2008年5月4日(日)金華山航路・金華山

2008年07月29日 | 金華山・航路

■2008/5/4(日)8:30-16:30【天気】曇り,霧
【場所】鮎川港~金華山(桟橋-山椒峠-大函崎-二の御殿-桟橋)~鮎川港
【種名】オオミズナギドリ++,ハシボソミズナギドリ+,ウミウ,ヒメウ,ミサゴ,トビ,オオセグロカモメ+,カモメ夏羽1,ウミネコ++,キジバト,アオゲラ,アカゲラ,コゲラ,ハクセキレイ,サンショウクイ,ヒヨドリ,モズ,イソヒヨドリ,アカハラ,ツグミ,ヤブサメ,ウグイス,エゾムシクイ,キビタキ,オオルリ,エナガ,コガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,アオジ,カワラヒワ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(19科36種)
【備考】この日の金華山航路は前日,金華山参りの船が衝突事故を起こしていた。船は一隻だけ,しかも本当は女川航路に乗りたいのだが,昨年暮れあたりだったか,定期船が廃止になっている。実は,前日事故があったとは知らずに,9時の船に乗ろうと行ったのだが,妙に混んでいて,乗れない人たちもいた。いつもなら,船の後ろでえびせん投げをする人でにぎわうのだが,この日も投げは投げるのだが,人が密集していて,投げるのも,撮影するのも困難な状態だった。それより,こんなに乗って沈没しないか,と内心恐れていた。さて出港すると,早速ウミネコがついてくるのだが,それより数が多くついてくる海鳥がいる。よく見れば(別によく見なくても)オオミズナギドリの大群と知れた。ウミネコにほとんどのえびせんを奪われつつも,必死になってウミネコのまねをして飛ぶ,餌を追って降りる。しかし,1回としてオオミズナギドリがえびせんをとらえた様子は見えなかった。やはり俊敏さではウミネコにかなわないだろう。遙かにウミネコを凌ぐ大群なのに,船の近くまで来るのはわずかで,とても差し出した指の先のえびせんを取るような真似はできない様子だった。まあ,どちらかというと飛んでいるのを楽しんでいるという感じだろうか(そんなことはないだろうが)。金華山に近づくと,ハシボソミズナギドリも増えてきたが,これは普通に飛んでいくだけで,オオミズナギドリのようにウミネコを真似るという習慣はまだないようだった。とにかく,天気が悪く海はまあまあ荒れていたので,写真を撮っていても,水平を維持するのは大変だった。ただ,オオミズナギドリが誓いので,400mmでなくても100,200mmくらいで十分だった。
さて島に上陸すると,小雨,霧雨,風,曇りで,最高に暗い。夏鳥は一通り出たが,晴れていないので,鳴き声も姿も全然だった。シャッタースピードも暗いので速くてISO400で1/90以下という状態だった。大函崎に行っても天気が悪く,いつものウミウやヒメウの美しい羽や光彩はかすんでよく見えなかった。歩くペースがいつもよりゆっくりだったので,船に間に合うように帰りの二ノ御殿越えはちょっときつかった。
帰りの航路はさらに暗かったが,ウミネコやオオミズナギドリ,ハシボソミズナギドリの乱舞が見られたのでよしとしよう。今回はオオミズナギドリが主役だった。今までで一番よく,オオミズナギドリの飛翔を間近に見ることができた日だった。これが女川航路だったら,さらには+一種のミズナギドリに,何種類かの海鳥が見られたはずだった。
【写真】
  
