私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

公園池のカイツブリ。幼鳥3羽が順調に成長中。大沼と違って、競合する水鳥や天敵がいない。大沼ではこうはいかない。

2011年8月28日(日)赤沼

2011年08月28日 | 大沼・赤沼
■2011/8/28(日)12:24-12:43【天気】晴れ
【場所】赤沼
【種名】ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,コガモ,トビ,バン,コチドリ幼羽1,コアオアシシギ幼羽2,クサシギ幼羽2,タカブシギ幼羽1,タシギ1,スズメ,ムクドリ(8科15種)
【メモ】仙南の海岸沿いの田圃は休耕田も含め津波の被害を受け,雑草に覆われている。例年なら,ヒバリシギをはじめ多くの種類のシギチが採餌しながら渡っていくのだが,今年は事情が違う。そんな中で,津波によって周囲のフェンスがすっかり持って行かれてしまった赤沼だが,流入する水路が存在することで,かろうじて生態系が保たれているようだ。この小さな沼ではカルガモが少なくとも3番,バンが2番繁殖している。シギチも数は少ないが,例年のようにセイタカシギもやってきた。周辺の田圃では,雑草に覆われて津波で流された車があちこちに見え,田圃を元に戻そうと重機が入り,また人手による草刈りが行われている。広大な田圃がもとの水田に戻るのはいったい何時のことになるのだろうか。秋に渡ってくるミヤマガラスも,海岸部の田圃のあまりの変わりようにきっと困惑するに違いない。
【写真】
  
■ムクドリ幼鳥/アオサギ/ダイサギ
  
■魚をくわえるダイサギ/コアオアシシギとタシギ/採餌するコアオアシシギとタカブシギ
  
■採餌しているコアオアシシギとタカブシギのところに巨大なダイサギが登場。タカブシギは棒立ち。/カルガモの親子。まだ羽は小さい。/クサシギ幼羽
  
■タカブシギとタシギ/タカブシギとクサシギ/クサシギとタシギ
  
■コアオアシシギ/コサギ


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2011年8月14日(日)赤沼

2011年08月14日 | 大沼・赤沼
■2011/8/14(日)9:22-9:32【天気】曇り
【場所】赤沼
【種名】カルガモ,ダイサギ,コサギ,チュウサギ,コチドリ幼羽,オグロシギ夏羽♀,スズメ,ムクドリ(6科8種)
【メモ】蒲生に行く前に赤沼に何か入っていないか,行ってみた。大型のシギが1羽いてオグロシギの夏羽だった。この個体は頭部から胸にかけての赤褐色が薄くないので♂と考えられる。他にいないか探したがこの1羽だけだった。幼羽は各地で観察しているが,夏羽はもしかしてディジタルカメラで撮影を始めてからは初めてかもしれない。ということで,1羽だけだったが満足して蒲生に向かった。
【写真】
  
■オグロシギ成鳥夏羽
  
■オグロシギ/ダイサギ成鳥


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2011年8月14日(日)蒲生・ビール工場

2011年08月14日 | 蒲生海岸
■2011/8/14/(日)9:33-10:41【天気】晴れ
【場所】ビール工場,蒲生
【種名】ゴイサギ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,ミサゴ1,トビ,トウネン幼羽3成鳥夏羽4,キアシシギ夏羽6,イソシギ夏羽1,ソリハシシギ夏羽2,オオセグロカモメ,ウミネコ(5科15種)
【メモ】サギのコロニーを見てから蒲生に行った。駐車場から見ると手前の干潟にキアシ,ソリハシ,トウネンがいた。干潮で干潟から七北田川へ水が流れている。長靴で渡り,最初に七北田川のサギ類やカモメ類を見て,それから干潟に戻ってトウネン幼羽2羽を観察した。餌があまりないらしく,ずいぶん走り回っているが餌にありつけないようだった。七北田川近くの砂地では貝掘りをしている人がいたが,以前はたくさんいたイソシジミいないし,アサリもいない。これでは昨年のようにミヤコドリがたくさんやってきても通過してしまうだろう。トウネンの成鳥4羽と幼羽1羽の群れが今は埋もれてしまっている河口付近の渚にいた。幼羽はまさに幼羽の羽衣だったが,成鳥の4羽は写真を見るとわかるように,冬羽が覆いつつあるものや,夏羽の後期のものなど様々で,羽衣の変化の段階がわかってとても楽しめた。他にはキアシとソリハシが日和山があった場所の前面で採餌していたくらいだった。
それにしても,津波の影響で,シギチが採餌のために訪れる渡りの中継地は軒並み環境が悪化し,餌が不足している状況である。その中でもシギチの基本種でるトウネンをじっくり見られたのはよかった。
【写真】
  
