私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

2018年、2022年と見に行き、2023年は巣が崩れてしまったらしく、今年は隣の岩で抱卵中だった。

観察図鑑 ケリ

2006年05月28日 | 観察図鑑
■2006/5/20(土)10:00【天気】晴れ
【場所】蕪栗沼周辺田圃
【種名】チドリ科ケリvanellus cinereus
【備考】ケリの習性でおもしろいのは,いつの間にかご近所のケリがかしましく集まってきて,威嚇飛翔することだ。これも威嚇だが翼をため込んで,姿勢を低くし,いかにも威嚇してるぞというポーズをとること。偽傷もおてのもの,また忍者のようにさささと姿勢を低くして移動するかと思えば,ちっとも近くにいても逃げずに採餌したり羽繕いしたりしている。また畦にたくさんのケリが一列に並んでいるのを見ることがあるが,これも一種異様な風景だ。採餌も普通の採餌の他に,畦の土をものすごい勢いで高く放り投げながら,餌を探している。こうした特徴をまとめると,けっこう目立ちたがり屋の異星人という感じがする。羽の模様や顔,嘴の模様をみてもそうだ。ケリの写真は意外と朝露に濡れているときの方がピントがいいし,雰囲気が出る。
【写真】
  
  
  
  
■ケリ成鳥夏羽


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観察図鑑 ホオアカ

2006年05月24日 | 観察図鑑
■2006/5/20(土)10:30【天気】晴れ
【場所】白鳥地区
【種名】ホオジロ科ホオアカEmberiza fucata
【備考】ホオアカを初めて見た(というか以前からいたはずだが認識していなかったという意味で)のは,大学野鳥の会に入ってからで,カシラダカとホオジロは幼少から知っていたが。ホオアカというホオジロ科の鳥がいるというのは知らなかった。実家の採草地に兄とトラクターで入ったとき,仕事をしているすぐ近くで鳴いていたのがホオアカだった。たまたま望遠レンズを持っていたので,撮影したのが最初だった。ちなみに写真は仙台市科学館のここににある。また,よく釣りに行っていた旧迫川の土手もホオアカがいっぱいいる。白鳥地区の土手もかなりの個体数を数えるだろう。写真は,近くの灌木でスイング(特に最後の写真はスイングしてる)しているのを撮影したものだ。よく見ると下嘴の形がおもしろいのがわかる。この形状の方が餌を捕りやすいにだろうか。
【写真】
  
  
■スイングするホオアカ


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2006年5月4日(木)栗駒山麓

2006年05月23日 | 花山湯ノ倉温泉
■2006/5/4(木)6:00-10:00【天気】晴れ
【場所】栗駒山麓
【種名】オシドリ♂2♀4,シノリガモ♂1(+♂2,♀2留守),キジバト4,アオゲラ1,コゲラ6,キセキレイ1,セグロセキレイ1,モズ1,カワガラス3,ミソサザイ12,ウグイス3,ヤブサメ1,エゾムシクイ2,センダイムシクイ6,キビタキ8,オオルリ6,エナガ5,コガラ3,ヒガラ16,ヤマガラ4,シジュウカラ,ゴジュウカラ12,メジロ18(13科23種),モリアオガエル卵塊
【備考】早朝4:30に家を出て,6時にはスタート地点についた。途中,ゴジュウカラとヒガラの混群に何度か出会った。ゴジュウカラをこんなに何回も見たのは初めてだったが,何しろ逆光と暗いので,いい写真は撮れず,結局,シノリガモのために50枚くらい撮影したのをフォーマットした。ヒガラはいいのもあったが仕方がなかった。今年はシノリガモが5羽来ているとのことで,撮影できたのは♂1で,♀1も見たが沢を登って飛んで行ってしまった。昨年は,オオアカゲラやアカショウビンも見ることができたので,今年はアオバトも期待したい。このフィールドは今年で観察30年目になる(大学時代から見ているのでまあ他も同じようなものだが)。
【写真】
  
  
  
