「今年二度目の関西旅行記(その11)高野山編④」のつづきは、「狭義」の高野山真言宗総本山金剛峯寺のお話です。
大主殿でご本尊の弘法大師にお参りした後、金剛峯寺の拝観かたがた、お茶のご接待を受けるべく、新別殿を目指しました。
大主殿と別殿を繋ぐ渡り廊下の傍らには枯山水
こぢんまりとした枯山水ながら、結構トキメキながら渡り廊下を通って別殿区域に入り、新別殿で、お茶とお菓子をいただきました。
新別殿は、リーフレットによれば、
昭和59年(1984)の弘法大師御入定1150年御遠忌大法会執行に、大勢の参詣者の接待のため、記念事業の一環として同年1月に新設された。
とあるとおり新しい建物で、旅館の大広間といった風情。
但し、床の間に掲げられているのが、弘法大師の御影と、金剛界・胎蔵界の文字曼荼羅というのが、金剛峯寺ならではです。
そして、法話を聞かせていただけるのも、お寺ならでは
この日は、明治末期まで女人禁制だった高野山ではまだ数少ないらしい尼さんの法話をお聞きしました。
両界曼荼羅とは何かといった話は、ぼんやりとしか理解できませんでしたが、
人間には誰にも役割があって、この世の中で不要の人、生きる価値のない人なんていない。
曼荼羅に描かれた無数の仏さまがそれぞれ得意分野や担当分野を持っているように、どんな人も得意分野や担当分野を持っている。
縁あって両親から授かった命を大切にして、決して諦めることなく、自分の得意分野や担当分野を見つけましょう。
というお話(かなりの要約・意訳です)は、私の心に響きました
この記事を書くにあたって調べてみると、この日、法話をしてくださった尼さんは、本山布教師の浅田慈照さんだったようです。
心が洗われた気分で、新別殿を出、別殿エリアを拝観しました。
高野山では紅葉が始まったばかりの段階でした。
そして、こちらの眺めは紅葉とは無縁
かと思いきや、年がら年中、ジッと変化なく佇んでいると思いがちの石庭ですが、背景の佇まいの変化で表情を変えるんでしょうなぁ。
「蟠龍庭」というこの石庭は、
石庭としては我国最大の庭(2,340平方メートル)である。雲海の中で雌雄一対の龍が、奥殿を守っているように表現されている。龍は四国産の青い花崗岩140個。雲海には京都の白い砂が使われている。
なのだそうです。
それにしても雄大な石庭だぁ
参観ルートを辿って大主殿に戻り、台所を拝見
大きな竃(かまど)に、
大きな釜 (三つの釜で2石=約2,000人分のご飯が炊けるのだとか)
寺院のバックヤードたる台所を拝見しつつも、私の目が上、小屋組に向いてしまうのはいつものことです
かなり満足して金剛峯寺を後にした私、奥之院に向かう前に、「第28回世界遺産劇場-高野山- 高野山開創1200年記念 Misia Candle Night」の会場となる壇上伽藍に足を運んだのでありました。
この「コンサート会場」の方向を示す貼り紙、知らない人が見たら何が何やら意味不明かも・・・
実際、金剛峯寺前の駐車場に設けられたコンサート・グッズ売り場では、通りすがりの観光客が、
何でMISIAのモノを売ってるの?
と疑問を呈しておりました