ファイナル」のロケ地で,ロケの様子や有名な出演者と旅館の方とのスナップがたくさん壁に貼ってあった。
さて,1階の新館の部屋に通され,窓の外を見ると,ライブカメラでおなじみの生け簀がすぐ近くにあった。シマフクロウの大きさで,この距離なら十分大きく撮影できると確信した。川のすぐ側にある露天風呂はとても気持ちがよく,6時には夕食に行った。ダイニングは自分の宿泊する部屋の1つ隣で,外にはベランダがあり,雨でなければビールで乾杯という場所で,生け簀はさらに近い。大きい花咲ガニを食べながら,ボリュームたっぷりの食事を食べ,午後8時近くになり,シマフクロウがやってくる時間が迫ってきたので,部屋に戻ってビデオとカメラをセットした。部屋の明かりは消し,カーテンを引いて,椅子に座ってシマフクロウがやって来るのを待った。明かりはダイニングの近くに外灯(蛍光灯)があるが,とにかくぼーっと見える程度だ。冬は雪があってかなり明るいし,満月はもっと明るいですよと言われたが,何しろ小雨交じりの暗い夜である。
しかし,待つまもなくシマフクロウはすぐにやってきた。身長70cmの巨大な猫というのが第一印象で,生け簀のイワナを狙っている。フクロウなんかとは全く存在感の異なる動物。しかし,とても可愛くもある。おんぶして散歩してみたい感じ。八木山動物園のフクちゃんというフクロウは,撫でてあげると羽毛がとても柔らかく,気持ちよさそうに首をまわすが,シマフクロウもきっとふわふわしていい感じだろう。しかし,その存在感がすごい。双眼鏡で見ていて斜めに構えた時など,思わず身震いするような迫力がある。これが昼間大樹にとまっているのを見ることができたら,本当にすごいだろう。
このシマフクロウは両足の白リングの他,左足に緑のリングをしていた。10分くらいいて,イワナを捕らえ,川近くの木の塀に止まり,そこでイワナを食べ始めた。カワウやウミウなら,もっとずっと大きい魚を瞬間芸で丸呑みできるが,シマフクロウは30分以上かけて,引きちぎって食べていた。それから飛び去ったのだが,たぶんまた来るだろうと部屋のモニターを見ながら布団に横になって,現れるのを待った。11時を過ぎてキタキツネがやってきた。イワナを2匹ゲットして,そのうち何かに驚いたように去っていった。ふと窓越しに目の前の生け簀を見るとぼーっと白いものが立っていた。シマフクロウがやってきたのだ。しばらくいて何も捕らずにいたところ,新館2階の宿泊客が懐中電灯で照らしたので,シマフクロウは先ほどの木塀に止まった。今度は右足に緑のリングで先ほどとは別の個体だ。ペアと幼鳥がいるといっていたので,どちらかが♂成鳥で一方が♀成鳥だ。懐中電灯で照らしたおかげで,距離的には遠かったが,何とか撮影できたが,ちょっと複雑な気持ちだ。しかし,わずかな光があれば撮影できることがわかった。
写真の方だが,初めは窓を開けずに2重ガラス越しに撮影したので,掲載したとおり,解像度が良くない。ピントも合わない。北海道に来る前にヨドバシでレリーズを購入しようと行ったのだが,カメラには2秒のタイマーがあるし,これでいいやと思って買わなかった。ほとんど暗い状況で,ビデオもほとんど見えないし,期待していたライブビューは何も映らん!という状況。ISOを最初800にしたら,シャッタースピードが4秒,後半1250にあげ開放で2秒ちょっとだった。ピントは当然マニュアルで,この日はあまりうまくは撮れなかった。
雨が降ると川で魚が捕れず,生け簀に来る確率が高くなると旅館の方が言うので,明日の晩もあるさと,1時には就寝した。ちなみに朝は7時頃まで寝ていた。写真は結局56枚しか撮らなかった。
【写真】
  