■シノリガモ♂
  
■キクザキイチゲ


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2006年5月3日(水)ビール工場・蒲生海岸

2006年05月22日 | 蒲生海岸
■2006/5/3(水)17:00-17:50【天気】晴れ時々曇り
【場所】ビール工場,蒲生海岸
【種名】カイツブリ,カワウ,ゴイサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,コガモ,ハシビロガモ,トビ,シロチドリ16,ハマシギ10,キアシシギ11,オオソリハシシギ13,ユリカモメ,オオセグロカモメ,カモメ夏羽1,ウミネコ,キジバト,モズ,ヒヨドリ,アオジ,ムクドリ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(15科27種)
【備考】金華山の帰り,蒲生に寄った。夕陽が沈む頃だったが晴れていたので観察には十分だった。夕暮れ時にいいフィールドというのは,蕪栗沼もそうだが,自分にとって元祖は蒲生だ。蒲生の夕暮れはいつ見ても美しいし,シギチが眠そうに半眼で,砂の窪みにうずくまっているのもいい。1970年代ころ,蒲生にコアジサシがいっぱいいた頃は,海岸の砂浜にコアジサシの大群がいた。海面にはホバーリングして次々にダイビングして小魚を捕まえるその姿に夕陽が映えてとても美しかった。今日はコアジサシは見なかったが,カモメ成鳥夏羽を初めて身近に見た。冬羽とは全く別のカモメ類に見える。アイリングは赤く,一見小型のセグロカモメ風の翼だが,嘴は小さく細く,黄色で足も黄色だ。シギチはオオソリハシシギの群れが干潟奥にいて,キアシシギは日和山の前にいた。潮が引いた砂浜はシロチドリとハマシギがたくさんいて眠そうにしている。シロチドリの♂同士おっかけっこをしている。蒲生の夕暮れはサーファーも帰って,静かさを取り戻している。ビール工場ではゴイサギが眠りに就く。首を前に下げて両翼ですっぽり覆うようにして眠っている。
【写真】
  
