2011年6月26日(日)牛橋・鳥の海

2011年06月26日 | 鳥の海
■2011/6/26(日)8:08-10:05【天気】曇り,小雨
【場所】牛橋,鳥の海
【種名】カワウ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,ミサゴ,トビ,ダイゼン2,オオセグロカモメ,ウミネコ,コアジサシ,キジバト,カッコウ,ヒバリ,ツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,ウグイス,ホオジロ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(18科25種)
【メモ】牛橋の様子とコアジサシを確認し行った。山元ICから牛橋を目指す。途中の田圃には流されてきたものがまだ全然撤去されておらず,その上を雑草が茂っている。この耕地が再び復活するのはいつのことなのか,まったく現時点では予想をすることも出来ない状況だ。昔,常磐線で踏切だったところを習慣からか一時停止して通り,国道に出て,牛橋方面へ向かう。途中,それぞれの季節にクサシギやタゲリがいるハウス前の小さな休耕田は,水こそあるが,周りにあったはずのハウスや農家の家々は全てなくなっている。海側に目をやれば,本来見えないはずの海岸のマツが見え,その間には何もない。牛橋公園の案内標識を過ぎ,小川に掛かる橋を越えて右折すれば,水路沿いに牛橋への道だ。津波になぎ倒されて何もない道を行き,いったんカーブして牛橋河口へ向かう。雄大な河口は今は,瓦礫や倒木などが散乱する荒れた河口になっている。水門は建屋の半分以上上まで破壊され,この高さが津波の通った高さと容易に推測できる。かつてあった堤防はなぎ倒され,堤防沿いの道路の脇にあった小さな水路が,今は大きな水路として海岸線を貫いている。鳥の海方面に目をやると,小雨だったので視界が悪く,遠くに被災した鳥の海荘の建物が霞んで見え,新たに出来た水路と海岸の境に造成されている簡易道路を,自衛隊の車両が巡視しながら走っていった。その車が通る先々で,道路の脇に営巣しているコアジサシの親鳥たちが一斉に飛び立っている。標識調査のマーカーを施した小さな杭の目印のわきにコアジサシの卵が1~3個ある。この日は雨が降っていたので,長居をせずに引き返した。
それから鳥の海に行ったところ,ダイゼンの夏羽でない個体が2羽いた。機関場への道は連日の工事の結果,修復され海岸まで出られるようになっていた。そこで渚を歩きながら一番先端まで行くことにした。途中,ドバトが2羽見たのみで,鳥影は見当たらない。一番端まで行って,かつては防波堤があり,漁船や釣り船が沖に出る水路に着いた。やはり,2カ所あった防波堤は痕跡もないほど,津波に流されたらしく,全く見えない。またかつてはアシ原で,バンディングでもなければ歩かない場所が,すっかりきれいにアシがなくなっていて,砂地になっている。そこを戻っていくと,ミサゴが3羽ちょうど良さそうな流木に止まっているのだった。
【写真】
  
■牛橋河口と,海岸沿いに出来た大きな水路。そして海岸線の荒れ果てた砂浜。
  
■水没した重機/鳥の海の干潟は震災以前のように出ることはなくなっている。南側潮干狩りが行われていた場所のダイゼン/ハマヒルガオ
  
■海岸の様子。外浜が痩せている。/ミサゴが3羽,干潟の流木に止まっていた。
  
■海岸の先端のかつて防波堤があったところから鳥の海中央の蛭島を撮影した風景。2本の防波堤がすっかりなくなっている。沈下したのではなく津波で破壊・消失したと考えられる。/採餌するコアジサシ。外浜で一番が抱卵していたが,おそらく波に洗われる近さなので営巣は難しいだろう。/帰りの雨の中,カッコウが電線に止まって鳴いていた。


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2011年6月23日(月)鮎川浜

2011年06月23日 | 金華山・航路
■2011/6/20(月)6:34-7:04【天気】晴れ
【場所】鮎川浜
【種名】カルガモ,トビ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ハクセキレイ,ホオジロ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(7科9種)
【メモ】今まで行けなかった鮎川浜に行った。昨年度は5月,7月,9月の3回鮎川港から金華山沖40Kmの海域の海鳥を調査した。お世話になった方々の安否伺いを兼ねて出かけた。石巻渡波地区を過ぎ,コバルトラインは通行止めということで,荻浜経由で鮎川を目指す。行く浜行く浜で,津波によって壊滅した漁港と人々の家々の跡地を見る。見慣れた風景がそこには全く存在しなかった。大小多くの漁船がひしめく大漁港も瓦礫が港を覆っている。かろうじて津波の被害を免れた家も,地震で半壊のところもあった。樹木の葉の色が赤茶けているのは津波によるものだ。もう少しで鮎川浜というところで,ひどい段差があり,車高が10cmしかない前輪近くのトランスミッションをつり下げている場所に石ころが入ってしまったらしく,すごい音と震動がする。ここでは直せないので,だましだまし,行くことにした。峠の教員住宅を過ぎ,鮎川港に入る。いつも通る場所は,道路が何となく行けそうにないように見えたので,真っ直ぐ七十七銀行の前を行くことにした。ところが,着いた先が,よく見るとホエールランドの前で,岸壁の駐車場ではない。よく見ると,いつも駐車する定期線切符売り場やお世話になっている金華山観光の事務所前の岸壁は,満潮で50cmくらい下にあった。もちろん満潮だから50cm下にあったのではなく,津波や地震による地盤沈下,施設の破壊により,下にあるのだった。定期船や黒潮号の船着き場はすっかり水没していて,歩いて行くこともままならない。干潮でもどれくらいでるのか想像がつかない。いずれ,鮎川港一帯はすべて破壊され尽くしているので,どうしようもない。エンジンつき小型船に漁師の方が一人乗っていて,網の手入れをしていた。アナゴらしい魚やフグの種類,キンメのような魚など(魚類はちっともわからないのでこの程度で)バケツで蒔いたところにオオセグロカモメの成鳥夏羽個体が10数羽群がって食べていた。
 帰りは石巻の長浜に寄ったが,オオセグロカモメとウミネコの群れ50羽ほどと,遠くにシルエットからするとウミガラスの類が1羽浮かんでいるのが見えた。何しろ,ここ3週間ほどは愛用のEOS7Dと100-300mmがドック入りしているので使えず,たまたまヤマダ電機に行ったらニコンD3100と18-55mmのレンズキットがコンデジ並の安さで売っていたので衝動買いし,それを持って鮎川に行ったのだった。そんなわけで望遠だったら,後で見れば何だかわかるのだが,このセットではとうてい無理な話だ。
 それから,蕪栗沼に向かったが途中,石巻工業港からマーメイドとブルーライナーが健在で,現在はマーメイドが田代島,網地島航路を1日1往復しているのがわかり,門脇桟橋の惨状を見るに付け,本当に涙がでてきた。地震後,やはり沖に出て助かったということだった。
【写真】
  
