私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

公園池のカイツブリ。幼鳥3羽が順調に成長中。大沼と違って、競合する水鳥や天敵がいない。大沼ではこうはいかない。

アビ科Family Gaviidae 3種

2005年04月29日 | 観察図鑑
1.アビ
【英 名】Red-throated Loon
【学 名】Gavia stellata
【観察地】網地島航路、奥松島室浜、鳥の海、蒲生海岸など
【個体数】少ない
【習 性】冬鳥
【解 説】上の嘴は真っ直ぐで、下の嘴が先端部分が鋭角になっているので、全体が上に反っているように見える。嘴で腹部を羽繕いするときには潜水カモのように反転する。近くで見ると非常にかわいらしい顔をしている。どちらかというとイタチかテンという感じである。近年は少ないが以前は普通に見られた。

潜水する瞬間
【動画】潜水/羽繕い(後でアップします)
【備考】はフィールドノート2001.2.2の鳥の海参照。

2.オオハム
【英 名】Arctic Loon
【学 名】Gavia arctica
【観察地】網地島航路、室浜
【個体数】最近では少ない
【習 性】冬鳥
【解 説】室浜や網地島航路では少数だが観察できる。


3.ハシジロアビ
【英 名】Yellow-billed Loon
【学 名】Gavia adamsii
【観察地】鳥の海、鮎川港、網地島航路、網地島
【個体数】少ない
【習 性】冬鳥
【解 説】上記アビ類の中では最大で、白黄色の大きな嘴は遠くからでもよくわかる。数は多くないが、シーズンに最低1回程度は観察できる(というか、比較的観察できる網地島航路が年1回しかいかなので)。2002年の鮎川港では、海上だけでなく、港の上空を旋回して飛ぶのをよく観察することができた。アビ類の飛翔形はカンムリカイツブリの飛翔形に比較的似ているが、首がカンムリカイツブリよりは短いために、翼の位置がカンムリカイツブリよりもバランスが取れている感じがする。しかし、他の海鳥と比べるとかなりアンバランスで、あまり飛ぶのは上手ではない感じがする。ハシジロアビが旋回して飛んだときはよけい変な感じがした。

慕田峪長城

2005年04月22日 | 県外・国外・その他
 イオングループの「万里の長城植樹プロジェクト」のツアー (1998年7月3日~7日)に参加し、 自由行動の日に慕田峪長城へ探鳥にでかけた。
 天候が心配されたが、前日の大雨もやみ晴天で遙か彼方まで続く長城を見ることができた。
 長城の長い坂道やいくつかの望楼をくぐり、歩き続けると、目の前の外壁や外壁のすぐそばの 灌木で囀るチョウセンホオジロの姿があった。鳴き声はホオジロそのものだが、日本の亜種ホオジロとはだいぶ違っていた。ハヤブサ科の猛禽が山の斜面沿いに滑るように飛 び、望楼の外壁に日本では夏は見られないジョウビタキの♂がとまっていた。
 きつく長い坂を登り切るとそこから先は廃墟となった長城があり、本来ならまだまだ長城は続くのだが、それ以上は登ることはできなかった。廃墟となったテラスと遙か彼方の峰峰へと続く長城を見て、感慨しきりだった。
 
 慕田峪長城(ぽでんよくちょうじょう ムーティエンユーチャンチョン)は、クリントン大統領が中国を訪れた時に行った長城で ある。有名な八達嶺長城の方は完全な観光地で、、物売りだらけだったが、その点、慕田峪長城の方は、観光客も少なく、物売りも1,2カ所程度で、のんびりした 感じだった。
 北京市内からタクシーをとばして1時間30分くらいで着いた。途中の美しいポプラ並木やヤナギ並木のある広い道路をかなりのスピードでとばしていくのが、とても爽快 だった。前日は豪雨で、至る所河川が氾濫し、川沿いの農地に被害が出たとのことだった。
 
 クリントン大統領が来るというので、新しいのに取り替えたというロープウエイはとても快適で、長城にはあっという間に着 いた。あまり観光客が行かない田舎の方もいろいろ回りたかったので、中国の旅行社に頼んでガイドと専用車を用意してもらった。ガイドは、大学をでたばかりのバイトのお嬢さんで、日本語の先生になりたいとかで、とても日本語が流暢 だった。いろいろ話せて、まあ、タクシー代だけなら二万円以下で済むところを、5万5千円も払ったのだが、写真がいっぱい撮れたり、いろんなところを回って、自分の好きなところで停めてもらって、写真を撮りつづけたのでよかったと思 う。
 長城に行く途中、巨大な遊水地があって、そこへ道を外れていってもらったら、小さな村があり、そこは、オウチュウがいっぱいいて感動した。 日本ではまず見られない鳥で、ひらひらした飛び方や、水面の虫を捕食する姿を見ることができた。
 タクシーから降りて、いきなり白い600mm望遠を担いで遊水池に行くものだから、ガイド嬢とタクシーの運転手が心配して、羊の世話をしながらけげんそうにこちらを見ている村人に事情を説明していた。
 
