新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

秋田で美術館をハシゴ

2020-02-10 18:50:23 | 美術館・博物館・アート

帰省5日目にして、今回初めて「街」に出てきました。

目的は、買物美術館に行くことでした。
世の美術館・博物館「月曜休館のところが多いのですが、わがふるさと秋田市「秋田市立千秋美術館」「秋田県立美術館」は、展示替え設備点検等を除いて、ほぼ「いつでも開館」という珍しい美術館です。

秋田市立千秋美術館では「秋田市制130周年・秋田市立千秋美術館開館30周年記念」と銘打った「ベストコレクション展」秋田県立美術館「平野政吉コレクション(藤田嗣治の作品群)」「平野政吉コレクションの西洋画」と、どちらも両館の所蔵作品展で、したがって、観覧料はどちらも310円お手頃で、両館をハシゴすれば合計560円

ということで、両館をハシゴしてきました。

観た順番とはになりますが、まずは秋田県立美術館のことから書きます。

平野政吉コレクションの中核をなしている藤田嗣治の作品群は、もう何度も新旧の秋田県立美術館で拝見していますけど、どれも良い作品です
中でも私のお気に入りは、「客人(糸満)」⇒ (1938)「自画像」(1936)だな…

これに比べると、企画展「平野政吉コレクションの西洋画」の方は、藤田嗣治「魅せられたる河」「小さな職人と商人」を除けば、正直見劣りする感じで、「これはと思ったのは、ラウル・デュフィ「サーカス」くらいでした

   

一方の、秋田市立千秋美術館「ベストコレクション展」面白かったぁ~

一般的に地方の公立美術館は、地元出身 or ゆかりの作家や作品と、目玉になる(人を呼べる) 大家の作品を蒐集するものですが、千秋美術館のコレクションもご多分にもれず、「ベストコレクション展」はこんな構成になっていました。

 ○秋田蘭画と同時代の画家たち
 ○秋田ゆかりの近代日本画家たち
 ○木村伊兵衛と秋田
 ○岡田謙三と秋田の洋画家たち

「秋田蘭画と同時代の画家たち」は、小田野直武佐竹曙山(義敦)佐竹義躬ほか、18~19世紀初の画家たちの作品が集められて、なかなかの見応え

そんな中、佐竹曙山「写生帖」の中から展示されていたのは「龍」

欧州の「ドラゴン」みたい、というか、翼を持ったトカゲみたいです
いったい元ネタは何でしょ

そういえば、曙山公 (久保田藩主ですから) の作品には、妙なスタンプが捺されていて、以前から気になっていました。

説明板によると、あれは曙山公の落款で、「Sergotter vol Beminnen」オランダ語「至高の海神」という意味なんだそうな
外国語の落款とはねぇ~

   

「木村伊兵衛と秋田」良かったのですが、もっともふわぁ っとなったのは、「秋田ゆかりの近代日本画家たち」でした。

とりわけ、平福百穂の作品はどれも素晴らしくて、中でも「鉄線花」は、軽やか清々しくて、この展覧会での「お持ち帰りしたい作品」第一位でした

他には、寺崎廣業「舞妓・芸者」(芸者さんが実に粋でカッコイイ)高橋萬年「野山芝」良かった

う~んん、楽しかった…。

「ベストコレクション展」は、2月16日(日)・17日(月)展示替え(休館)を挟んで、18日から後期展が始まるのだそうで、後期展にも行きたくなってきましたぞ

   

「2020年最初の関西旅行記」さなかに、この記事を割り込ませてしまいましたが、関西旅行記とつながる話がありました。

平福百穂の杉戸絵「るり鳥」(1931)の説明板にはこう書かれていました。

百穂は、京都・養源院で見た俵屋宗達の杉戸絵触発され、一度描いてみたいと思っていた。その念願がかない、近衛文麿の依頼で描いたのが、この杉戸絵である。(以下略)

ほえぇ~
ここで「養源院で見た俵屋宗達の杉戸絵」という文言を目にするとは思いもよりませんでした
「俵屋宗達の杉戸絵」そのものを、2週間前養源院観たばかりですから

というところで、明日からは「2020年最初の関西旅行記」に戻ります。

コメント
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