中野義照『印度古法典概説』に消罪について書かれてありました。
目に見えざる罪咎を祓い善を生ぜん為に、慎みある生活を為し衣食を摂し性欲を却け応分の布施を為し聖地を巡礼し聖典を読誦するが如きことは、法律的生活以外の仏教の生活に於いて既に古くから行われて来たことであり、密教が流行するに及びて以後の大乗仏教国の消罪法は全く婆羅門教道教のそれと外貌を一にする迄になって居る。
消罪とは滅罪のことだと思います。
中野義照師の文章を読み、オウム真理教のカルマの浄化は消罪(滅罪)だと気づきました。
オウム真理教は仏教の教義から多くを取り入れており、カルマの浄化もその一つです。
オウム真理教の教義では、業(カルマ)によって輪廻する境界が決まるから、三悪道に堕ちることを防ぎ、輪廻転生から解脱するためにはカルマ(悪業)を浄化、すなわち滅罪する必要があります。
https://blog.goo.ne.jp/a1214/e/d6d3a340f9f9659d7c9a8a7ef2e69d2c
1 滅罪の意味
まずは滅罪の意味をネットで調べました。
http://jodoshuzensho.jp/daijiten/index.php/%E6%BB%85%E7%BD%AA
2 滅罪を説く経典
多くの経典が滅罪を説いていますが、いくつかご紹介。
日本で最初に受容された護国三部経は滅罪の功徳を説きます。
・『法華経』
光明皇后は、全国に「法華滅罪之寺」を建て、これを「国分尼寺」と呼んで『法華経』を信奉した。
『源氏物語』に、死期の迫った紫の上(43歳)は法華経千部供養を行なったとある。
ウィキペディアに、「ツォンカパは主著『菩提道次第大論』で、滅罪する方便として法華経を読誦することを勧めている」とあります。
①『金光明最勝王経』
藤谷厚生「金光明経の成立と展開」
『金光明経』の中心テーマは懺悔滅業の思想である。
個人の懺悔によってその個人の悪業が浄化すると説かれていたものが、内容の発展において具体的な懺悔滅業の実践法が体系化して説かれた。
経典受持による功徳によって、個人のみならず国家の救済までも説かれるようになる。
このような護国の思想の背景には、国家自身の業が前提となっている。
つまり、国家にも善業(安楽)と悪業(困苦)があり、悪業を滅除することによって国家が安泰となる。
しかも、国家の業は王自身の業とも密接に関わっている。
王は国家に代わって善根功徳(王が経典(法)を受持し講説すること、また仏や僧を供養すること)をなすことによって国家が善根を積むことになる。
その功徳によって国家の悪業を善業へと転換し、国家の安泰が得られるようになる。
このように、護国の思想の根底には滅業の思想が前提となつている。
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②『観無量寿経』
③道元『修証義』
他にもたくさんあると思います。
中野義照師が書かれているように、平安時代、密教が渡来して以後は滅罪の方法は密教の修法が中心となったそうです。