■ゴイサギ幼鳥/ダイサギ幼鳥
  
■ダイサギ,コサギ,ウミネコ。ダイサギは体が大きいせいか,行動も他の鳥に対して遠慮がない。/餌を探すトウネン幼羽。
  
■トウネン幼羽/キアシシギ成鳥夏羽/トウネン
  
  
  
■餌を探すがなかなか見つからない/河口に砂が堆積し,海水が流入しないのでこのままでは干潟が淡水化してしまうかもしれない。
  
  
■トウネン夏羽4と幼羽1の群れ。トウネン夏羽は冬羽に換羽しつつものもあり,また,擦れて色が劣化しているものありで,おもしろい。/キアシシギ夏羽とソリハシシギ夏羽
  
■震災以来初めて蒲生で見たミサゴ/ウミネコとオオセグロカモメ成鳥/オオセグロカモメ第2回冬羽に移行中。嘴は変化しているが肩羽がまだ換羽していない。


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2011年8月12日(金)鳥の海,長谷釜周辺

2011年08月12日 | 鳥の海
■2011/8/12(金)11:30-15:12【天気】晴れ時々曇り
【場所】鳥の海,岩沼田圃・長谷釜周辺
【種名】ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,ミサゴ1,トビ,バン成鳥1幼鳥2,コチドリ幼羽1,ムナグロ成鳥夏羽1,ダイゼン成鳥夏羽1,オオセグロカモメ,ウミネコ,ツバメ,ハクセキレイ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(11科19種)
【メモ】石巻から三陸道・東部道路を経由して,鳥の海に行った。シギチは非常に少なく,ムナグロ1,ダイゼン1のみだった。ちょうど似たようなチドリが一緒に行動していて,大きさの違いがよくわかった。ダイゼンが図鑑通り大きい,かなり遠くから見た時はムナグロがかなりスマートに見え,シギと見間違ったくらいだ。近くに行って,ムナグロとわかった。他にはシギチがおらず本当に寂しい限りだった。
 震災後,まだ岩沼,長谷釜,名取のフィールドをきちんと見ていなかったので,工事中の岩沼海岸沿いの道を除き,シギチを探したが,予想通りシギチ以前の問題が山積していた。まず雑草が田圃に伸び放題で,本来ならシギチがいるはずの休耕田も環境が非常に悪化していた。次回はこれらのフィールドを丁寧に回って環境写真を撮りたいと思っている。
 長谷釜は集落が全て津波で流されてしまった。現在は瓦礫も撤去され,家々の土台が残っているところもあるが,多くはも更地となっている。これまで観察の中心だった湿地や休耕田は,比較的以前の環境が保たれているところもあり,バンが繁殖している場所もあった。
【写真】
  
