私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

コアジサシとシロチドリは切っても切れぬ仲らしい。

観察図鑑 2007年4月~10月ビール工場のサギのコロニー

2007年10月23日 | 観察図鑑
■2007/5~9月 
【場所】蒲生周辺のビール工場のサギのコロニー
【種名】亜種チュウダイサギ,チュウサギ,アマサギ,ゴイサギ(1科4種)
【備考】毎年,蒲生に行く前にサギのコロニーを見に行く。まだ来ていない頃から,すっかりいなくなってしまう頃まで通い続けているが,毎回,違った姿を観察することができる。だいぶ大きくなったヒナから幼鳥に移行する頃の子どもに餌をやるのはなかなか大変な感じだ。餌を喉がふくれるくらいにため込んで,それを子どもの嘴の中につっこんで給餌する。ヒナの嘴攻撃も覚悟しなければならない。とがった嘴で眼などやられたら親鳥も大変だ。アマサギが給餌しているときの様子を見ていたら,子どもが興奮するのはもちろんだが,親もかなり興奮状態で,給餌していた。人間などとは勝手が違うらしい。
【写真】
  
■アマサギの生殖羽/田圃でミミズを捕まえたアマサギ
  
■8月になると,夏羽の緋色の飾羽もだんだん抜け落ちてくる。
  
■巣から降りて(落ちて)フェンスの上に止まっていたアマサギの幼鳥,羽があるので枝伝いに登っていった。顔はアマサギそのものの猿顔/餌をもらう幼鳥。嘴の先が黄色くなり始めている。
  
■ゴイサギの生殖羽/ゴイサギ幼鳥/亜種チュウダイサギ
  
■亜種チュウダイサギの抱卵/美しい飾り羽
  
■亜種チュウダイサギの飾羽。巣が下にあり,ヒナに餌をやっていた。
  
■8月のチュウダイサギ,目先の色もあせてきている/抱卵するチュウサギ/チュウサギのヒナ
  
■チュウサギのヒナから幼鳥へ
  
■チュウサギの給餌。親も必死という感じだ。


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2007年10月2日(火)蒲生海岸

2007年10月06日 | 蒲生海岸
■2007/10/2(火)7:50-9:30【天気】曇り時々晴れ
【場所】蒲生干潟・海岸・養魚場池,周辺耕地
【種名】カワウ,ゴイサギ,ダイサギ,コサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,ミサゴ,トビ,ノスリ,ハヤブサ若鳥,チョウゲンボウ♀,{トウネン幼羽7,ハマシギ幼羽3,コオバシギ幼羽1,ミユビシギ幼羽2},キアシシギ幼羽3,ソリハシシギ幼羽2,タシギ1,オオセグロカモメ幼羽,ウミネコ,キジバト,カワセミ,ヒバリ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,モズ,シジュウカラ,ホオジロ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(18科36種)
【備考】コオバシギが来ているという情報をいただいて,さっそく見に行った(とは言っても土日月出勤で火曜日が休みだったのだが)。最初に赤沼に寄るとノビタキやカワセミがいた。シギチは全然で蒲生に向かった。サギのコロニーは1羽も残っていなかった。日和山の下の葦原にカワセミとソリハシシギがツーショットだったのだが,撮影はできなかった。七北田川河口ではミサゴがダイビングを繰り返していたが獲物なし。導流堤を歩いて海岸に行ったがシギチの気配なし。干潟の中程から対岸の葦原を見るとミサゴが止まっていたので,しばらく見ていた。ミサゴの足の爪はゲームのクレーンが十字についているような感じ。サギも当たり前のしかいない。仕方なく海岸に行くと,サーファーが相変わらず多い。これはもういないかと諦めかけていたところに,海からこちらへミユビシギ2羽が飛んで目の前の渚に降りたと間もなく,コオバシギ,ハマシギ,トウネンが続いてやってきた。長い渚線でわざわざ自分の目の前にやってきたので,探す手間が省けたというか,感謝感激だ。何事も無心が大事(この場合は諦めだったが)。順光に回るため,渚を行ったり来たりしているチームコオバシギの背後(つまり海の中)に回った。白い泡が渚を行ったり来たりして,それに合わせてシギたちも行ったり来たりしているいつもの光景だ。けっこう膝まで波が来て長靴にも水が入ったが,重いのでちょうどいい。コオバシギはやはり首を縮めて,忙しく動き回ってこそコオバシギだ。首を伸ばして立ち止まると変なオバシギに見えてしまう。実は,個人的にコオバシギを蒲生で見たのは何と大学時代以来だから,30年ぶりくらいだ。他の場所だって,HPやブログを立ち上げてからは見ていないので,かなり貴重。昔は蒲生でアジサシ・コアジサシと同様,当たり前に見られたシギだ。さて,10分くらいお付き合いしていたが,浜に上がって流木の近くに行って小休止,羽繕いを始めた。ぶるぶるやって海水を飛ばし,丁寧に羽繕いをする。これがまた10分くらいやっていたが,他のシギたちはお先にまたちょこちょこ動いて砂浜で餌を探している。しかし,せいぜい流木から幅3メートルの範囲で動いているだけで,コオバシギの周りを他のシギたちが動いている感じだ。そういった意味ではチームコオバシギ(トウネン幼羽7,ハマシギ幼羽3,コオバシギ幼羽1,ミユビシギ幼羽2)というところか。いつまでもこの状態でいそうだったので,静かに後ずさりしながら退却し,釣師浜に向かった。
【写真】
  
