私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

公園池のカイツブリ。幼鳥3羽が順調に成長中。大沼と違って、競合する水鳥や天敵がいない。大沼ではこうはいかない。

1998年7月6日(月)慕田峪長城

1998年07月07日 | 県外・国外・その他
■1998/7/6(月)9:00-14:00頃【天気】晴れ
【場所】北京市内(天安門,故宮博物館,天壇公園など),北京郊外,八達嶺長城,慕田峪長城
【種名】サギSP,ハヤブサSP,アマツバメSP,シロガシラジョウビタキ♂1,ヒゲホオジロ♂+,スズメ,シベリアムクドリ♀,オウチュウ+(8科8種)
【メモ】飛島に行く暇がないので,ブログを見ているとチョウセンメジロの記事があったので,ふと気がついた。確か八達嶺植樹ツアーに行った時,チョウセンホオジロと書いた記憶があった。それで確かめてみると,どう見てもチョウセンホオジロではない。自分が持っている中国や韓国の鳥類図鑑を見ても該当する種がいなかった。ウェブで中国産の鳥チェックリストというのがあったので,それを見ると明らかにヒゲホオジロ,Rock Bunting,Emberiza ciaだった(Emberiza ciaで画像検索するとたくさん出てくる)。さらにジョウビタキというのも間違いで,これはシロガシラジョウビタキ,Guldenstadt’s Redstart,Phoenicurus erythrogastrus(同前)だった。また,ムクドリSPは,腰,下腹,下尾筒がオレンジっぽい色ということで,シベリアムクドリ♀とした。この時はけっこう時間があったはずなのだが,意外に鳥の撮影枚数と種類も少ない。カメラは確かCANON T-90でレンズはFD600mmf5.6+スリックの重い三脚を持って行った。金曜日から翌週の水曜日で4日間年休を取って行った。鳥はというと,朝,ホテルの庭に出てみるとアマツバメの類がたくさん飛び回っていたのや,八達嶺の植樹現場や長城2カ所では,上述したホオジロそっくりの声で鳴いているヒゲホオジロはやたらいた記憶があるが,長城を登ったり下ったりするのがやっとで,あまり鳥はじっくり見ることがなかったのが残念だった。
<1998年の記事(一部改)> 
 イオングループの「万里の長城植樹プロジェクト」のツアー (1998年7月3日~7日)に参加し, 自由行動の日に慕田峪長城へ探鳥にでかけた。北京市内からタクシーをとばして1時間30分くらいで着いた。途中,美しいポプラ並木やヤナギ並木のある広い道路をかなりのスピードでとばしていくのが,とても爽快だった。前日は豪雨で,至る所で河川が氾濫し,川沿いの農地に被害が出たとのことだった。あまり観光客が行かない田舎の方もいろいろ回りたかったので,中国の旅行社に頼んでガイドと専用車を用意してもらった。ガイドは大学をでたばかりのバイトの女性で,日本語の先生になりたいとかで,とても日本語が流暢だった。タクシー代だけなら二万円以下で済むところを,5万5千円も払ったが,写真がいっぱい撮れたり,いろんなところを回って,自分の好きなところで停めてもらったり,いろいろな話をすることができてよかったと思う。
 さて長城に行く途中,巨大な遊水地(懐柔県,現懐柔区)があり,道を外れていってもらうと,小さな村があり,オウチュウが数羽いた。 日本ではまず見られない鳥で,ひらひらした飛び方や,水面の虫を捕食する姿を見ることができた。何しろ,タクシーから降りて,いきなり白い600mm望遠を担いで遊水池に行くものだから,ガイドと運転手が心配して,羊の世話をしながらけげんそうにこちらを見ている村人に事情を説明してくれていた。
 慕田峪長城(ぽでんよくちょうじょう ムーティエンユーチャンチョン,Mutianyu Great Wall,http://www.mutianyugreatwall.com/index.asp)は,クリントン大統領が中国を訪れた時に行った長城だ。有名な八達嶺長城の方は完全な観光地で,物売りだらけだったが,慕田峪長城の方は観光客も少なく,物売りも1,2カ所程度で,のんびりした感じだった。大統領が来るというので,新しいのに取り替えたというロープウエイはとても快適で,長城にはあっという間に着いた。
 天候が心配された長城だったが,前日の大雨もやみ,晴天で遥かかなたの山々まで続く長城を見ることができた。長城の長い坂道やいくつかの望楼をくぐり,歩き続けると,目の前の外壁や外壁のすぐそばの灌木で囀るチョウセンホオジロ(注 ヒゲホオジロの間違い。以下同じ)の姿があった。鳴き声はホオジロそのものだが,日本の亜種ホオジロとはだいぶ違っていた。ハヤブサ科の猛禽が山の斜面沿いに滑るように飛び,望楼の外壁に日本では夏は見られないジョウビタキの♂(注 シロガシラジョウビタキの間違い)がとまっていた。きつく長い坂を登り切ると,そこから先は廃墟となっており,本来ならまだまだ長城は続くのだが,それ以上は登ることはできなかった。廃墟となったテラスと遙か彼方の峰々へと続く長城を見て,感慨しきりだった。
 長城を歩いていて驚いたのは,かなりの急斜面なのに滑らないことだった。もっとも滑ったら,軍馬 (長城は軍馬が通るのだそうだ。)も人もスムーズに移動できないだろう。北京郊外の有名な八達嶺観光の時は,霧がかかり,かなり濡れていたが,全然滑らなかったのでびっくりしたものだ。
【写真】
  
■慕田峪長城の外壁の上で囀るヒゲホオジロ♂
  
■八達嶺植樹エリアのヒゲホオジロ/慕田峪長城の望楼上で見たシロガシラジョウビタキ♂
  
■遊水池北側の岸辺(と言ってもやたら広い。google mapで確認可能)にいたオウチュウ/慕田峪長城のシベリアムクドリ♀。腰,下腹,下尾筒の色に注目/サギSP
  
  
  
  
  
■慕田峪長城の風景


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