私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

公園池のカイツブリ。幼鳥3羽が順調に成長中。大沼と違って、競合する水鳥や天敵がいない。大沼ではこうはいかない。

2007年7月28日(土) 蔵王馬の背

2007年07月30日 | 宮城蔵王
■2007/7/28(土)11:15-11:25【天気】曇り時々晴れ,強風
【場所】蔵王馬の背のお釜側斜面上部
【種名】アマツバメ,ビンズイ,イワヒバリ,ウグイス(4科4種)
【備考】今シーズン2回目の蔵王。6月17日は久々の晴天で,聖山平と刈田岳から馬の背に行ったが,イワヒバリは鳴き声とちらっと飛んだのを見ただけで帰ってきた。今日は,今回を逃すと,蔵王探鳥は今シーズンは終わりという気持ちでエコーラインを登っていった。いつものようにリフト乗り場でこんにゃく玉を買い,リフトに乗りながら食べる。これがまたおいしい。さて,リフトを降りて,周りを見回すと,強風で鳥どころではない様子。ビンズイの声も聞こえない。ウグイスがちょっと。だいたいこんなに風が強くては,枝にも棒にも止まれない。イワヒバリのいるお釜側はきっと風は多少弱いだろうと期待しながら歩いていくが,雲足の速さと言ったらかなりのものだ。柵を乗り越えてお釜沿いに歩いていくと,前方に鳥を観察している方がいる。近くに行くと知り合いのご夫妻だ。挨拶をして,5羽いるというので,一緒に観察させてもらうことにする。さてここから約10分間。かなり離れたところにイワヒバリを発見,と思うのもつかの間,私たちの目の前を直線飛行で何度もびゅんびゅん飛ぶ。あっちで啼いてはこっちで囀るという状態。すぐ近くの岩に降りてどんどん上に登りながら採餌。すぐ真下の岩場で交尾行動。まるでスズメのようにあっちこっち飛び回る。お釜の水をバックに飛翔写真を撮ろうと思ったが結局撮れず。それより鳴き声がすばらしい。結局,着いてすぐ,写真の撮影データを見ると11:17~21のわずか4分ほどの間に撮影した写真が140枚だった。5羽で連れ立って飛ぶ姿も見られた。ご夫妻に感謝である。昨年度は,幼鳥と成鳥だったが,今回の5羽中確実に観察した3羽は成鳥だった。
【写真】※ビンズイは6/17の写真
  
■エコーライン途中のビンズイ/リフト乗り場付近のビンズイ
  
■馬の背下の岩場で囀るビンズイ。この岩ではよくビンズイが囀っている/雪渓を歩くビンズイ。後肢と長い爪に注目/イワカガミのアップ
  
■すぐ近くに飛んできて,のっと頭を出した。/雌雄の別はわからないが,成鳥と幼鳥では,嘴の下基部が成鳥では白薄黄色に対し,幼鳥ではピンク色で,頭部は成鳥では一様に灰黒色だが,幼鳥は白の短い線が細かく入る。喉も成鳥のような灰白色の横縞模様がない。(前年の観察写真参照)
  
■近くの岩場にやってきて,採餌しながら,どんどん斜面を登っていく。小さな草むらの上に上がるイワヒバリ。なかなかいい感じだ。


ここからが交尾のシーン。時間にして30秒たらず。3,4羽ですぐ近くの岩場にやってきて,そのうちの2羽の♂♀が交尾をしたが,とにかくせっかちというか忙しいというか,小さな岩場の狭い場所でまるでスズメのようにせっかちに交尾してはすぐ行ってしまった。カメラには最大2羽しか写らなかったが,実際には数羽が入り乱れていると感じだった。
  
■1回目の交尾。連続写真だが,写真見るとゆっくりしているようだが,実際にはこの3枚でたったの1秒である。
  
■鳥はお互いの総排出口をくっつけて交尾する。♀の総排泄口が見えている。
  
■結局,交尾が成功したのは1回だけで,上の2回目は失敗,3回目は♀が岩場から降りてしまって,♂の後ろの方の岩場へまた登ってきた。
  
■喉を膨らませて啼いている♂。/遠くの岩場で3羽で行動している。どういう関係なのかはよく分からないが,全部で5羽一緒に行動しており,基本的にこの5羽は成鳥なのではないかと思ったがどうだろうか。すると幼鳥はどこに?ということになるが・・・・。


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