 長城を歩いていて驚いたのは、かなりの急斜面なのに滑らないことだった。もっとも滑ったら、軍馬 (長城は軍馬が通るのだそうだ。)も人もスムーズに移動できないだろう。八達嶺のときは、霧がかかり、かなり濡れていたが、全然滑らなかったのでびっくりした。慕田峪長城のスタート地点から、遥か遠くの山並みまで望楼が続いているのが見えたの だが、一ヶ所彼方に切り立った山があって、その端まで長城が続き、望楼があったのには驚いた。長城、天安門広場、故宮博物館、天壇公園と島国の日本人には考えられないものばかり だった。

慕田峪長城1998年 写真とこの記事UP

2005年4月17日(日)鳥の海

2005年04月17日 | 鳥の海
■2005/4/17(日)6:00-7:30 【天気】晴れ、満潮
【場所】鳥の海、周辺田圃
【種名】 カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、ホオジロガモ、カワアイサ、ミサゴ2,トビ、ハヤブサ成鳥♂1♀1、キジ♂1、オオバン、コチドリ成鳥夏羽3,メダイチドリ28、ムナグロ1,ハマシギ1,ミユビシギ2、ユリカモメ、オオセグロカモメ、シロカモメ第1回冬羽から移行中個体1、カモメ、ウミネコ、キジバト、コゲラ、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ(渡り)、モズ、ノビタキ♂3♀5、ツグミ、ウグイス(囀り)、エナガ、ヒガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス (28科54種)
【備考】干潮は午後からだったが、お昼頃から定義へ三角あぶらげを食べに行く予定だったので、5時すぎに起きて、鳥の海に行った。東部道路の延長区間沿いのクリークに沿って、ノビタキが見られた。運転席のドアのすぐ脇のヨモギの枯れ枝に止まっていた♂が一番近かったが、何しろ近すぎて撮れなかった。肉眼で15秒ほどじっくり見ることができた。それから鳥の海の外周路を運転しながら見たが、カモやカイツブリがいるくらい。海岸を歩いて行く途中、ムナグロが飛んできて、距離は遠いけれど海をバックになかなかいいポジションに止まって、撮るぞと思ったらサーファーの四駆に驚いて、逃げていってしまった。この浜も、サーファーに占領されている。少し行くと、今度はメダイ、ハマシギ、ミユビの群れが飛んできて、四駆の轍でじっと身を潜めていた。そのうち歩き出して波打ち際で採餌しては、浜にあがって休んでいた。堤防に着いたが、特に何もいなかった。そのうち、先ほどのメダイの群れがやってきた。オオソリやセイタカあたりも見たかったが、この満潮の状態では無理かと思われた。ノビタキの写真を撮ろうとクリーク沿いに帰ったが、もはや釣り人しかいなかった。ミサゴが獲物を捕まえにダイビングしたのを見たが、一回飛び上がったと思ったら、掴み損ねたらしく、もう一度水に沈んで、今度は片足で掴んで飛んでいった。それをユリカモメの若鳥が気丈にも追っていくのだが、けっこうミサゴも気にしているようだった。最後は、ハヤブサの♂♀を見た。鉄塔の上でヒヨドリが渡ってくるのを見張っている。やってくると、ぱっと飛んで襲撃した。見ている間は1羽も捕まえられなかったようだったが、あれだけ次々と飛んでくるのだから、餌に不自由はしないだろう。並んでみると雄と雌のあまりの大きさの違いに唖然とした。特にこの♀(L49cm)が体格がよすぎるように見えたのは、単なる思い過ごしだろうか。私は♂(L42cm)がとても気の毒そうに思えた。
【写真】
  
■ノビタキ夏羽移行中♂/メダイチドリとハマシギの群翔
  
■ランディングするハマシギとメダイチドリの群れ
  
■ヒバリ成鳥♂/コチドリ成鳥夏羽/ミサゴ
  
■ヒヨドリの渡り/ハヤブサ♀/ハヤブサ♂♀大きさがかなり違う/ハヤブサ♀
  
■ハヤブサ♀胸のパターンがよく見える/ハヤブサ♀
  
■ハヤブサ♀/ハヤブサ♂
  
■鉄塔にランディングする♀/同♂♀/勢いがつきすぎたか,危うく前に落ちそうになる♀。難しい場所には違いないが,まあ見ていなかったことにしましょう。
  
■ハヤブサ♀,♂ 
このハヤブサのペアは腹部の模様,翼の色・模様,嘴の付け根の色からすると,第2回夏羽以降の個体と考えられる。


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2005年4月16日(土)赤沼

2005年04月16日 | 大沼・赤沼
■2005/4/16(土)8:00-9:30【天気】晴れ
【場所】赤沼
【種名】コチドリ成鳥夏羽1,セイタカシギ♂2・♀1(2科2種)
【備考】赤沼には例年4月16日前後にセイタカシギがやってくる。そして,田植えのため赤沼が満水になる期間まで採餌している。
【写真】
  
■コチドリ/セイタカシギ♂2♀1
  
■2羽並んで採餌するセイタカシギ♂♀/成鳥セイタカシギ♀/成鳥セイタカシギ♂
  
■餌を探す首頸が黒くない方の♂個体,泥の中の小さな貝を食べている。
  
■首頸が黒くない方の♂個体,セイタカシギはミユビシギ同様,後趾がない。
  
■後頸が黒い♂個体


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