新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

県展(埼玉県美術展覧会)に行ってみた

2009-05-31 10:18:19 | 美術館・博物館・アート

昨日、さいたま市役所の周辺で恒例の「浦和うなぎまつり」が開催されるというので、行ってみようかとかすかに思っていました。「うなぎ弁当」は開会(10:00)早々に整理券が無くなると聞いていた一方で、何十分も待ってまでして弁当を買うのもなぁ、とうだうだしているうちに、既に時刻は11:00目前。もう「うなぎ弁当」はあきらめつつも、話のネタとして、出かけてみることにしました。

   

さいたま市役所(浦和区役所と同じ建物)は、浦和駅・北浦和駅・中浦和駅を頂点にした三角形のど真ん中にあって、電車で行くにはやや不便(不動産業界用語では「3駅利用可」と美化される)です。

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そこで私がたてたプランは、

最寄り駅⇒埼京線⇒大宮駅(駅ナカで買い物)⇒京浜東北線⇒北浦和駅⇒埼玉県立近代美術館(県展を観覧)⇒徒歩⇒さいたま市役所(うなぎまつり)⇒徒歩⇒浦和駅又は中浦和駅又はそのまま徒歩⇒最寄り駅

というもの。

   

で、大宮駅まで行き、改札を出ることなく、駅ナカにあるCDショップで柳亭市馬のNEW CD(落語です)を購入し、京浜東北線に乗り換え、北浦和駅へ。

090531_1_1 埼玉県立近代美術館(MOMAS)に来るのは、ちょうど1ヶ月ぶり(前回の記事はこちら)。
MOMASでは「埼玉県美術展覧会」、いわゆる「県展」が開催中です(入場無料)。
公募展を観に行くことはほとんどない私ですが、かなり楽しめました。常設展示室を除くすべての展示スペース(講堂までも)を埋め尽くした作品の量もさることながら、質もかなりのものだったと思います。
特に、工芸と陶芸は見応えがありました
以前書いたことがあると思いますが、私、展覧会に行くと「貰って帰れるとしたら、どの作品を貰おうか」と妄想しながら観覧することにしています。それでいけば、貰って帰りたい作品が多かったぁ~

   

一方、絵画は、どこかで観たようなモチーフや色づかい、タッチの作品や、何を描きたいのか作者の意図がよく判らない(「描きたいから描いた」と言われればそれまでですが…)作品が目についた気がしました。
また、写真は、モチーフがかぶった作品が少なからずありましたっけねぇ。
作品を観て「作者の意図がよく判らない」場合、タイトルに手がかりがあれば鑑賞(理解?)の助けになるのですが、絵画と写真の出品作には薄ぼんやりとしたタイトル(その作品以外にもいくらでも使い回せそうなタイトル)がかなり多い印象でした。「画竜点睛を欠く」とはまさにこんなことを指すのかもしれません。

何段にも、また、何列も続く絵画や写真の作品群を観ながらしみじみ思ったのは、作者の個性を作品に込めて、それを観る人に伝えるというのは大変なことなのだろうな、ということ。自分のスタイルを確立すること自体が大変なことだろうし、加えて、そのスタイルが多くの人に受け入れられて、好かれなきゃならないわけで…。自分のスタイルを見つけられないまま、あるいはスタイルが世に受け入れられなくて筆を折ったり失意のうちに亡くなってしまったアーティストってどれだけたくさんいるんだろうかと、も一回しみじみと思いました。

   

県展は上に書いたとおり、目一杯のスペースを使って目一杯の作品を展示していたわけですが、かなりの観客を集めていました。さすがに人垣ができる状況とはほど遠いながら、どのフロアもまんべんなく観客が作品を楽しんでいました。出品者の友人・知人関係の方が大勢いらしたんでしょうかね。
それは良いとしても、ストロボを光らせて写真撮影する人が多かったのは勘弁して欲しかったな(展覧会では、特別の掲示が無い限り写真撮影ですし、写真撮影可であってもストロボ使用は禁止が普通です)。それと、ケータイで写真を撮る時の「ピピッ、カシャン」という音も耳障りだし。
よい子はマネしちゃだめだよぉ~

   

それにしても、一定のレベル以上のアーティストがこんなにも大勢いらっしゃって、作品を創っていらっしゃることには驚きました。一方で、アーティストが、生活の心配なく作品を創り続けられる環境にあるのだろうかと、(余計な?)心配までしてしまいました。当世は受け入れられなくても、後世に評価されるようになったアーティストは、美術に限らず芸術全般にわたって、古今東西、枚挙にいとまがないわけで…。

功成り名を遂げたアーティストはさておいて(引き続きご活躍を)、そこまで行っていないアーティストを育てて支援する役割は、その多くをお金持ちにお願いしたいものです。

昔から、パトロンとしてアーティストを支援したお金持ち(為政者を含む)は多いし、お金持ちにしても、夢見がいいと思いますぞ。
一方、親から引き継いだ財産とそこからの上がりを、スナック通いや振る舞い酒で浪費する(そして誰かに殺される?)だけの人生なんか最低ですな。

世の中のお金持ちの皆さん、よろしくお願いいたします。

   

「県展」観覧後のお話は項を改めます。

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