■地盤沈下により水没している定期船航路桟橋。この日の撮影時間は鮎川では満潮で130cmの潮位があった。/転覆した船があちこちにある一方,地震直後に沖に避難して助かった船も多くあったということだった。
  
■定期船航路の切符売り場前の駐車場付近は満潮で海面下にある。/停泊している黒潮号/オオセグロカモメ成鳥夏羽(ペアになれなかった成鳥)が小型漁船で(試験的に)水揚げした少量の魚を食べていた。


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2011年6月20日(月)蕪栗沼,白鳥地区,南側田圃

2011年06月20日 | 蕪栗沼・白鳥地区
■2011/6/20(月)9:59-11:34【天気】晴れ
【場所】蕪栗沼,白鳥地区
【種名】ゴイサギ,ササゴイ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,オナガガモ,トビ,チュウヒ,キジ,オオバン,ケリ成鳥3,セイタカシギ成鳥5,ウミネコ,キジバト,カッコウ,カワセミ,ヒバリ,ツバメ,イワツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,モズ,ウグイス,コヨシキリ,オオヨシキリ,セッカ,シジュウカラ,ホオジロ,ホオアカ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(23科38種)
【メモ】蕪栗沼南側駐車場に車を置いて,ニコンD3100+18-55mmを持って,蕪栗沼へ向かった。途中,懐かしい桑の実がなっているのを見て感激した。小さい頃,桑の実,ぐみ,ナツメをよく食べていたのだ。桑の実は近くの養蚕用の桑畑で,グミは道端に自生しているものを,ナツメは近所の庭の大木というように。今目の前に桑の実があるが,さすがに今は食べる気はしない。さらに歩いて行くとセッカやコヨシキリ,オオヨシキリ,ウグイス,それにウシガエルの声が聞こえてくる。土手近くの木にはトビの巣があって,まだ産毛のでっかいヒナが2羽いた。上空を親らしきトビが旋回している。いくら近いと行っても,55mmでは撮影は難しかった。ちなみにホオアカは55mmでもアップくらい近づけたのだが,上空をチュウヒが通過したのに気を取られている瞬間に飛ばれてしまった。白鳥地区にはセイタカシギが5羽いた。ただでさえ遠いのに,55mmでは点にしか写らない。
 この後は,南側田圃にケリを見にいった。まだ,小さいらしく,先週と同様の警戒行動を取っていた。親と同じくらいの大きさ形になれば親も警戒しなくなるが。
【写真】
  
■桑の実/トビのペア/トビの巣
  
■セイタカシギ5羽/トノサマガエル/ケリ


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2011年6月4日(土)蕪栗沼周辺田圃

2011年06月04日 | 蕪栗沼・白鳥地区
■2011/6/4(土)7:58-9:16【天気】曇り
【場所】蕪栗沼周辺田圃
【種名】ケリ(1科1種)
【メモ】1年ぶりにケリの繁殖を観察に行った。例年だとこの時期はヒナが巣を離れ,畦を自力で移動できるため(昨年の記録参照)卵や孵ったばかりのヒナやまだ巣から出られない段階と違いケリのテリトリーに入ればヒナを守るため,警戒するが,文字通り警戒程度で威嚇はしない。今日も最初はペアの2羽で警戒していたが,そのうち畦道を挟んたテリトリーから1羽が応援にやってきて,最終的にはどこからともなく最初のペアの助太刀に4羽やってきて,計6羽で警戒していた。ケリは行動がとにかくわかりやすい鳥だ。ヒナがいる畦もだいたいわかった。ヒナを呼ぶ声や仕草が警戒をしている時とは全く異なる。しばらく見ていればヒナの姿も昨年同様見られたかもしれないが,ほぼ繁殖間違いなしということで帰った。ちなみに蕪栗沼ではチュウヒがまだいた。
【写真】
  
  
  
■警戒音も卵やヒナの時と比べるときつくなく,威嚇もほとんどしない。よく見ていれば,ヒナから離そうとしているのか,ヒナのいるところに降りてヒナを呼んだり探したりしているのか,行動からわかる。


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