■ダイゼンとムナグロ成鳥夏羽後期
  
■ムナグロ/長谷釜のバンの親子


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2011年8月12日(金)石巻雲雀野

2011年08月12日 | 石巻雲雀地区
■2011/8/12(金)8:33-8:53【天気】
【場所】石巻雲雀野
【種名】アオサギ,オオメダイチドリ幼羽1,キアシシギ夏羽2(3科3種)
【メモ】大型ダンプが何台も南側防波堤に待機し,西側堤防の盛り土を運ぶ準備をしていた。釣り人も数人いた。干潮で西側防波堤(というか防波堤そのものはかなり低いものだが)は海水の浸入がなく,だいぶ干上がっていた。その海草が生えた石の上にオオメダイチドリの幼羽がいた。最初逆光だったので順光側に回り込んだが,どうしても朝と言うことで逆光でしか撮影できなかった。それにしても餌は探すがカニらしき姿は全くない。そのうち流木(製紙工場用の輸入丸太)の上にあがり,そこから動く気配がなかったので,それ以上ここにはおらず,南側堤防をずっと歩いて行ったがキアシシギが2羽いただけで,また対岸(北岸)にもシギチは全然いなかった。帰りに西側防波堤の上を歩いていると,たくさんの稚魚の群れが水面すれすれを泳いでおり,その下の方を大きな成魚が泳いでいた。
【写真】
  
  
■オオメダイチドリ幼羽
  
■稚魚の群れ。


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2011年8月7日(日)赤沼

2011年08月07日 | 大沼・赤沼
■2011/8/7(日)12:02-12:22【天気】曇り時々晴れ
【場所】大沼,赤沼
【種名】カワウ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,コチドリ1,タカブシギ夏羽1,セイタカシギ成鳥♀夏羽1,ハクセキレイ,スズメ(8科11種)
【メモ】蒲生に向かう途中,赤沼にセイタカシギが来ているという情報をいただき,蒲生に寄ってから行ってみますと返事を書いて,赤沼にやってきた。この手のシギは探さなくても目立つからとても助かる。津波でフェンスが全部流され,道路と沼の境目がなくなってしまっている。以前,フェンスがあったところに車を停め,運転席から観察した。最初,ちょっと警戒して離れたが,また餌を採りにやってくるに違いないので,その間カルガモの親子(と言ってもだいぶ大きいが,行動はヒナそのものである)やコチドリ,タカブシギなど見ていた。そのうち,近くにやってきたので,餌を嘴で挟むところを撮ろうとずっとレンズを構えながら見ていた。この個体は♀の夏羽で,下嘴が短く,欠損したか最初から奇形で短いかだ。下嘴が短いシギとは時々見かけることがある。セイタカシギは座ると,踵(かかと)から下のふ蹠骨がやたら長いので,体のかなり前の方まで趾(あしゆび)がいってしまう。谷津干潟でヒナのじゃんこ座りや座った体勢からの立ち方を観察したが(http://www.geocities.jp/aiseisin2006/090613yatsuhigata/)これが非常におもしろかった。
【写真】
  
  
  
  
  
  


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2011年8月7日(日)サギのコロニーと蒲生海岸

2011年08月07日 | 蒲生海岸
■2011/8/7(日)11:06-11:33【天気】曇り
【場所】蒲生海岸・ビール工場
【種名】カワウ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,トビ,キアシシギ夏羽2,オオセグロカモメ,ウミネコ,ハクセキレイ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(10科16種)
【メモ】仙台北ICで降りてサギのコロニーのあるビール工場にきた。以前,コロニーはその前面の新田にあり,その後はビール工場南門右手の人工林で繁殖するようになった。しかし,今回の津波で人工林がダメージを受け,樹木の保護のため枝はらいを行ったことから,巣をかけられなくなったようだ。そこで,南門から少し離れた左手の交差点付近の人工林にコロニーが移った。樹木の種類や木の形状からゴイサギは前より少なく,道路から見えるサギのほとんどがチュウサギとダイサギである。アマサギとコサギも少ないようだ。また大沼周辺の田圃や南蒲生周辺の田圃に行けばいくらでも餌となるドジョウやカエルがとれたが,今回の津波で沿岸部の田畑は壊滅してしまった。例年なら9月になるとアマサギやチュウサギの大群を田圃のところどころで見かけるが,今年はどうだろうか。昆虫類を含め,今回の津波が従来の生態系に及ぼす影響は計り知れないものがあるだろう。
コロニーから蒲生に行ってみると,更地化がほとんど終わっていた。蒲生を守る会の大学時代から何度となく訪れていた蒲生の懐かしい町並みや養魚場の家々はもう完全になくなってしまった。筆舌に尽くせないというのはこのことだ。
干潟にはダイサギ,アオサギ,コサギが採餌しており,キアシシギ2羽が日和山があったわきの養魚場の泥の上にいた。七北田川河口の干潟はコサギ,ウミネコ,オオセグロカモメの群れがいた。
【写真】
  