■鮎川港のカモメ夏羽/定期船についてくるウミネコとオオミズナギドリの群れ
  
■明らかに羽数はウミネコより多いが,えびせんを取るのはほとんどウミネコだった。
  
■オオミズナギドリの飛翔,いろいろな角度から今回は撮影できた。
  
■オオミズナギドリ/外周路の崖側は植生の荒廃が進んでおり,そこにホオジロがいる/キビタキ♂
  
■せせらぎの森のオオルリ/枯死した海辺の樹木の上のイソヒヨドリ♀,何となく風景にマッチしている/荒廃が進む海岸部
  
■オオセグロカモメ成鳥夏羽/ずんぐりした体型のハシボソミズナギドリの飛翔(ただし翼は長い)/ヒメウの群れ
  
■ウミウ成鳥夏羽/ヒメウ成鳥夏羽/断崖でのウミウの営巣


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2008年5月3日(土)鳥の海

2008年07月23日 | 鳥の海
■2008/5/3(土)11:40-13:30【天気】晴れ
【場所】鳥の海
【種名】カワウ,コサギ,チュウダイサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,スズガモ,ミサゴ,トビ,シロチドリ,ハマシギ,ミユビシギ,キアシシギ,オオソリハシシギ,チュウシャクシギ,ユリカモメ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(12科25種)
【備考】ゴールデンウィークはどのフィールドに行ってもすばらしい風景と鳥に出会える。鳥の海は越冬していたハマシギやミユビシギの羽衣が次第に冬羽よりも夏羽が優勢になっていく様子がよく観察できる。冬羽を覆うように夏羽がちらちら見えるようになり,次第に全体が夏羽に換わっていく。しかも個体によって早い遅いがあり,年若い第1回夏羽と成鳥でも違う。これもおもしろい。逆に秋には色褪せ擦り切れ気味の夏羽の上に新鮮な冬羽が覆ってくるので,これもなかなか美しいものだ。同じ夏羽といっても氏原氏のハンドブックにあるように「5月頃の夏羽」と「8月頃の夏羽」ではフレッシュさが当然違う。またシギを見ていて不思議に思うのは,夏羽の色が白,黒,黒褐色,茶褐色,赤褐色,バフ色というように,褐色系になっているということだ。決して瑠璃色やエメラルド色の夏羽のシギというのはいない。こんな色のオオソリハシシギやミユビシギがいたら,日本の5月の干潟の風景もまた違ったものになっていることだろう。
閑話休題,コアジサシだが毎年この時期は防波堤の上で求愛の給餌行動をしている。今日は,晴れていて,しかも天気がよかったのでゆっくり堤防の上に座って釣り人に擬態し,近寄ってくるシギチやコアジサシを待つことにした。コアジサシについては各写真のコメントのようであった。今回の観察と関連して,コアジサシの論文ですばらしいのがあったので読ませていただいた。
「コアジサシにおけるつがい外交尾」鳥羽悦男 (1989) 日本鳥学会誌38(2):67-77

【写真】
  
■防波堤のオオソリハシシギとチュウシャクシギの群れ。オオソリハシシギは♂♀とも夏羽になっているものから,まだ羽軸が目立つ個体まで様々。
  
■ハマシギとミユビシギのランディング。この日は盛んにエンジン付きパラグライダーが干潟の方まで飛んできていて,堤防の上のシギチが何度も飛んではまた降りるということを繰り返していた。
  
■堤防に座ってしばらくじっとしていると,♀のコアジサシがのこのこ歩いてこちらへやってきた。3m位の距離で,しきりに餌を欲しがって鳴いていた。5,6m先では♀らしき個体に魚を持ってこない♂がやってきて,交尾を試みようとする風だったが,♀は魚も持ってこないで何するの!という感じで後ろからやってくる♂を相手にしなかった。
  
■水面に嘴を立てて魚を追い,見事キャッチして飛んでいく♂(たぶん)。この♂ではないが,♀に魚を持ってきて両側にいる♀を見ているようだったが,結局,どちらの♀も興味を示さず,諦めて別のところへ飛んでいった♂。さすがに餌をくれれば誰でもいいというわけではないらしい。
  
■さて,目の前の♀が急に騒ぎ始めた。そこへ♂がやってきて,求愛給餌行動となった。♀は躊躇することなく魚を受け取った。
  
■やったね!という感じで喜びを表す♂。本来ならこの後交尾をするはずと待っていたが結局1匹では不満なのか,それとも餌を受け取っては見たが,持ってきた本人が気に入らなかったのか,あるいは,近くで人(私)が見ていたので,そうならなかったのか,わからないが,とにかく交尾はしなかった。
  