■ハマシギ/シロチドリ夏羽♂/キアシシギ夏羽
  
■ユリカモメ成鳥夏羽/カモメ成鳥夏羽


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2006年5月3日(水)金華山,女川航路

2006年05月18日 | 金華山・航路
■2006/5/3(水)9:00-15:10【天気】晴れ時々曇り
【場所】女川~金華山航路,金華山,金華山~女川航路
【種名】ラインセンサス出現順
①女川港~桟橋8:40-9:10
ハシボソミズナギドリ1
①桟橋~山椒峠登山口9:15-10:00
ウミウ6,ハクセキレイ1,ハヤブサ成鳥1,シジュウカラ3,ホオジロ4,キビタキ♂2,コゲラ2,ヒメウ7,オオセグロカモメ7,ウミネコ++,センダイムシクイ6,ヤマガラ2,ヒヨドリ2メジロ6,ヒガラ2,カワラヒワ3,ヤブサメ1,コガラ3
②山椒峠登山口~山椒峠10:05-10:30
カワラヒワ2,センダイムシクイ1,シジュウカラ1,エゾムシクイ3,コガラ2,キビタキ2,トビ1,キジバト2
③山椒峠~外周路10:30-11:09
サンショウクイ2,センダイムシクイ6,ヒガラ2,コゲラ2,ホオジロ2,ハシブトガラス1,アオゲラ1,ヤマガラ4,メジロ10,ツグミ1,クロジ1,アオジ4,トビ1,キビタキ3,オオルリ1
④外周路~大函崎11:10-12:09
アカハラ5,メジロ3,シジュウカラ7,ヤマガラ4,コゲラ5,ヒヨドリ4,ハシブトガラス1,カワラヒワ10,サンショウクイ2,オオルリ1,ホオジロ4,キビタキ2,トビ1,アオゲラ1,アオジ1,モズ1
⑤大函崎・小函崎12:10-13:10
ウミウ営巣46,ヒメウ++,ウミネコ++,オオセグロカモメ++,イソヒヨドリ♀1,ハクセキレイ1
⑥大函崎~二の御殿登山口13:10-13:35
記録せず
⑦登山口~二の御殿13:40-14:19
メジロ6,アオゲラ1,センダイムシクイ2,ヒヨドリ1,シジュウカラ2,エゾムシクイ2,ヤマガラ9,エナガ3,ウグイス4,オオルリ1,キビタキ1,コゲラ2,ヒガラ3,ホオジロ1,ヤブサメ1,キジバト1
⑧二の御殿~桟橋14:20-14:50
アカハラ2,クロジ1,シジュウカラ2,ヤマガラ3,アオゲラ1,センダイムシクイ1,ハシブトガラス1,サンコウチョウ1
⑨桟橋~女川航路15:10-15:40
ウミスズメ8
【全体】ハシボソミズナギドリ1,ウミウ,ヒメウ,トビ,ハヤブサ,ウミネコ,オオセグロカモメ,ウミスズメ,キジバト,アオゲラ,コゲラ,ハクセキレイ,サンショウクイ,ヒヨドリ,モズ,イソヒヨドリ,アカハラ,ツグミ,ヤブサメ,ウグイス,エゾムシクイ,センダイムシクイ,キビタキ,オオルリ,サンコウチョウ,ヒガラ,コガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,アオジ,クロジ,カワラヒワ,ハシブトガラス(22科35種)
【備考】5月3日は足腰の鍛錬を兼ねて(笑い)金華山と決めている。大函崎・小函崎まで行ってウミウの営巣数をここ数年カウントしている。営巣箇所としては①大函崎の南断崖と②反対側の断崖,③大函崎の太平洋側,④大函崎と小函崎の間の断崖を見ている。今年は4カ所全てで営巣しており,全部で46カ所数えたが,見えない部分もあるので実際にはもう少し多いだろう。今年は小鳥の数が多い感じがして期待していったが,その通りだった。全盛期の金華山(30年以上前)はブナの美しい島で,今のように周囲はアカマツ,クロマツが壊滅的な枯れ方をしていたり,ブナ林もおそらく以前の1/3くらいは枯れている状態ではなく,キビタキ,オオルリ,アオゲラ,ヤマガラがやたら多い島だった。今年は,倒木は昨年以上にすさまじい状況だが,小鳥類やキツツキ類は非常に個体数が多かった。アオゲラも久しぶりにそちこちで鳴き声とドラミングを聞いた。サンコウチョウも写真は撮れなかったが,ホテル跡近くの杉林で姿♂と鳴き声を確認した。二の御殿に行く途中,キビタキとオオルリが同じ枝に止まったツーショットのチャンスがあったが,例によってまずきれいだーと感動してしまい,カメラを構えたときには解散していた(笑い)。今回のコースでもっとゆっくり行けばもっとたくさん出たと思う場所は③のコースだった。ここは一番ブナ林が樹勢を保っているエリアで,沢筋と美しい林が連続して現れるところだ。帰りの船では,ウミスズメの小群,行きは船のすぐ近くでハシボソミズナギドリが出たくらいで,ウトウやその他でそうな海鳥は全然だった。ともかく,キビタキ,オオルリもやたらいたので,かえって写真がきちんとしたのが撮影できなかったのは反省材料だ。
【写真】
  
■アカハラとキビタキ
  
■キビタキ
  
■キビタキ/クリンソウ/サンショウクイ
  
■センダイムシクイ/クロジ♀/ニホンザル
  
■オオルリ♂
  
■オオセグロカモメ第4回夏羽か成鳥夏羽/ヒメウ成鳥夏羽・幼鳥/ウミウ若鳥に威嚇されるヒメウ成鳥,ウミウの方が10cmほど大きいが,ヒメウが多少細身なので,よけいウミウの若鳥はかなり威圧的に見える。この威圧はよく観察できるシーンだ。
  
■ヒメウ成鳥夏羽の群れ/ヒメウ成鳥夏羽とウミウ若鳥/ウミウ成鳥-すばらしく美しい宝石のような眼
  
■ウミウの抱卵-卵は1個だけのものから最大6個まで観察した。
 
■ウミウ/8羽のウミスズメ


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2006年5月3日(水)石巻雲雀地区埋立地

2006年05月14日 | 石巻雲雀地区
■2006/5/3(水)6:20-7:00【天気】晴れ
【場所】石巻雲雀地区埋立地
【種名】ウミウ,カルガモ,コガモ,ハシビロガモ,オカヨシガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,ホシハジロ,キンクロハジロ,スズガモ,ミサゴ,トビ,ハヤブサ若鳥,オオバン,コチドリ6,シロチドリ12,キアシシギ1,セイタカシギ♀1,オオセグロカモメ,ウミネコ,ヒバリ,ツグミ,カワラヒワ,ハシボソガラス(営巣),ハシブトガラス(13科25種)
【備考】金華山に行く途中,埋立地に寄った。シギチはほとんどおらず,セイタカシギ1羽とキアシシギ1羽が埋め立て池の岸で採餌していて,50mほど離れた岸にハヤブサの若鳥がカモやシギチを狙っているようであった。「いるようであった」というのはちっとも行動を起こさず,羽を広げて歩いたり,一休みという感じだったり,もともとこのハヤブサは,昨年来時々見るが狩りが下手だ。セイタカシギなんかすぐ獲れそうな感じだ(一昨年のソリハシセイタカシギなんかはいつハヤブサにやられるのかという感じだった)。道路沿いの鉄塔にはハシボソガラスが営巣していた。けっこう遠いのにすぐ親鳥が逃げていってしまうのはいかがなものか。ということで,埋立地を後にして女川に向かった。
【写真】
  
