Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

小笠原の欧米(ハワイ・ポリネシア含む)系日本人

2014年12月16日 | 社会(歴史・都市計画含む)

スペインのコリア・デル・リオという町には、慶長使節団のときにスペインに残った日本人の子孫が住んでいます。 

この町は、スペイン人のベゴーニャさんも今年訪問して写真を送ってきてくれたりしましたが、その末裔だけでなく、町の人も、400年前にやってきた日本人(およびその「血」に)敬意を払ってくれています。 

セビージャのパティオにて
http://www.jspanish.com/yomimono/patio/patio37.html 

ところで、これとは反対に、日本にも昔やってきて日本人になった欧米人およびハワイ・ポリネシア人がいたことをご存じでしょうか?

ウィキペディア
ナサニエル・セイヴァリー(セボリー、Nathaniel Savory)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B5%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%83%BC 

コリア・デル・リオの日本人及び子孫と対照的に、彼らは「誇り」とされないばかりか、今でもあまり知られた存在ではありません。 

それは、彼らの出身国と日本が戦争をしたから、ということもありますが(戦中は「スパイ扱い」され、戦後も1968年まで小笠原が米国されていたことで、占領中と変換後、複雑な立場に置かれました。)、日本の中に今でも「日本人は単一民族」という意識が強いこともあってのことだと思います。 

以下、2012年のニューヨークタイムズのMartin Fackler 氏の記事です。 

New York Times (2012.6.12)
A Western Outpost Shrinks on a Remote Island Now in Japanese Hands
http://www.nytimes.com/2012/06/10/world/asia/fewer-westerners-remain-on-remote-japanese-island.html?pagewanted=all&_r=1& 

記事中、子孫の一人の、
 “They don’t teach the history of the Bonin Islands to kids, don’t teach about Nathaniel Savory. The Japanese hide these things.”
という言葉がそのまま紹介されていますが、セボリー達のことやその子孫のことは、教科書に載っていなくても、小笠原のHP、TV、本でも知ることができるので「隠された事実」ではありません。

ただ、セボリーたちだけでなく、その子供、孫、ひ孫・・・代々「外人」と呼ばれてきていることは、悲しい事実なのでしょう。

記事を読んだベゴーニャさんが、記事の中の"They call me foreigner" という言葉について、
『El Extranjero(異邦人)』 https://www.youtube.com/watch?v=g8gtVRhgnKoの歌詞を思い出してしまう。悲しい」
と言って、歌詞の英訳を送ってきてくれました。 

"A boat in the harbor is waiting for me 

I do not know where it will carry me 
I do not go looking for greatness 
My only desire is to heal my sadness.  

I am leaving not thinking of the return 
Nor do I regret what I had 
I know I can take
All my things just in one pocket. 

I feel at home in America,
In Antigua I would die
It is the same with Africa 
Asilah, Essaouira and the Riff. 

But wherever I go
They call me foreigner.
Wherever I am
They make myself feeling as a foreigner. 

Also, I am a weird in my land 
Although I truly love it.

But my heart advises me:
Nationalisms? No thanks. 
No country, no flag 
Neither race or condition 
Or limits, or boundaries.
I am just Foreigner. 

But wherever I go
They call me foreigner.
Wherever I am
They make myself feeling as a foreigner." 

参考:

ウィキペディア
欧米系島民
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E7%B1%B3%E7%B3%BB%E5%B3%B6%E6%B0%91 
(ウィキぺディアには書かれていませんが、1968年以降、小笠原を離れた欧米系日本人には、島民からの「仕返し」を恐れた人もいたようです。事実として「仕返し」された人がいたのかはわかりませんが、戦前、戦中、戦後、「蝙蝠」扱いされた人達の心の傷は大きかったでしょう。)

コメント
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