■音は聞こえなかったが(窓を閉めていたし),バフバフという感じで舞い降りてきたシマフクロウ
  
■イワナを捕まえたキタキツネ。塀に止まった緑の足輪が右側にある個体


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2009年7月18日(土)羅臼知床ネイチャークルーズ

2009年07月29日 | 北海道
■2009/7/18(土)12:50-15:30【天気】曇り,凪
【場所】羅臼漁港~羅臼沖~羅臼漁港(知床ネイチャークルーズ 船名:エバーグリーン)キャプテン:長谷川さん,スタッフ:佐藤さん
【種名】フルマカモメ(++)暗色型・中間型・淡色型・白色型,ハイイロミズナギドリ,ハシボソミズナギドリ,ハイイロウミツバメ,ウミウ,アカエリヒレアシシギ,トウゾクカモメ2,オオセグロカモメ,ウミネコ,ミツユビカモメ,ウトウ(7科11種)
【クジラ類】イシイルカ,ミンククジラ*,ツチクジラ*,マッコウクジラ *2種はきちんとは見ていない。
【メモ】野付半島から国道を知床羅臼に向けて急いだ。とは言っても冬に同じ道路を走っているので,冬とは違う周りの風景を楽しみながら走った。羅臼町に入ると天気が回復して一時青空が見えた。これはラッキーと思ったが,羅臼漁港に着く頃には空はどんより,いつ雨が降ってもいいような状況で海も霞んで見える。しかし,まさにべた凪といった状態なので,暗くてただでさえシャッタースピードが遅くなるのがぶれからはやや開放される。漁港の近くの食堂でラーメンセットを食べ,12:30に繋留されているエバーグリーンの近くに行ってみると,後から知ったがスタッフの佐藤さんがいて,まずパン屋さんに行ってくださいというので,おしゃれなパンの店come trueに行った。店の隣には写真に載っていた足湯があった。店で乗船券を購入し,漁港に戻った。定刻の1時前12時50分くらいに他のクジラウォッチングのお客さんを乗せて,エバーグリーンは漁港を後にした。アカエリヒレアシシギの群れや,フルマカモメ,ウトウの姿はよく見えたが,ハイイロミズナギドリやハシボソミズナギドリの個体数はかなり少なく,しかも群れではなくて1,2羽で浮いている状態。出た鳥は遠景でも近くでも何でも撮影しながら,進むとフルマカモメがだいぶ多くなってきた。イシイルカはまあ分かったが,ミンククジラがいるといわれたが,たぶんあれかという感じだった。イシイルカは何しろどこに浮上するか分からず,しかも近いのでうまく撮影できず,もっぱら鳥専門と諦めた。そのうち,前方にフルマカモメの大群が浮かんでいるのが見え,キャプテンの長谷川さんが,群れの中へ船を入れてくれた。フェリーではあれが淡色,これは暗色,まれに白色とか遠く(この船に比べたら)飛んでいるのを見てきたわけだが,これはもう何というか,船の周りがウミネコなみにフルマカモメだ。特に停船すると漁船と勘違いして餌がもらえると思っているのか,船尾にたくさん集まってくる。こうなると,iPhoneでも撮影できる状況なので,どれが暗色で中間,淡色かじっくり識別することにした。しかも,ずっと見たかった白色型の個体もいる。マガンの中の1羽のハクガンという感じで,本当に白く可愛いフルマカモメが目の前にいる。暗色型はかなり暗い茶褐色なのでわかるが,いわゆる中間型と淡色型というのがいっぱいいて,これがよく分からない。というのも個体変異があって明確に線引きができないのである。とりあえず,掲載した写真では区別しておいたがちょっと怪しい。フェリーから見るとまあおおざっぱに見えるのだが,ここまで近いとたぶん成鳥でない個体も混じっていて,正直勉強不足という感じなのである。さて,船は再びクジラ探しに出発した。この時間になると,フルマカモメが近くを飛んでも全然撮影する気にならなくなった。硫黄島3島クルーズのカツオドリやアカアシミズナギドリみたいなものだ。しかし,他の海鳥をさがすと,ちっちゃい鳥が時々飛び回っているのが見えた。これはハイイロウミツバメだ。何回か見たので,飛翔型や飛翔パターンは覚えてしまった。そうしているうちに遠くにマッコウクジラが潮を吹いているのが見えるという。おおー,確かに!船がどんどん接近していく。「おおーっおおーきい!・・・・・。」見たことはないが潜水艦みたいなものだ。そして,尾びれをあげて潜水していく。これはすごい。これなら自分にも写真が撮れる。晴れた日に知床半島をバックに撮影できたらもっといいだろうと簡単に想像できる。このでかいのが海中でカチッカチッと鳴いているのにはちょっと違和感があった。「ぐおーっつ」という感じではなく「ゴボゴボゴボ(水音)カチッカチッ」(ガチンガチンとも聞こえた)だ。別の場所に移動し,海中にいるマッコウクジラのこの声をヘッドフォンで聴かせてもらったのだが(ネイチャークルーズNEWSにその時の様子が写真付きで載っている),何とも不思議な感じがした。マッコウクジラが船の下の海底深くにいて,カチカチやっているのである。この経験は,確かに自分にとってクジラへのこれまでの考えを変えるに十分だった。しかもこのクジラは歯があって頭部は体の約半分,3000mも潜れるという。とにかくすごいやつだ。さて,そうしているうちにけっこう寒くなってきて,帰航ということになった。ハイイロウミツバメが飛び交う中,今度はトウゾクカモメが出現,1羽かと思っていたらいつの間にか2羽になって飛んでいた。そのうち乗客はみんなキャビンに入ってキャプテンのお話を聞いていたが,自分はしつこく鳥見だ。最後にミツユビカモメを見て,充実したクルーズが終わった。翌日も午前午後と乗る予定でいたが,あいにく翌日は雨で,結局今回はこの1回となった。エトピリカとかは出なかったが,これはまた来年の楽しみとしたい。メールで事前に情報を何度かいただいたスタッフの大木さん(宮城県出身),同じく佐藤さん,そしてキャプテン長谷川氏に感謝である。
次は,養老牛温泉藤やのシマフクロウに続く。
【フルマカモメの羽衣について】今回の観察で確実なところとしては,暗色型-中間型-白色型という分類である。『海鳥ハンドブック』P19では「暗色型と白色型の中間的な羽色の個体も見られる」としているが,本記事では図鑑の中間的な羽色の個体がまさに観察した個体と同様の羽衣であることから,中間型と表記した。なお,今回のクルーズではこの中間型のフルマカモメが多く,暗色型が2番目に多く,白色型は4羽観察した。淡色型と記載した個体は,どちらかというと中間型をさらに白っぽくした淡色個体で,どちらかというと中間型の特徴を示している。
【写真】
  
