居酒屋日記

Takeshi ORION Nishimori

Jazz Bar Sea

2007年12月08日 | 外食・弁当


今から30年前の話です。
大学生の時に足しげく通っていたお店がありました。

中野坂上の交差点の近くにポツンと在ったJAZZ喫茶。
真っ赤な店構えが印象的な「Sea」
実はJAZZはまったく聴きませんでした。
でも、何故か居心地のいいお店でしょっちゅう入り浸っていました。
マスターやママさんをはじめ、店に集まるお客さんみんないい人だったもんで。

そして、いつの間にかそこでバイトをするようになりました。
当時カウンターに居たバイトのSくんが夏休みなどで帰省する間の
リリーフとして務め始めたのですが、結局は随分長い間居座った気がします。

大学を卒業してあまり足を運ばなくなった頃
Seaは道路の拡張のために1本裏の道に移転。
しかし、その数年後には巨大なビルが建ったために無くなってしまいました。



それから時は流れて…
インターネットという便利な物が登場。
もしかして別の場所でやっているのかな? と検索してみたら…

ビンゴ!

中野坂上の隣りの駅、新中野でまだ営業しているじゃないですか!
さっそく行ってみると、当時とほぼ同じ店構えでSeaがありました。
写真はすべて今のSeaです。

時空を超えたような、妙な気分。
窓も扉も当時とまったく同じものを使っています。

この扉を開けると、30年前にタイムスリップするんじゃないかな?
と思うくらい懐かしかった。
でも、カウンターには当時のマスターはいませんでした。
しっかり30年の時間は流れたんですね。
今のカウンターには当時まだ幼稚園だった息子さんが
マスターとして立っていました。

しかし、店の内装や椅子、テーブルも昔と同じです。
聞いたら、移転の時に捨てずにちゃんと持って来たそうです。
LPが並んでいる棚も当時のまま。
でも、鳴っている音はCDでした。
プレイヤーは埃をかぶって隠居状態。それが妙に切なく見えました。

2月の日記にも書いたんですけど、
当時、このお店のメニューで「ジャガイモベーコン」というのが有ったんです。
シンプルな料理だけど、なぜか大好きで今でも家で作ります。
でも、そのジャガイモベーコンの名前はメニューにはありませんでした。
本家の味が楽しみだったのでちょっと残念!
でも、この味は我が家がしっかり継承してます。

目の前の生ビールが瑞泉の古酒に変わる頃カウンターの女の子に聞いてみた。
初代マスターは? って。

そしたら、何と、店の片隅で仕事をしているおじさんを指すではないですか!
何故に気づかなかったのか…
そこには当時のマスターが!!!!
いやぁー 驚きの再会。

マスターも「もしかしたら‥」と思ってくれていたらしいけど、
声をかけるタイミングを見計らっていた模様。

お互い歳を取ったけど、握手ひとつで30年は埋まりました。

ひとしきり昔話で盛り上がった勢いでマスターは電話を取った。
当時のバイト仲間だったSくんにいきなり電話。。。
電話越しではあったけど、Sくんともほぼ30年ぶりの再会!
実はドラマーだったSくんとは当時一緒にバンドもやっていたんですよ。

こうして何年も続く店って、人の接点をたくさん作ってくれるんですよね。
移転しても、店の内装だけでなく雰囲気や空気が変わっていないので
「ただいま!」って気持ちになります。
何年ご無沙汰していても常連さんは「ただいま!」って帰って来るんですね~。

最後に初代マスターと記念撮影!