新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

王子を歩き回った(その6)

2012-03-14 23:17:04 | 美術館・博物館・アート

「王子を歩き回った(その5)」のつづきです。


多くの自治体が公立の博物館やら美術館を持っています。そのこと自体、美術館・博物館好きの私にとって悪いことではないのですが、それぞれの公立美術館や博物館が個性を発揮するのはなかなか難しい…。
美術館の場合、一点豪華主義というか、一点名品主義のようなものが流行った時期があったようですが、2009年5月の記事「阿修羅さまに再会♪<上>」で書いたように、


世界的に有名な作家の作品のコレクションも特徴づける手段でしょうけれど、「地元重視」が公立美術館の目指すべき道だと思いますよ。


です。
一方、博物館の場合、2009年の大晦日の記事「年末関西旅行記(その2)大津の巻<上>」大津市歴史博物館について書いたように、


地元の小中学生の勉強には良いのでしょうが、「大津に来たぞ」と盛り上がる旅行者にとっては、気勢をそがれる感じです。


と、日本の歴史について最大公約数的な展示が多くなりがちな気がします。
2月26日に行ってきた北区飛鳥山博物館は、地元の歴史にスポットを当てようとする意図はひしひしと感じられたものの、私のように地元の住人ではない観覧者にとっては、一般的すぎる展示ディープ過ぎる展示が混在していて、ちぐはぐな感じでした。


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地方自治体が運営する博物館としては、どうしようもないことかとは思いますが、かなりのお金をつぎ込んで建てられて維持されている施設としては、ちょっともったいない気がします。
とりわけ、首都圏のように、ちょっと足を伸ばせばボコボコ博物館がある場合は、一般的な文物の展示は東京国立博物館国立歴史民俗博物館のようなところに任せて、その他の博物館はテーマをぎゅいっと絞り込むような思い切りがあってもよいのではないかと思います。


   


そんなちぃとイマイチな感想を持った北区飛鳥山博物館と違って、その隣りにある紙の博物館は、確信を持ってお薦めできる博物館でした。


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近代製紙業発祥の地・王子にふさわしい施設だと思いますし、展示も、説明してくれる人たちの対応も上々でしたし、写真撮影OKなのもうれしい
子どもたちだけでなく、大人にとっても、という、あって当たり前のモノに対する見方が変わるような楽しいひと時を過ごせるのは間違いありません
どんな機械を使って紙が作られているのか、


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とか、和紙はどうやって作られていたのか、


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とか(人形その他が和紙で作られているところがExcellent)、料紙はどうやって作られたのか、


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とか…。
どの展示も、かなぁ~り興味深いものでした。


そんな中での極め付きは、さまざまな紙が展示されていて、それぞれの紙の原料を見られるコーナー。
たとえば、太い繊維が漉き込まれた風情あるこの紙

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取っ手を引き上げると、この紙の原料が入っていまして、その正体は、、、、、


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な、な、なんと、ゾウのフン


いやはや、驚きました


というわけで、飛鳥山3つの博物館の中でも、紙の博物館徒然煙草一押しの博物館です

コメント
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