■喜びを表現する♂。本当はこの姿勢で♀と交尾するらしい。何となく物足りなそうな♀。近くの別の♀の個体。餌,来ないかなあ,という感じ。
  
■ハマシギとミユビシギの群れ。夏羽になった個体から,移行個体まで様々だ。
  
■ハマシギとミユビシギの群れ。オオソリ,チュウシャク,ハマシギ,ミユビシギの飛翔。
  
■オオソリ,チュウシャク,ハマシギ,ミユビシギの飛翔/オオソリハシシギの♀と♂の夏羽,明らかに♀の嘴が♂より長い/漁船が港に入ると波で防波堤に波しぶきが上がる。ここではよく見られる光景だ。若干逃げ遅れるシギチもいる。こうなったら自分もレンズとカメラを懐に入れて波を背にして通り過ぎるのを待つしかない。
  
■いったん飛んでまた戻ってきた群れ/防波堤に長く展開し群れ/チュウシャクシギの各個体の下嘴を見ると全部茶色っぽいのから,図鑑通りのものまでいろいろいる。左端の2羽は若い個体のようにも見える。


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2008年4月29日(火) 湯ノ倉温泉

2008年07月12日 | 花山湯ノ倉温泉
■2008/4/29(火)8:10-11:00【天気】晴れ
【場所】温湯温泉~湯ノ倉温泉,花山ダム周辺
【種名】オシドリ,シノリガモペア1・♂1,ミサゴ,トビ,キジバト,ヤマセミペア1,アオゲラ,アカゲラ,オオアカゲラ,コゲラ,キセキレイ,サンショウクイ,ヒヨドリ,モズ,カワガラス,ミソサザイ,コルリ,ヤブサメ,ウグイス,エゾムシクイ,センダイムシクイ,キビタキ,オオルリ,エナガ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,ホオジロ,ノジコ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(20科種33)
【備考】今シーズン最初(で最後になってしまったが)の湯ノ倉温泉探鳥行に出かけた。例年は5月の連休だったが,昨年度は職場と仕事が変わり,この時期は「無知蒙昧」(知らないで狼狽えること)の真っ最中であったので,とても連休に鳥を見に行くところではなかった。さて,温湯温泉に着き,湯ノ倉温泉に向かおうとしていたところ,年配のご夫婦が鳥を見ている風情だった。自分も見てみると,すぐシノリガモのペアだとわかったので,教えてあげたら,やたら感心していた。山の中でシノリガモを見たのは初めてらしかった。写真を撮影するために,迫川に架かる橋に行って,下を覗くと美しい川底が見え,そのほぼ真下の大きな岩の上に,シノリガモのペアがちょこんと乗って休眠しているのであった。これから数日のうちには上流を目指すのだろう。温湯温泉を後にして湯ノ倉温泉に向かうでこぼこ道を,渓流の鳥に注意しながら走っていると,ヤマセミのペアが河原の石の上に止まっていた。けっこう近かったが,車を止めたためにこちらに気づいて撮影するまもなく飛ばれてしまったのは残念だった。白糸の滝に行く吊り橋を過ぎ,ミソサザイの声を聞きながら駐車場に着いた。崖が万が一崩れてもいいように,いつも離れたところに止めてはいる。リュックを背負い,靴をサンダルから履き替えて,橋を渡った。最初の坂でいつも息があがるので,ゆっくり周りの風景や鳥の鳴き声を楽しみながら(当たり前か!),登っていった。ブナの巨木がきれいで,また眼下の渓流がとても美しかった。いつもはあまり撮影をしないのだが,このときに限ってけっこう風景や樹木,草花を撮影しながら宿に向かった。途中,一通りの鳥の鳴き声がしたが,姿は見えずの状態で,宿に着いてしまった。いつものように,まず,シロに挨拶し,それから宿のご主人や奥様に挨拶してから露天風呂だ。30分くらい入って,あがるともうシノリガモ♂1羽が来ていた。いつものように石垣の上の角材の上に座り,撮影やら観察をした。周りはミソサザイやエゾハルセミ,それにカジカの声がする。シノリガモは潜水して盛んに採餌していたが,いつも露出をアンダーにするのを忘れて,帰宅してから見ると,できた写真はシャッタースピードの遅い,オーバー気味のもが多かった。まあ,次の回に注意して撮影しようと思ったが,それも今となってはかなわないことになってしまった。帰りの小径ではオオアカゲラのドラミングがなかなかすごかった。コナラか何かの木の後ろに回ったかと思うと,すさまじいドラミングを始めたので,しばらく聞き入ってしまった。帰りの花山湖近くの田圃の畦にミサゴがさっと舞い降りて,何か大きなものを掴んで行ってしまった。写真に撮ったがみんなオーバーの低速度シャッターで,何を掴んだのか判別がつかなかった。いずれ魚ではないので,こういうのは初めてで,驚いた。
 湯ノ倉温泉を始め,6月14日の震災で多くの方々が犠牲になり,美しい渓流は土砂に埋まって,豊かな生態系は見るも無惨に破壊されてしまった。自分が小さい頃,すさまじい豪雨で,自分の家の急峻な杉山が崩れ,土砂が山の3つある一番上の堤に流れ込み,当然堤防が切れて,次の堤,次と堤と決壊し,危うく近くの家を押し流しそうになり,その流れはまっすぐ我が家の広い桃畑に押し寄せ,すべてなぎ倒し,我が家の母屋の隣の納屋をものすごい勢いで下の田圃に流れ,広い範囲の田圃をすべて,押し流したことがあった。その後沢には砂防ダムが数カ所造られたが,その影響で土砂ダムができ,ヘビトンボの幼虫がいっぱいどこにでもおり,多くの種類の魚類が生息していた美しい沢は,今はその面影もなくなってしまった。そのスケールの遙かに大きい震災が湯ノ倉地区を始め,栗駒山麓を襲ったのだった。いかに自然のなす業とはいえ,これまでこれほど山が動くという被害を受けたことはなかったであろう。一日も早い復興と,自然がいつか元のように戻ることを願うものである。
【写真】
  
