ワールドカップ、夫と息子はテレビにかじりつくことが多くなりました。
今はもうあまり関心を払われなくなった、旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国を構成していた国々の名前が、二人が観ているTVから聞こえてきます。
セルビア、クロアチア、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、モンテネグロ、コソボ(コソボは承認していない国もあります。)、独立した今でも、戦火はまじえないものの、今も対立が続いている国(民族)同士もあります。
先月のバルカン半島を襲った洪水では、被害の大きかったセルビアやボスニアに、他の国々が救援に駆けつけて、美談として報じたマスメディアもありましたが、本当に憎しみの連鎖や民族・宗教差別が本当に消えるのかどうかは、難しそう。
さて、旧ユーゴスラビアの1990年からの紛争では、セルビア人のミロシェビッチ大統領が『極悪人』として一番の憎まれ役を押し付けられました(彼もひどいことをしてきて、擁護はできません。)。
しかしこの時代、クロアチアなどはナチスがユダヤ人にとった政策と同じようなことをクロアチア内のセルビア人や他民族にしていました。
ユーゴスラビアに興味があったり、何ら関係がある人でなければ、クロアチアのファシスト集団ウスタシャのことは知らないでしょう。
ましてやウスタシャとカトリック教会との繋がりなども、思いもよらない。
とはいっても、ウスタシャはともかく、「一番悪いのは、クロアチアだ」とジャッジすることもできません。
以下のもの、ユーゴスラビアに興味がない人も、歴史と戦争、戦争の中の正義、報道について・・・いろいろ考えさせられると思います。
長いですが、是非どうぞ。
クルト・ケプルナー著
『戦争の国への旅―ユーゴスラビアでの一外国人の体験』
抄訳(4)元吉瑞枝