■ウトウ/フルマカモメ暗色型/フルマカモメ白色型だが,翼の上面は茶褐色がやや多い個体
  
■上と同じ個体。真ん中は中間型。次は暗色型と白色型。同じ白色型だが,左の個体が右のかなり白い個体より若いのかもしれない。ここは勉強不足でよく分からないが,翼の感じからするとカモメ類と同様の考え方をするとこうなる。
  
■白色型/白色型と暗色型/中間型。中間型が暗色型と同じくらい多かった。明らかに暗色型とは毛色(羽毛)が違っていた。
  
■中間型のアップ写真/中間型の着水。胴体着陸という感じ。
  
■すべて中間型。
  
■これは成中間型の成鳥羽以前の個体?/中間型のアップ写真/白色型
  
■船の周囲を飛び回っていたハイイロウミツバメ
  
■フルマカモメはクラゲをよく食べるというお話/これが淡色型??中間型と比べると明らかに頭部と下面の色が淡く,飛ぶと上面は茶褐色で,『日本の野鳥590』のP24淡色型とかなり似ている。
  
■マッコウクジラ/アカエリヒレアシシギ
  
■ミツユビカモメとトウゾクカモメ


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2009年7月18日(土)野付半島

2009年07月27日 | 北海道
■2009/7/18(土)9:45-11:10【天気】曇り時々雨
【場所】野付半島(標津町・別海町)
【種名】アオサギ+,トビ,オジロワシ8,タンチョウ6,メダイチドリ+,トウネン,キアシシギ++,オオジシギ1,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,ハクセキレイ,ノビタキ,シマセンニュウ++,カワラヒワ,ハシブトガラス(12科16種)
【メモ】7月の3連休はかねてからの計画通り,18日(土)19日(日)にシマフクロウとフルマカモメの白色型をメインに道東で鳥見をすることにした。1ヶ月ほど前から養老牛温泉の藤やさんと知床ネイチャークルーズさんに情報をもらいながら,毎日ライブカメラや掲示板を見つつ,シマフクロウは何時頃,何羽やってくるのか,ネイチャークルーズで見られるのはどんな種類か見当をつけつつ,本番に臨んだ。しかし,天気予報は土日は天気が下り坂で,土曜日が曇り時々雨,日曜日は雨,そして月曜日が晴れという最悪のパターン。これは土曜日に勝負をかけるほかないと決めた。シマフクロウについては夜出るのだから,何の問題もない。
 17日は19時30分頃初の新幹線で八戸まで行き,そこから青森まで特急,青森から札幌まで急行「はまなす」で18日6時に札幌に着いた。丘珠空港に移動し,8時のANAで中標津空港に移動した。これは列車で行くより時間も経費もずっとお得だ。9時過ぎに空港に着き,レンタカーで野付半島を目指した。
 野付半島は曇りで遠景は霞んでいる。原生花園をシマセンニュウはじめいろいろ飛び回っているのは見えたが,羅臼に12時30分まで着かなければいけないので,野付灯台の手前の駐車場までまず行くことにした。オオジシギが飛び,タンチョウが2羽かなり遠い距離で採餌しているのを見,ナラワラ付近ではオジロワシが4羽ほど飛んだり,ネイチャーセンター前の干潟ではキアシシギと,メダイチドリ,トウネンがいたが何しろ近くないし,曇りと小雨なので証拠写真程度の撮影をした。結局,ざっと見て,羅臼に移動したが,帰りに今は営業していない民宿の母屋裏の庭先に餌付けをしているのか,タンチョウが2羽いてディスプレイをしていた。
 羅臼のネイチャークルーズに期待して,国道を3年前の冬のようにひた走りに走った。(午後の知床ネイチャークルーズに続く)
【写真】
  