■浪の勢いが速く,走っては間に合わないので慌てて飛ぶ,また戻る,また走って逃げる
  
■渚で採餌する/渚をすたすた歩くコオバシギ,この感じがコオバシギらしい。
  
■ミユビシギと羽繕いするトウネン
  
■首を伸ばすとどうもオバシギ的になってしまう。コオバシギというとやはり小太り顔の大きいオバシギのイメージだ。
  
■この個体はかなりの幼羽なので顔もオバシギに似ているし,やややせ気味なので体型的にオバシギに近いが,コオバシギというとやはり,上面の鱗模様に見える羽衣が特徴だが,これはサブターミナルバンドがあるためだ。
  
■キアシシギ幼羽,ファインダーを覗いたら何となく透明感がある感じだったので撮影した。
  
■赤沼周辺田圃のノビタキ/赤沼のカワセミ/蒲生海岸のヒバリ


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2007年9月24日(月)石巻雲雀野地区

2007年10月01日 | 石巻雲雀地区
■2007/9/24(月)12:30-14:00【天気】曇り,晴れ
【場所】石巻雲雀野地区
【種名】カイツブリ,ウミウ,ダイサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,ハシビロガモ,キンクロハジロ,スズガモ,ミサゴ,トビ,ノスリ,ハヤブサ,チョウゲンボウ,キジ♀,コチドリ,ムナグロ2,トウネン28(うちおそらくヨーロッパトウネン1),オオハシシギ幼羽1,ツルシギ幼羽9,アオアシシギ幼羽3,キアシシギ幼羽6,ソリハシシギ幼羽3,オオソリハシシギ幼羽3,ユリカモメ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ヒバリ,ハクセキレイ,ノビタキ3,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(15科37種)
【備考】蕪栗沼から石巻に行った。けっこう先着の方々がいて,オオソリやヨロネン,トウネンなんかを見ていたようだ。例によってハヤブサがそれらを見る前に飛ばしてしまい,トウネン島は何もいない。しかたがないので,池の方に行くと,シギチが何種類かいた。オオハシシギはこちらにもいた。ノビタキは今日は3カ所。石巻は何が出るかわからないおもしろさがある。冬もまた変なのが時々くる。カモメも来るといいのだが。とりあえず,今シーズンの石巻はこれでおしまいにすることにした。とは言ってもまた来るのは間違いないが。
【写真】
  
■アオアシシギ幼羽,何となくひょうきんな鴫。蹼がある。
 
■ツルシギ幼羽,オオハシシギ,後ろはソリハシか?/ツルシギ幼羽とかわいいムナグロ幼羽
  
■ノビタキ,背景にパルプ工場の赤白の煙突と白い煙を入れてみた。


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2007年9月24日(月)白鳥地区・蕪栗沼

2007年10月01日 | 蕪栗沼・白鳥地区
■2007/9/24(月)11:00-11:30【天気】曇り,晴れ
【場所】蕪栗沼・白鳥地区
【種名】カイツブリ,ヨシゴイ,ゴイサギ,アマサギ,亜種ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,マガン50+,マガモ,カルガモ,コガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,ハシビロガモ,ヒクイナ2,イカルチドリ2,オオハシシギ1,ツルシギ8,コアオアシシギ3,アオアシシギs1,タカブシギ12,オグロシギ12,セイタカシギ1,ミサゴ,トビ,ノスリ,キジ,キジバト,ヒバリ,ショウドウツバメ,ヒヨドリ,ノビタキ+,ホオジロ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(20科38種)
【備考】蕪栗はちょうどいい具合に干潟が出ていて,シギチが多かったが,例によって遠かった。土手の近くあたりを飛んでくれるとありがたいのだがそうもいかない。白鳥地区の細道を歩いていたら,ヨシゴイがふわふわ前を飛んでいって,横の葦原にそれた。そのすぐ近くを今度はヒクイナが2羽が急ぎ足で歩いて,これも葦原にそれた。何とも都合のいい道だ。バンディングでは殊勝にもわざわざ網にかかったアリスイもいたそうで,とても奇特なアリスイであると思った。蕪栗沼のガンのシーズンももうすぐだろう。
【写真】
 