■チュウサギの幼鳥/ダイサギの幼鳥
  
■ダイサギの幼鳥/給餌のため喉に餌をため込んでいるアマサギ成鳥。
  
■アマサギ幼鳥/ダイサギ幼鳥/争うダイサギ幼鳥
  
■七北田川の干潟に群れるコサギ,ウミネコ,オオセグロカモメ/キアシシギ


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2011年8月7日(日)石巻雲雀野

2011年08月07日 | 石巻雲雀地区
■2011/8/7(日)7:40-8:36【天気】曇り
【場所】石巻雲雀野
【種名】カワウ,カルガモ,マガモ,トビ,シロチドリ5,メダイチドリ23,キョウジョシギ4,トウネン夏羽3,ハマシギ夏羽10,キアシシギ夏羽6,ソリハシシギ夏羽2,オオセグロカモメ,ウミネコ,ヒバリ,ハクセキレイ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(12科20種)
【メモ】昨日のように霧はなかったが,シギチはほとんど北岸にいて,スコープを持って行かなかったので,細かいところは観察できなかった。キョウジョシギが南防波堤前の埋め立て地にいた。最終的に4羽で飛んでいたが,目の前で観察できたのは3羽だった。他は特筆すべきことはなかった。
【写真】
  
■マガモとキアシシギ/海水が常時流入していた東・南防波堤境付近にいたカニ類/南側防波堤と埋め立て地の様子。
  
■2羽で「狩り」をするキョウジョシギ。
  
■北側埋め立て地のシギチの様子


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2011年8月6日(土)石巻雲雀野

2011年08月06日 | 石巻雲雀地区
■2011/8/6(土)6:15-7:30【天気】霧,曇り
【場所】石巻雲雀野
【種名】カワウ,カルガモ,マガモ,トビ,シロチドリ2,メダイチドリ15,キョウジョシギ4,トウネン夏羽2,ハマシギ夏羽3,オバシギ夏羽1,キアシシギ夏羽12,ソリハシシギ夏羽1,チュウシャクシギ夏羽1,オオセグロカモメ,ウミネコ,ヒバリ,ハクセキレイ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(11科22種)
【メモ】いつも駐車しているところから西側ルートを回った。防波堤の一部がなくなっており,地盤沈下と併せて,埋め立て地内に海水が流入している。霧で視界が悪く,さらにシギチがいることにはいるが,警戒心が強く容易に近寄れない。それでも一通りのシギチは観察できた。これから先の防波堤が壊れていて一周できないので,東側から回ることにした。東側堤防は,以前来た時はここから「海が溢れていた」が,今日はそうではなかった。前回4月24日6-8時の観察時間のうち6:00に石巻は満潮で潮位129.4cm,今日は7:51で116.3cmだが,4月はブログの写真を見るとわかるように海も大荒れだったので越流していたのだろう。東側防波堤を歩いて行くと,チュウシャクシギがいた。南側防波堤付近では釣りをしている人もいた。地震前は埋め立てがほとんど終わっていて,シギチが餌を取るような場所もほとんどないような状態だったが,今日見ると,埋め立て土砂も一部を除きなくなっていて,大津波の威力を感じさせた。しかし,南側の一番長い防波堤はほとんど損傷がなかった。もしこれが破壊されていたら,この埋め立て地は海にそのままつながってしまっていたことになる。防波堤と埋め立て地との間には,海水の流入があって,以前のような環境に戻りつつある。シギチの多くは,北岸にいるので,潮が引けばまた近くに餌を求めてやってくるはずだ。
【写真】
  
■朝靄の中に浮かぶシギチの姿。
  
■メダイチドリとキアシシギの群れ/キアシシギ夏羽
  
■飛び立つキョウジョシギ。シロチドリとメダイチドリ。/チュウシャクシギ/キョウジョシギ
  
■キョウジョシギとチュウシャクシギ


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