■タンチョウ/カワラヒワ/シマセンニュウ
  
■オジロワシ成鳥。オジロワシは若鳥を含めナラワラ付近の海岸部には普通に見られた。
  
■ナラワラ付近のアオサギの大群/民宿裏のタンチョウ成鳥。一羽は珍しく足輪をつけていなかった。


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2009年4月~6月の蕪栗沼

2009年07月14日 | 蕪栗沼・白鳥地区
■2009年4~6月のケリの繁殖と蕪栗沼周辺の野鳥(計6回観察)
【場所】蕪栗沼・白鳥地区及び周辺田圃,池,河川,畑,採草地など
【種名】カイツブリ,カワウ,ヨシゴイ,ゴイサギ,ササゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,残マガン,残ヒシクイ,残オオハクチョウ,残コハクチョウ,マガモ,カルガモ,コガモ,ヨシガモ,オカヨシガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,ハシビロガモ,ミサゴ,トビ,ノスリ,チュウヒ,ハヤブサ,キジ,バン,オオバン,コチドリ,イカルチドリ,ケリ,エリマキシギ,オオハシシギ,ツルシギ,アオアシシギ,オグロシギ,セイタカシギ,ウミネコ,キジバト,アマツバメ,カワセミ,コゲラ,ヒバリ,ツバメ,イワツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,モズ,ツグミ,ウグイス,オオセッカ1,コヨシキリ,オオヨシキリ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,カシラダカ,ホオアカ,アオジ,オオジュリン,カワラヒワ,シメ,スズメ,コムクドリ,ムクドリ,オナガ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(32科70種)
【メモ】4月12日から計6回ほど蕪栗沼に行った。一番の目的はケリの繁殖状況だが,最低3番いはいたようだ。同時に観察した個体数は応援部隊のケリを含め,7羽だった。毎年繁殖している場所の番いにターゲットを絞り,観察を続けた。抱卵からヒナが孵ったところまでは見たが,やや大きくなってからは草むらに隠れていて,見ることはできなかった。ケリはちょっとでも自分たちのエリア巣から田圃2,3枚離れていてもやってきては警戒・威嚇行動を取る。ついでにご近所の応援部隊もすぐやって来るので,何しろうるさいこと限りなしである。沼の方は,シギチは白鳥地区にツルシギとアオアシシギの群れに混じってセイタカシギ,オオハシシギ,オグロシギが観察できた。蕪栗沼は,アオアシシギとエリマキシギくらいか。最初の4月12日(日)には,聞き慣れない地鳴きがするので,ふと前方を見るとオオセッカが蕪栗沼と白鳥地区の土手道の白鳥地区側の低い灌木に止まっていた。しかし,例によって珍しいのが出るとつい双眼鏡でよく見ないと気が済まないバードウォッチャーの悲しい性で,5秒くらいは見ていたが,結局沼の方に行かれてしまった。沼アジサシの情報もあったが,時々,伊豆沼や蕪栗沼ではハジロとクロハラは見たり撮影しているので,いたらラッキーという感じだったが,以前,白鳥地区の杭の上にとまって絵になっていたイメージで探したが,いなかった。シギチは最近は白鳥地区の浅いところにかたまっているが,ここはとにかく遠いので,いろいろいても風景写真にしかならない。セイタカシギは1ヶ月以上滞在しているようだった。
【写真】
  