■温湯温泉の迫川にかかる橋の上から撮影した岩の上のシノリガモのペア
  
■湯ノ倉温泉に行く橋を渡り,少し急な山道を登っていくとブナの林が美しく,下を見ると,迫川上流の清流が見える。そこから15分ほど歩けば湯ノ倉温泉の赤いトタン屋根が見え,いつも座ってシノリガモを待つ,石垣がある。
  
■小径の真ん中に羽が散乱していた。湯ノ倉温泉近くの陽の当たる道端には白や青花のキクザキイチゲが咲いている。湯ノ倉温泉のシノリガモ♂。今日♂は2個体目。
  
■水中に潜って採餌するシノリガモ♂。海にいるときとは雰囲気がかなり違う。けっこうのんびり屋だ。♂♀複数でいるときにはまたかなり様子が違うが。
  
■餌を食べて下流に戻っていくシノリガモ♂
  シノリガモ♂と宿の母屋と客室をつなぐ連絡通路の屋根の上に止まっているキセキレイ。

  
■急峻な斜面沿いの小径は所々,雨で崩れた斜面が露出している。車ででこぼこの山道を下ると渓流沿いにカワガラスの姿を多く見ることができる。
  

花山御番所のサクラにとまったヒヨドリ


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2008年4月20日(日)鳥の海

2008年07月06日 | 鳥の海
■2008/4/20(日)8:10-9:00【天気】曇り
【場所】鳥の海
【種名】カワウ,コサギ,チュウダイサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,スズガモ,ミサゴ,トビ,シロチドリ,メダイチドリ,ハマシギ,ミユビシギ,オオソリハシシギ,チュウシャクシギ,ユリカモメ,オオセグロカモメ,カモメ,ウミネコ,ツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(13科28種)
【備考】雲が厚く,日差しがほとんどない状態だったが,潮干狩りが今年は行われていて,大勢の潮干狩り客が来ていた。ハマシギやミユビシギの越冬個体にさらに北上してきた個体群が加わったのだろう。前回よりも数がだいぶ多かった。さらにオオソリハシシギとチュウシャクシギの群れが混じり,メダイチドリの群れもハマシギ,ミユビシギの群れに混じって,全部で200羽を超えるシギチが干潟で採餌していた。シギチの羽衣も曇りであまり色は映えないが,だいぶ夏羽になってきているようだった。あとあと一週間もたてば,さらに個体数が増えて,いつもの堤防に集結する姿が見られるはずだ。
【写真】
  
■ハマシギ,ミユビシギ,メダイチドリ,オオソリハシシギの群れ
  
■背眠するミユビシギ/ミユビシギ,ハマシギ,メダイチドリの飛翔/ハマシギ


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