■セイタカシギ♀とキアシシギ/コチドリ/ウォーキングするハヤブサ若鳥,縦縞模様が成長につれ,換羽して横縞になっていく。


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2006年5月12日(金)フォグランプに浮かぶ花

2006年05月13日 | 観察図鑑
■2006/5/12(金)21:00【天気】曇り
【場所】青葉山にある職場の庭
【備考】毎日夜8時30過ぎに職場を出るのだが,朝比較的早く来ると,この花の前に駐車できる。帰りにたまたま黄色のフォグランプも点けたところ,昼の花よりさらに美しい花が浮かび上がった。撮影する日が2日ほど遅れ,花はベストの状態ではなくなったが,とりあえず撮影することにした。ストロボオートと日中撮影の2枚の他は,三脚を使いストロボを使わないでプログラムAEで撮影した。いい出来ではないが,この職場で働き,この職場を愛する人たちのデスクトップを飾れればと思う。職場付近はちょうど仙台西道路トンネル中間地点の真上にあたる。この花はその西道路の上に咲いている花だ。
【写真】
  
  



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2006年4月29日(土)蕪栗沼・白鳥地区

2006年05月13日 | 蕪栗沼・白鳥地区
■2006/4/29(土)12:30-15:00【天気】晴れ
【場所】蕪栗沼,周辺田圃,白鳥地区
【種名】カイツブリ,ササゴイ,亜種ダイサギ1・亜種チュウダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,シマアジ♂1,ヨシガモ++,オカヨシガモ+,ヒドリガモ+,アメリカヒドリ(ハイブリッド)♂1♀1,オナガガモ,ハシビロガモ++,ホシハジロ,キンクロハジロ,トビ,チュウヒ,キジ,オオバン++,ケリ4,シギSP1,ツルシギ25,アオアシシギ2,セイタカシギ♀1,キジバト,ヒバリ,ツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,モズ,ツグミ,ウグイス,オオヨシキリ(5/4),コヨシキリ(5/4),ホオジロ,ホオアカ+,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,コムクドリ8,ハシボソガラス,ハシブトガラス(23科45種)
【備考】白鳥地区を一周し,沼を見ながら戻った。白鳥地区の堤防では,ホオアカ♂が縄張り争いをしており,最高で4羽入り乱れて(時に団子のようになって)飛んでいた。かと思えば,農道の真ん中や畦の草の中で懸命採餌している。白鳥地区にはヨシガモ,オカヨシガモ,ハシビロガモが多く,シマアジやアメヒもいた。アメヒはハイブリッドだ。シギチ類はツルシギが多く,セイタカシギ,アオアシシギ,それと不明シギ1(写真からするとエリマキシギ♂か)がいた。ヨシキリ類の囀りを聞かなかったが,5月4日に花山に行った帰りに寄ったら,伊豆沼はじめ蕪栗沼でも盛んに鳴いていた。ホオアカはテリトリーが確定したのか,この前のような喧噪はなく,普通に囀っていた。
【写真】
  
■伸朋地区の桜/ケリ成鳥/ツルシギとシギSP(写真で見ると嘴が短く見えるが実際はもう少し長い)
  
