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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

健康診断の事後措置について

2021-08-01 22:11:12 | 労働法

最近の労基署の調査では安衛法関係が以前より厳しくみられるようになったという感じたこともあり、週末チェックシートを作っていました。安全衛生管理体制もしっかりやっている会社さんでも思いがけないところで整備されていなかったりするのですが、おおむね50人以上の事業場は、衛生管理者、産業医の選任は行われており、要注意が10人以上50人未満の事業場の衛生推進者の選任です。

以前と比べてとても細かいところまでチェックが入るようになったのが健康診断についてです。特に事後措置について細かくチェックが入りますので、以下の点をしっかり対応しておく必要があると思います。

①健康診断の結果は、健康診断個人票を作成し、通常は5年間保存が必要です。( 安衛法第66条の3、則51条)
②健康診断の結果異常の所見のある労働者について、医師等の意見を聞かなければなりません。( 安衛法第66条の4)
・・・この意見聴取は、健康診断が行われた日から又は労働者からの健康診断の結果が提出された日から3か月以内に行うこととされており、また聴取した医師等の意見を健康診断個人票に記載することとされています。3か月以内の聴取はほとんど指摘はないですが、個人票に意見を記載しておくようにという点についてはほぼ指摘されていると思います。
③上記医師等の意見を勘案し必要があるときは、作業の転換、労働時間の短縮等の適切な措置を講じなければなりません。(安衛法第66条の5 )
④健康診断結果は、労働者に通知しなければなりません。( 安衛法第66条の6)
⑤健康診断の結果、健康保持に努める必要がある労働者に対し、医師や保健師による保健指導を行うよう努めなければなりません。 ( 安衛法第66条の7)
⑥常時50人以上の労働者を使用する事業者は、健康診断(定期のものに限る。)の結果は、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。( 安衛法施行規則52条)

上記以外に注意する必要があるのが「深夜業」を行っている場合の特定業務健康診断です。この場合は年に2回の健康診断が必要になります。2020年5月31日のブログに詳しく取り上げているのでこちらご参考にしてください。

Twitterにも上げたのですが、令和3年の厚生労働白書が出ました。今回のテーマは「新型コロナウィルス感染症と社会保障」ということです。リーマンショック時との様々な比較はとても興味深く、今回のコロナの影響の大きさを思い知った気がします。コロナ感染拡大によって見えた問題は、感染以前から抱えていた問題や今後表面化したであろう問題がコロナ感染拡大により急速に見えてきたものであり、コロナが収束しても元に戻るのではなくこの問題に正面から向き合い進まなければならないと。白書にも関わられた厚労省の職員である私の大学院の先生のこのコメントを拝見して、白書はいつも流し読みをしていたのですが今回は真剣に読んでみたいと思いました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/20/

オリンピックも半分が競技を終えた感じでしょうか。柔道の金メダルラッシュや卓球混合ダブルスの大逆転や体操の堂々たる試合ぶりなど毎日楽しませてもらっています。ただバトミントンや水泳の番狂わせも結構あり4年に1度のオリンピックで最高の力を発揮することの難しさも感じます。今日見た男子100メートルの決勝などは予選会から見ていましたが、準決勝で凄かった中国の選手が、その時一緒に走っていた優勝したイタリアの選手に決勝ではかなり遅れを取っているのを見ると、実力だけではない運というか最後は神様に微笑まれなければならないのか、と感じてしまいます。神様の微笑は日ごろからの努力によるものであることは間違いないのでしょうけれど、そういうものをも引き付ける力が必要なのかなという気がします。

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