■4月12日観察のケリ成鳥。田圃はまだ4月の風景/蕪栗沼のエリマキシギ/オオジュリン冬羽
  
■オオジュリン冬羽/アオアシシギの飛翔/ツルシギ24,アオアシシギ5,オオハシシギ1,オグロシギ1
  
■コムクドリのペア/ホオアカ成鳥/キジ成鳥♂
  
■キジ成鳥♀/ゴイサギ,アオサギ,セイタカシギ,ツルシギ/ケリの卵
  
■巣から離れて威嚇するケリ
  
■威嚇するケリ/ヒバリ
  
■ヒバリ/ケリの雛と卵/ケリ成鳥
  
■ケリ成鳥/幌うちするキジ♂/スイレンの葉の上を移動するバン成鳥のペア
  
■ケリの飛翔/威嚇するケリ
  
■苗が育ってきた田圃の中のケリ/セイタカシギ,ダイサギ,アオサギ/夕暮れの白鳥地区


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動画観察図鑑 コアジサシの給餌(1)

2009年07月12日 | 動画観察図鑑
■2009/7/4(土)13:30-15:00【天気】曇り
【場所】鳥の海海岸
【種名】コアジサシ(1科1種)
【メモ】今回2回目の観察。給餌行動やヒナの動きを観察するため,特定の巣にターゲットを定めてビデオを固定,撮影した。
 最初は巣からヒナが這い出で(まだ立ち上がって走れない),途中うんちをし,再び親のところに戻って親の懐に潜り込むシーン。このヒナが巣の外に出た目的は(戻るのはそれなりの理由があるが)よくわからない。単に排便を巣の外でするためだけではないだろう。
 2つめは,親鳥が餌を与えるシーンだ。ヒナにとっては適当なサイズの小魚だった。
 3回目もやはり親鳥が餌を与えに来たが,先ほどもらったばかりなのか,親が餌を差し出してもヒナは受け取らなかった。あとで欲しそうな様子を見せるが,親鳥が自分で餌を食べてしまった。それを見ていた巣ごもりの親は,「あれ,何考えてんの?」という感じの動揺というか,そうした仕草が明らかに見えた。
 最後のシーンは,ヒナを抱いていた親鳥が,巣の近くに砂を掘ってそこにヒナを誘導する場面である。1番元気なヒナはすぐにやってきた。2番目も1番目と同じサイズの大きさで,勇気をふるって勢いまかせで,何とか親のところへやってきた。しかし,もう1羽の明らかに成長が遅く体が小さく痩せていて,羽毛の様子も良くないヒナは,親が声をかけると,巣から出ようとするが,結局出られず,見かねた親鳥が,もとの巣に戻るという場面である。しかし,このあと,親鳥は2羽のヒナがいる方に再び戻り,観察している間は,ひ弱なヒナのところには戻ろうとしなかったのである。
【ビデオ】
動画こちらです。サイズ約50M


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動画観察図鑑 コアジサシの給餌(2)

2009年07月12日 | 動画観察図鑑
■2009/7/11(土)9:30-13:30【天気】晴れ時々曇り
【場所】鳥の海海岸
【種名】コアジサシ(1科1種)
【メモ】今回で3回目の観察。ヒナの動きを観察するため,特定のヒナにターゲットを定めてビデオを固定して撮影した。今日のビデオは,すでに砂浜を走り回れるくらいになった2羽のヒナが親から小魚をもらうのはいいのだが大きすぎて,なかなか飲み込むことができないシーン。一度,親が餌を与えるが,大きすぎてヒナが落としてしまい,それを親が拾ってまたヒナに与えた。しかし,ほとんどヒナの身長ほどある小魚で,飲み込むのにヒナは四苦八苦。そこに近くでヒナを見守っていたもう一方の親もやってきた。

母親:あなたね,子どもに餌をやるのはいいけれど,これちょっと大きすぎない?
父親:あっ,ごめん。大きかったかな。(本人はもちろん大きかったと分かっている)
母親:当たり前じゃない。坊やが四苦八苦しているでしょ。サイズというものを考えてね。餌を運んでくればいいというものではないのよ。
父親:ごめん。これこれ,坊や。お父さんが別の魚を運んでくるから,それはよこしなさい。
坊や:いいよ。これ食べられるもん。取らないでよ。

とこういう感じではないだろうか。餌を運んできたのを♂,見張りを♀と仮定すると,ヒナの様子を見つめるペアの仕草(動画をよく見てみよう)からこんな会話を想像してしまう。
海岸にはアジサシの成鳥夏羽と幼羽も数羽いた。
エンジン付きパラグライダーの轟音に脅かされながらも,必死に子育て中のコアジサシたちであった。
【ビデオ】
動画こちらです。サイズ29.5M


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