  
■識別用写真3枚です。上記の観察鳥種が写っています


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2006年4月29日(土)ビール工場・蒲生海岸

2006年05月09日 | 蒲生海岸
■2006/4/29(土)6:30-7:10【天気】晴れ
【場所】ビール工場,蒲生海岸
【種名】ゴイサギ,チュウダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,トビ,オオソリハシシギ1,キアシシギ2,ユリカモメ,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,ツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(12科22種)
【備考】朝早く大沼に行って,セイタカシギの写真とサギのコロニーの様子を見に行った。しかし,大沼は満水状態,あとは田植えが済んだ後に行くことにした。
 サギのコロニーには,前回4/22にはいなかったゴイサギが大挙して営巣していた。ただしアマサギはまだ確認できなかった。このコロニーができる以前は,すぐ近くの和田新田の人家裏にサギのコロニーがあったが,現在はほとんどこちらへ移行している。大学野鳥の会時代の1976年に田尻町沼辺小塩地区にスギのあまり手入れの行き届いていない一山があり,ここがサギの大コロニーになっていた。その他,蕪栗沼近くにも2カ所ほどコロニーがあったが,いずれも間伐をしない,樹高の低いツタが巻き付いている手入れの悪い杉林であった。夕暮れ時,ものすごい数のシラサギ類とゴイサギが一斉にコロニー上空を乱舞し,きりもみを繰り返しながら飛び回るとやがて塒入りし,コロニーも静かになる-こういった光景を飽きることなく見ていた記憶がある。高校時代は生物部に入っていて,鳥の骨格標本を作るとかで,コロニーに入ったことがあった。そこにはものすごい数の幼鳥の死骸や白骨化したものがあるかと思えば,生きている幼鳥や親鳥が激しく鳴き交わす喧噪,鶏舎に入ったような臭さ(ウミウのコロニーもすごいが),こういうのをおおげさに言えば阿鼻叫喚というのだろうか。生きるというのは実に大変なことだ。
 一方,コロニーの楽しみと言えば生殖羽の美しさと婚姻色だろう。目先の色,目の色,嘴の色,足の色,そして飾羽など,種類毎に異なるのがおもしろい。目先の色でいえばダイサギ,チュウサギ,コサギは信号機のようなものだ(コバルトブルー・黄々緑色・赤みがかったピンク)。
 繁殖している種類では,これまでの観察だと(カウントしたわけではないので予想だが),ゴイサギの個体数が一番多いだろう。次はチュウサギ,アマサギと続き,ダイサギ,コサギという順番になるのではないかと思う。ヒナや幼鳥の識別がまた大変だが,とりあえず,餌をやりに来る親の子どもがその種類ということになる。なお,第1回夏羽,第2回夏羽個体と思われるものも多く飛翔していた。
 蒲生ではキアシシギが2羽とオオソリハシシギの♀成鳥1羽がいたくらいだった。満潮から少しずつ引いている状態で,干潟が出るのは午後からだ。
【写真】
  
■飛翔するゴイサギ成鳥/ゴイサギ成鳥/ゴイサギのコロニー
  
■チュウサギの飾羽/眼先の色と眼の色が美しい/チュウダイサギとチュウサギ
  
■チュウダイサギ/キアシシギ夏羽


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観察図鑑 キジ

2006年05月04日 | 観察図鑑
■2006/5/4(水)
【場所】伊豆沼3工区
【種名】キジ科キジ
【備考】キジは英名がCommon Pheasantで,ちなみに発音は「フィザント」ではなく,「フェザント」です。春先,農耕地を♂の群れが何十羽も群れで歩いているのを見かけますが,非繁殖期は♂♀別々に生活するのだそうです。ちなみに寝るときは樹上と本に書いてありますが,私はキジが木に止まって寝ているのをまだ見たことはありません。春の繁殖期,♂が「ケーン」と鳴いたあと,「ドドドド」と羽ばたきで大きな音(「ほろ打ち」という)をたてます。縄張り宣言や♀へのアピールということらしいですが,この写真の場合は,♀が餌を探しながらさっさと♂をおいて歩き出したのを見た♂が,後ろからケーン・どどどどどっとやったものです。しかし,♀はお構いなく田圃をそちこち歩き回っていました。何となく空しい「ほろ打ち」でした。
<参考文献>
杉坂 学監修『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑-日本で見られる340種へのアプローチ』P49 成美堂出版 2002年
市田則孝監修『野鳥-しぐさでわかる身近な野鳥』P48-49 学習研究社 2006年

【写真】大きいサイズと小さいサイズを用意しました。ほろ打ちは1枚だけです。
 
■キジ♂LサイズとSサイズ(規定により1M以下に押さえてあります)
 
■キジ♀LサイズとSサイズ

■「ほろ打ち」をするキジ♂と無視する?♀


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