■ツルシギ,オグロシギ,オオハシシギ-蕪栗沼/白鳥地区に降りたマガン50+の群れ


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2007年9月24日(月)伊豆沼・内沼

2007年10月01日 | 伊豆沼・内沼
■2007/9/24(月)9:20-10:30【天気】曇り,晴れ
【場所】伊豆沼・内沼
【種名】カイツブリ,ゴイサギ,アマサギ,亜種ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,マガン三工区59・伊豆沼中20+,マガモ,カルガモ,コガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,ハシビロガモ,ミサゴ1,トビ,ノスリ,ハヤブサ若鳥,キジ,ウミネコ,キジバト,ヒバリ,ショウドウツバメ,ヒヨドリ,モズ,ノビタキ3(内沼北土手),ホオジロ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(18科32種)
【備考】今シーズン最初のガンを見に行った。獅子鼻からはガンが見えなかったが,内沼に行くとIさんが先着していた。内沼浄土にはマガンが3羽いた。いずれも成鳥だが2羽は風切り羽にダメージがあって飛べるかどうかわからなかったが,漕艇場脇の土手でハクチョウと草を食べていたので,のこのこ追いかけていくと一羽はきちんと飛べた。しかし,後で写真を見ると風切り羽の内側の1枚の羽の先端が凹になっていたので,人為的に切られたものだろう。マガンの羽は裏側の羽の付き方もさることながら灰色に反射する色がとても美しく,「天の眷属」という感じがする。また近くでマガンを見るといつも宮沢賢治の『雁の童子』(かりのどうじ)を思い出す。
「須利耶さまは、その大きな黒い雁の列を、じっと眺めて立たれました。そのとき俄かに向うから、黒い尖った弾丸が昇って、まっ先きの雁の胸を射ました。雁は二、三べん揺らぎました。見る見るからだに火が燃え出し、世にも悲しく叫びながら、落ちて参ったのでございます。弾丸がまた昇って次の雁の胸をつらぬきました。それでもどの雁も、遁げはいたしませんでした。却って泣き叫びながらも、落ちて来る雁に随いました。第三の弾丸が昇り、第四の弾丸がまた昇りました。六発の弾丸が六疋の雁を傷つけまして、一ばんしまいの小さな一疋だけが、傷つかずに残っていたのでございます。燃え叫ぶ六疋は、悶えながら空を沈み、しまいの一疋は泣いて随い、それでも雁の正しい列は、決して乱れはいたしません。そのとき須利耶さまの愕ろきには、いつか雁がみな空を飛ぶ人の形に変っておりました。赤い焔に包まれて、歎き叫んで手足をもだえ、落ちて参る五人、それからしまいに只一人、完いものは可愛らしい天の子でございました。」
年に数回,落陽の赤い光を背景に落雁を見ることがあるが,きりもみで降下してくるガンの姿がこのシーンに重なって見える。
 さて,そこから内沼を一周すると,北側の堤防にノビタキがいた。この日は,蕪栗沼でも,石巻でもノビタキを見た。渡りのシーズンなのだろう。三工区にいくとマガンが30羽くらいいたがあとで数えると59羽だった。伊豆沼中にもいたので,合計は80羽前後か?あとは伊豆沼と内沼を一周し,蕪栗沼に向かった。2周目の獅子鼻でハヤブサ若鳥がコガモを襲うシーンを見た。狙いを定められたコガモは群れの他のカモが飛んで逃げたのに対し,まるで,腰が抜けたかのように飛び立つことができず,何度も水平飛行でやってくるハヤブサに爪を立てられていたが,何度目かの攻撃を前に突然泳ぎだして葦原に隠れた。ハヤブサは惜しそうに何度も上空を旋回していたが,写真はその時のものだ。
【写真】
  
■内沼浄土のマガン。人が近づくと逃げることは逃げるが,ハクチョウ並に人慣れしていた。
  
■三工区のマガンの群れ。幼鳥がヒシクイなみに頭が流線型のがいる。
  
■コガモを襲うハヤブサ若鳥だが,尾羽はカラスに何回も突かれてきたか,ぼろぼろになっている。


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